Sequence‐6 ~コードネーム:99-S ②~
「これで、役者が揃ったか…」
上機嫌に微笑むシルビアに対して、佑梨は心配そうな表情で覗き込む。
「最上さん、どうしたの?…教授になんか云われた?」
シルビアに聞かれないように小声で話しながら、椅子を一脚用意して、玲を座らせる。
「あの…ごめんなさいっ…」
「?」
「先日の…部室での出来事が気になって…つい、ふたりの跡をつけちゃいました」
「ああ、なるほど…そういうことね」
ここに至る状況を正直に明かした玲の言葉に少し安堵するも…その好奇心に“やれやれ”と呆れ気味の佑梨。
「いや、見どころがあるぞ」
しかし、シルビアは手放しで褒めた。
「数学的思考は、事象に対する好奇心から始まるからな」
どこまでも正反対な二人の教師陣を前に、吏玖哉と玲は引きつりながらも…忖度の笑顔を維持した。
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憮然としている佑梨を差し置いて、その場の主導権を握ったシルビアが、誇らしげに胸を張って仕切り始める。
「改めて、前回の続きなのだが…」
「わふっ」
…シルビアの傍らには、きちんとお座りをしている謙。
なんと優秀なことか…助手の鑑だ。
「次期寄託部部長内定であるツゲリクヤの爆弾発言を受けて…突貫で仕上げた秘密兵器の実験…と、その答え合わせを行いたいと思う」
「わふわふ」
謙の合いの手も、絶好調である。
その一方で…
一回聞いただけでは内容を理解できなかった三人は、顔を見合わせる。
「実験?」
「…答え合わせ??」
「また…怪しいことを」
相変わらず否定的な態度の佑梨を横目に、テーブルの上に置いた藍鼠巾着の紐を緩め…シルビアは蒔絵箱を取り出す。
「さあ、ツゲリクヤ 開けてくれ」
「え?」
「そして、コードネーム:99-Sの特徴を発表してくれ!」
期待度100%のキラキラした眼で、吏玖哉を見つめるシルビアと謙。
その一方で…
初めて聞く固有名詞が理解できなった三人は、再度…顔を見合わせた。
「コードネーム?」
「…キューキューエス??」
「出た! やっぱり怪しい!」
佑梨が吼える。
あまりにも急展開で、さすがに状況が飲み込めない吏玖哉は、ストレートに疑問をぶつけた。
「なんですか? そのコードネームキューキューエスって」
「ああ、これから君の周りで起こるであろう…全事象を記録・分類して、タイムラインインデックスサーチ化するための…九十九神の便宜上の名前さ」
吏玖哉の問いに対して、シルビアは意味深な笑みを浮かべた。




