表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白い死神は瑠璃色の夢を見る  作者: 空想物語


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/12

10話 レイナと家族と僕と

黒田雅人との一件を終え、新たな敵「スペース」を追うことを決意したイア。


その帰り道、路地裏で出会った少女・レイナを神崎家へ迎えることになる。


居場所を失った少女と、帰る場所を見つけた少年。


二人の出会いは偶然だったのか、それとも運命だったのか。


少し騒がしく、どこか温かい新しい日常が始まる。

僕とレイナは家へ向かって歩いていた。


夜風が頬を撫でる。


しばらく沈黙が続いたあと、レイナが口を開いた。


「ねぇ、君って具体的に何をしてるの?」


「僕は、とある組織を追っている。」


「組織?」


「ああ。その名は『スペース』」


レイナは首を傾げる。


「そのスペースって、どんな組織なの?」


「まだ分からない。」


「え?」


「これから調べていく。」


「だから危険がつきまとう。それでも僕の相棒になってくれる?」


レイナは少し考えたあと、にやりと笑った。


「別にいいよ。」


「どうせ帰る家もないし。」


「ご飯が食べられて寝る場所があるなら十分。」


そして、わざとらしく胸を張る。


「しょうがないから、その依頼とやらを手伝ってあげる。」


その言い方が妙に癪に障る。


最初はイレイナを思い出して誘ったけれど、失敗したかもしれない。


こいつはどこまでも上から目線だった。


思わずため息が漏れる。


「なに? そのため息。」


「もしかして、私を相棒にしたこと後悔してる?」


「……少し。」


「残念でした。」


レイナは得意げに笑う。


「相棒にならないかって言ったのは君だからね。」


それはその通りだった。


反論できない。


そんな話をしているうちに家へ着いた。


「ここが僕の家。」


レイナは目を丸くする。


「思ったより大きいんだね。」


玄関を開ける。


「ただいま。」


すると詩織さんがすぐに駆け寄ってきた。


「おかえり、イア。」


「今日は大丈夫だった?」


「うん。ただ尋問に行ってきただけだから。」


その後ろから恒一さんも姿を見せる。


「黒田雅人が亡くなったと聞いた。」


「本当に大丈夫なんだな?」


「大丈夫。」


そう答えると、詩織さんの視線が僕の後ろへ向いた。


「あら?」


「その子は?」


少し間を置いて、にやりと笑う。


「もしかして……イアの彼女?」


「違うよ。」


僕はすぐに否定した。


「彼女はレイナ。」


「事情があって路地裏で出会って連れてきた。」


「そうだったの。」


詩織さんは優しく微笑む。


「レイナちゃん、いらっしゃい。」


「夕飯できてるから、一緒に食べましょう。」


「お邪魔します。」


レイナは少し緊張しながら頭を下げた。


恒一さんも笑う。


「遠慮はいらない。」


「ここでは好きにしてくれていい。」


食卓を囲み、四人で夕食を食べ始める。


詩織さんが笑顔で言った。


「まずは自己紹介ね。」


「私は神崎詩織。」


「イアのお義母さんよ。」


「もちろん本当の親じゃないけどね。」


続いて恒一さんが話す。


「俺は神崎恒一。」


「イアのお義父さんだ。」


レイナは不思議そうな顔をした。


「本当の親じゃないって?」


恒一さんは静かに答える。


「イアは俺たちが養子として迎えた子なんだ。」


「なるほど?。」


レイナは難しい表情をしてうなずいた。


食事を続けながら、恒一さんが僕を見る。


「レイナとはどうやって出会った?」


僕は路地裏での出来事を話した。


話を聞き終えると、恒一さんは腕を組む。


「つまり、お前たちはスペースを追うんだな。」


「もちろん。」


僕は迷わず答えた。


「僕は追い続ける。」


レイナも笑う。


「私は行く場所ないし。」


「それに、ちょっと面白そうだから。」


詩織さんは苦笑する。


「私は危ないことはしてほしくないけど……。」


僕は静かに言った。


「でも、もう決めたんだ。」


詩織さんは少し寂しそうに笑った。


「そう。」


「イアが決めたことなら、お義母さんは止めない。」


食卓には穏やかな空気が流れる。


食事を終え、お風呂の順番を決めようとした時だった。


「あ。」


レイナが困ったような顔をする。


「私、着替え持ってない。」


その瞬間。


僕たち三人は同時に固まった。


「あ……。」


完全に忘れていた。


「ごめん。」


僕が謝ると、詩織さんが笑った。


「今日はイアの服を貸してあげましょう。」


「明日、一緒に買いに行けばいいもの。」


恒一さんも続ける。


「レイナの部屋は空いてる部屋を使ってくれ。」


「ありがとう。」


レイナは嬉しそうに笑った。


その夜。


神崎家に、新しい家族のような存在が加わった。


まだ少し騒がしいけれど。


そんな日常も、悪くないと思えた。


そして、僕は眠りについた

第八章を読んでいただき、ありがとうございました。


今回はレイナが神崎家で新しい生活を始める様子を描きました。


今まで一人で戦ってきたイアですが、これからはレイナという相棒と共に「スペース」という謎の組織を追っていくことになります。


性格は正反対の二人ですが、その掛け合いを書くのは作者自身もとても楽しく感じています。


また、神崎夫婦もレイナを温かく迎え入れ、神崎家は少しずつ賑やかになっていきます。


しかし、平和な時間は長くは続きません。


黒田雅人が命を懸けて残した「スペース」という言葉。


その真実に近づくほど、イアたちはさらに危険な戦いへと足を踏み入れることになります。


これからレイナがどのように成長し、イアの支えとなっていくのか。


そして、二人は「スペース」の正体へたどり着けるのか。


次章もぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ