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白い死神は瑠璃色の夢を見る  作者: 空想物語


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第12話 依頼

イレイナとの不思議な再会を夢の中で果たしたイア。


その想いを胸に、再び現実へと歩き出す。


そんな中、神崎恒一から新たな依頼が舞い込む。


任務の内容は、機密情報の奪取。


そして今回は、イアだけではない。


新たな相棒・レイナとの初めての共同任務が始まる。

夢を見てから数日が経った。


ある日の夕方、お義父さんが僕を呼び止めた。


その表情はいつになく真剣だった。


「イア、依頼を受けてくれないか。」


「どんな依頼?」


「ある施設に保管されている機密情報を盗み出してほしい。」


僕は思わず眉をひそめる。


「……それって犯罪じゃないの?」


恒一さんは静かに首を横へ振った。


「近いうちにクーデターが起こるという噂がある。」


「その機密情報が手に入れば、本当に計画されているのか確かめられるかもしれない。」


「もし噂が本当なら、多くの人が命を落とす。」


「だから、その前に止めたい。」


僕は少し考えた。


「その噂を裏付ける証拠はあるの?」


「いや、今のところは噂だけだ。」


「だが、何もしないまま手遅れになるわけにはいかない。」


しばらく沈黙が流れる。


やがて僕は小さく頷いた。


「……分かった。」


「依頼を受ける。」


そして続けて言う。


「今回はレイナと一緒に行くよ。」


恒一さんは少し驚いた表情を見せた。


「レイナを連れて行くのか?」


「危険じゃないか?」


「大丈夫。」


「ここ数日、一緒に訓練してきたけど、レイナは運動神経がいい。」


「特に気配を消すのが上手なんだ。」


恒一さんは少し考えたあと、静かに頷く。


「そうか。」


「なら任せよう。」


「二人とも、必ず無事に帰ってこい。」


「うん。」


その夜。


僕はレイナの部屋を訪れた。


コンコン、と軽くノックをする。


「レイナ、いる?」


「少し話がある。」


「どうぞ。」


返事を聞いてから扉を開ける。


するとレイナがじっと僕を見つめた。


「今日はちゃんと待てたんだ。」


「前に怒られたからね。」


「学習能力はあるみたい。」


少し意地悪そうに笑う。


僕は肩をすくめた。


「お義父さんから依頼を受けた。」


「機密情報を盗み出す依頼だ。」


「だから助手として一緒に来てほしい。」


レイナは首を傾げる。


「機密情報って何?」


「詳しくは分からない。」


「でも、近いうちにクーデターが起こるかもしれないらしい。」


「それを止めるための依頼なんだ。」


「なるほど。」


レイナは少し考え込んだ。


「いいよ。」


「でも、一つだけ条件がある。」


「条件?」


僕は思わず身構える。


「その条件とは?」


レイナは真剣な顔で言った。


「イアと同じ白いローブが欲しい。」


「……それだけ?」


「それだけ。」


「私も白いローブを着て依頼をやってみたいの。」


僕は思わずため息をつく。


命懸けの任務なのに、条件がそれなのか。


「分かった。」


「作っておくよ。」


レイナは驚いたように目を見開く。


「え?」


「イアが作るの?」


「うん。」


「このローブも自分で作ったから。」


レイナは呆れたように笑った。


「イアって、本当に器用なんだね。」


「普通だと思うけど。」


「いや、普通じゃない。」


レイナは苦笑する。


「それで、依頼は受けるってことでいい?」


「いいよ。受けてあげるよ。」


嘲るように笑った。


「ありがとう。」


「ところで、潜入する日時は?」


「二日後の夜。」


「その日に情報を盗み出す。」


レイナは力強く頷く。


「了解。」


「それまでに準備を済ませておく。」


翌朝。


僕は町へ出て白い布や裁縫道具を買い揃えた。


部屋に戻ると、一日かけてローブを作り上げる。


完成したローブをレイナへ渡すと、彼女は目を輝かせた。


「昨日お願いしたばかりなのに、もう完成したの!?」


「そんなに難しくないから。」


「……いや、十分すごいよ。」


レイナはローブを大事そうに抱きしめる。


そして嬉しそうに笑った。


二日後。


僕たちは新たな任務へ向かう。

第11話を読んでいただき、ありがとうございました。


今回は大きな戦闘はありませんでしたが、次章へ向けた準備の回となりました。


イアとレイナの掛け合いは、書いていてとても楽しい場面の一つです。


真面目で少し天然なイアと、少し生意気だけれど素直なレイナ。


正反対だからこそ、お互いを支え合える「相棒」になっていくのだと思います。


そして次章では、二人にとって初めての共同任務が始まります。


機密情報の先に待つ真実とは何なのか。


クーデターの噂は本当なのか。


そして「スペース」との繋がりはあるのか。


物語はここからさらに大きく動き始めます。


ぜひ次章も楽しみにしていただけると嬉しいです。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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