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白い死神は瑠璃色の夢を見る  作者: 空想物語


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第13話 共同作業

新たな相棒・レイナと共に迎えた初任務。


依頼内容は、ある施設に隠された機密情報を盗み出すこと。


しかし、その先に待っていたのは、予想を超える厳重な警備と、誰も知らない秘密だった。


二人の初めての共同任務が、今始まる。

二日後の夜。


高層ビルが立ち並ぶ街。


深夜ということもあり、どのビルも明かりは消えていた。


その物陰には、白いローブをまとった二つの影。


僕とレイナだ。


レイナは目の前のビルを見上げながら、小さく笑う。


「ここが機密情報を保管してる施設なんだね。」


どこか楽しそうだった。


「なんでそんなに楽しそうなんだ。」


「だって助手として初めての仕事だもん。」


「浮かれるな。」


僕は真剣な表情で言う。


「もし本当にクーデターを企んでいる組織なら、失敗すれば死ぬ可能性だってある。」


レイナも真顔になった。


「それは嫌だね。痛いのも死ぬのも。」


僕は小さく頷く。


施設の入口には二人の警備員が立っていた。


「どうやって突破する?」


レイナが聞く。


「試しにやってみろ。」


「分かった。」


その瞬間だった。


レイナは地面を蹴る。


壁を蹴り、警備員の真上へ飛び上がった。


音もなく着地する。


右手には小さなナイフ。


一人目の首筋へ素早く刃を走らせる。


男は声も出せず崩れ落ちた。


「誰だ!」


もう一人の警備員が振り向く。


レイナは迷わず距離を詰めた。


首元を狙って突きを放つ。


ナイフは首を浅くかすめる。


「外した──」


警備員が笑おうとした瞬間だった。


顔色が変わる。


苦しそうに首を押さえ、その場へ倒れ込んだ。


毒だった。


レイナは僕の方を向いて得意げにピースをする。


「どう? 私すごいでしょ。」


「褒めてもいいよ。」


僕はため息をつく。


「相変わらずだな。」


「……まあ、行こう。」


僕は内心驚いていた。


レイナは僕が思っていた以上に実力がある。


油断していた相手とはいえ、一瞬で急所を狙い無力化した。


訓練で運動神経が良いことは知っていた。


だが、ここまでとは思わなかった。


足手まといどころか、十分頼れる助手だ。


……もちろん本人には言わない。


調子に乗るのが目に見えているから。


「イアー!」


「早く入ろ!」


レイナに急かされ、僕たちは施設へ侵入した。


監視カメラの位置は事前に調べてある。


死角だけを選び、慎重に進んでいく。


その時。


三人の警備員が話しながら廊下を歩いてきた。


僕はレイナを手で制した。


「ここは僕がやる。」


「分かった。」


「お手並み拝見だね。」


警備員が近づいた瞬間。


僕は背後へ回り込み、眠り薬を塗った投げナイフを放つ。


三本。


全て命中。


警備員たちは静かに眠りへ落ちた。


「今だ。」


僕たちは奥へ進む。


辿り着いたのは社長室だった。


机。


金庫。


棚。


あらゆる場所を探す。


しかし機密情報らしきものは見当たらない。


(おかしい。)


(警備は異常なほど厳重だった。)


(なのに何もない。)


僕は部屋を見回す。


その時、レイナが本棚を見ながら言った。


「イア。」


「この本だけ、すごく使われた跡があるよ。」


僕も近寄る。


確かに一冊だけ傷み方が違う。


「待て。」


「不用意に触るな。」


そう言った瞬間。


レイナは本を引き抜いた。


「えい。」


「レイナ!」


ゴゴゴ……


本棚がゆっくり横へ動く。


その奥には地下へ続く階段が現れた。


レイナは満面の笑みを浮かべる。


「ほら!」


「お手柄でしょ!」


「褒めてもいいよ!」


僕は額に手を当てる。


「もし罠だったらどうする。」


レイナはしゅんと肩を落とした。


「……ごめん。」


「まあ、結果的には正解だった。」


僕は苦笑する。


「今回はお前の手柄だ。」


レイナはすぐ笑顔に戻る。


「でしょ!」


「当たり前!」


本当に調子がいい。


でも、そんなところも少し面白いと思ってしまった。


僕は地下へ続く階段を見つめる。


この先に、本当の機密情報がある。


そんな気がした。


「行こう。」


僕たちは静かに階段を降りていった。

第十一章を読んでいただき、ありがとうございました。


今回はイアとレイナ、二人で挑む初めての潜入任務を描きました。


冷静なイアと、勢いで行動するレイナ。


性格は正反対ですが、その違いが少しずつ「相棒らしさ」になってきたのではないかと思います。


また、施設の地下へ続く隠し通路も見つかり、物語はいよいよ核心へ近づいていきます。


地下には何が隠されているのか。


機密情報の正体とは何なのか。


そして、「スペース」との繋がりはあるのか。


次章では、さらに物語が大きく動き始めます。


ぜひ、続きも楽しんでいただけると嬉しいです。

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