52話 レイス
あれから2日ほど移動した。
ずっと変わらなかった森の風景がそこに踏み込んだときにガラリと変わった。
「ここは…廃村か?」
人の気配の無い村、亡骸や荒らされた形跡、争った形跡が無いことから何らかの理由で村の存続が危うくなり集団で移動したってところか。
マリーは相変わらず寝れていない、口数も少なく、足取りもおぼつかなくなっている。せめて壁があった方が寝れるだろうか?
日も暮れ始めている、今日はここの家を使わせてもらおう
軽い食事を終えると周囲の散策へ乗り出す。もし、魔物の縄張りや巣があった場合より警戒を強め、早めに発たなければいけない
2~3時間かけ、大まかに見たところ周りに大型の魔獣の形跡は無い。中~小型はいるかもしれないがこの戦力なら大丈夫だろう。
トットットットット
白い服を着た女の子が走っている。こんなところに子供一人なら、十中八九魔物の仕業だろうな、人をおびき寄せ食べる、そう言う類いのやつだ。
「おーい、危ないぞ」
それはそれとして声はかける、もしかしたら生身の人間かもしれない。なんというか動きがどうも人間臭いというか、人にしか出せない味があるんだよな。
どうも妙だ、こういう状況で未知のものをほっておくことはリスクを伴う、深追いは危険だがある程度は把握しておいた方が良いだろう
思ったよりも速い、体が軽いのかかなりの高さを跳躍している。ただ、足の長さや身体強化で十分追い付ける。
距離が少しずつ詰まり10分ちょっとで腕を掴めそうな距離まできた
スカッ
掴めなかった、二の腕を絶対に掴んだはずなのだが…魔物、それもレイスだな。どこかで集団で人が死んだのか、それともここがそういう土地なのか分からないがレイスだ。レイスは死者の魂が現世に残った魔物だと考えられている、人に幻惑をかけ体を乗っとるらしい。とても珍しく発見例は3桁は越えない。尤も小さい子供などの魔力に対する抵抗力が弱い人や、精神疲労があるものでなければどおってことは無いが…
精神疲労?
俺は一直線に村へ駆け戻る
肉体疲労、精神疲労、思考能力の低下、危険要素のオンパレードだ
少しずつ村が見えてくる
間に合った
幻惑をかけられ、謎の肉塊の方へと歩いて行っているが、まだ見た感じ怪我をしていたりはしない
「マリー‼」
だめだ、耳に入っていない
一歩、一歩と肉塊の方へと歩く
パシッ
腕を掴み、無理矢理にでも止める。
力が強いがどうにか止める
「行っちゃだめだ」
焦点が合わないその目を見て言う
何がとは言いませんが、もう一つのサブストーリで出てきたやつです。
ちょいだし設定
レイス、周辺の死体をかき集め魔力体である自身に張り付ける




