Sequence‐6 ~コードネーム:99-S ①~
「リエゾン教授?!…」
「お・絹・だ!」
安定のやり取りを済ませると、相変わらず不敵な笑みを浮かべながら、お決まりのPADと…藍鼠巾着をぶら下げながら部屋に入って来る。
「さてサクマリ、申請書類の処理…進捗を聞こうか」
巾着をテーブルの上に置くと、脇に置いてあった椅子をヒョイと拝借して、吏玖哉の隣を陣取った。
「まだ、な~んにも進んでいませんよ…て、云・う・か!」
机の上に上半身乗り出し、置かれた巾着を指さす佑梨。
「なに勝手に持ち出してるんです?」
強い口調で非難する佑梨に、カチンと来るシルビア。
「はぁ~?寄託部部室から、無断で持ち出したのはそっちが先だろう」
シルビアの勝手な言い分に、カチンと来る佑梨。
「あらっ 今現在、当学院において寄託部も…部室も…存在しておりませんけど!」
お互いに、感情と言いたいことがエスカレートしてゆく。
「私の知らない内に…油断も隙もない奴だ」
「ちょっと! そっちこそ、何の説明もなく、元気ハツラツで飛び出していったくせに…」
「ぐぐぐ…」
「むむむ…」
巾着の上で睨み合う両者を、吏玖哉は交互に制しながら…
「えっと…先生も教授も、少し落ち着いた方が…」
何とか仲を取り持とうと必死だ。
と、吏玖哉の言葉にハッとしたシルビアが、突然彼に振り向き、距離10cmの近さまで顔を寄せた。
「お絹だ! ツゲリクヤ」
「…!…」
シルビアに睨まれ無言の圧力を感じた吏玖哉は、慌てて言い直す。
「はい…お絹…さん…」
「うむ」
眼鏡をクイ上げして、満足そうに頷くと…
「…あっ! そうそう、もう一人ゲストがいるぞ」
怒り驀進モードから、突然通常運転に切り替わったシルビアは、椅子に座ったまま部屋の入口を振り返った。
「おい、入ってこい」
一拍間が空き…開いたままの扉から、上下で顔をひょいと出したのは…玲と謙だ。
“呼ばれました”と言わんばかりに、誇らしげに謙が部屋に入って来る
一方で…
「失礼しまぁーす…」
謙の後から、玲が肩をすぼめて恥ずかしそうに入って来た。




