41話 糸口
既に見えている狼は木の根が刺し貫く。何体かすり抜けて襲いかかる。噛まれる瞬間に口内へ魔法を打ち込む
ナイフを出し、土て固めて硬度を上げて基礎を作り、火で炙って硬化、氷を纏わせ刃を作る。さらに風魔法で切れ味を上げる。
シュバルツに肉薄、作り出した剣を胸に突き立てるが身体に入ってはいるのに手応えもなくダメージも無い。
後方から前足が生成、木で縫い止める。
シュバルツが後ろ足で蹴りを入れる。壁を作るがそれごと切られ腕を四つに輪切りにされる。少し離れすぐに繋ぎ治す。
治療の間でさらに狼が増える
周囲の狼の攻撃を魔法で受け止める
ガキン
切られない、ということはやはりシュバルツの攻撃だけが魔法を貫通する。なら気を付けるべきはシュバルツのみ。
何らかの方法で物理的な攻撃が当たらないようにしている。攻撃されたダメージを別の場所に飛ばしている?なら上限がどこかにあるはず、大魔法でその上限を探ろう。そのためには現在使ったいる分の魔力操作のリソースを減らすため、隙を作る必要がある。
ガキン
剣を振るが、簡単に受け止められ、魔法を分解される。こんな急造の魔法で作った剣なんかじゃすぐに壊され太刀打ちできない。
魔力を自分で動かす余裕は無いが、詠唱を使えばまだ融通が効く。負荷がかかるがそんなこと言っている暇はない。
「大地の魔力よ、破壊の衝動、力の行方、その全てを我が手に…」
日常的に使用できる範囲を越え無理やり魔法を使っているのでズキズキと頭が痛む。
狼の量は少し減った、ストックが切れ始めたか?
「大地之喝采」
魔法の発動、襲ってくる狼を弾き飛ばし距離を確保。魔法でシュバルツを一瞬拘束絶対にその魔法に嵌める。
ドオン
地面が両方から手の形に盛り上がりシュバルツを押し潰す。手が開くと中に血痕が残されていた。だがシュバルツのものではない、直前で入れ替わったのを見た
魔力も残り少ない、あと3割程度。どうすることもできずとりあえず周囲の狼の攻撃を防ぐ
ズバッ
腕ごと胴体が半分ほどまで切られる。体のバランスが崩れ地面に倒れ落ちる。
内蔵はまだ出て無い。出ると面倒なので魔力で蓋をする。
防御もしていたそれに魔力の雰囲気からさっきの攻撃は周囲の狼のもののはず。
いや、爪だけ魔力の色が地が違う。そうか、爪だけ他の狼に貸したか。
傷の治りも遅い。
上から振り下ろされる前足を、木で体を無理やり動かし逃げる。
こんなところで倒れていたら格好の的だ。どうにか立ち上がり動き始める。
一歩歩くごとに激痛が走る。魔力も体の治療に割いているため。攻撃や防御に回せるものが少ない、血も生産が追い付いていないので頭がふらふらする。前みたいに魔法が使えなくなるのも時間の問題。
幸い一定範囲内からは狼が生成されない、これだけ距離があればどうにか今の状態でも迎撃が間に合う。
さっき隠れる瞬間影に潜るように消えた。否、魔力に変換された。シュバルツの能力は体を魔力へと変えると思って良いだろう。つまりこちらから無理矢理隷属すれば攻撃が通る
目も慣れてきた、シュバルツの部位を魔力を集中して撃ち抜く
ドフッ
行ける。攻撃の瞬間魔力を集中させるため防御ができないが、前足の爪ではなく手のひらのあたりへ体を動かせば衝撃はくるが切られない。折れた骨は治癒魔法で治せばノーダメージ
頭部は未だ出てきていない、足などの末端部はすぐに治されてしまう。こちらの魔力と血もそろそろ尽きる。早く止めを刺さなければ。
「ゴホッ」
正面から爪を刺される。一切気づかなかった。魔力感知にも、引っ掛からなかった。魔力の統制が取れなくなった。回復魔法も使えない、体を動かしていた木も、無理矢理動かしていた血液も、繋ぎ止めていた腕も魔法を使っていた全てが止まる。
『全く粘りすぎだぞ』
シュバルツに声をかけられる。
「ゲホッ」
血がどくどく流れ出す
『お主はそこまでして何を望む?そこまで傷ついてまでしたいことはなんだ?』
私がしたいこと…
そんなことを考えている暇はないはずなのに不思議と言葉が頭に入ってくる
なんなのだろうか、私がしたいこととは…
はーい微妙なところで終わりましたね、今回の後書きはシュバルツの能力と諸設定について後書きで語っていきたいと思います
シュバルツの能力は闇魔法の発展系
眷属(魔力の種類を近づけた者)の魔力配列を魔法陣へと変換、それを影へ記憶させて任意のタイミングで復元することで狼を出現させる。
視界に入る影のみという契約魔術を挟むことで近くになくとも視界に入ればその影から出現させることができる。シュバルツの視界のみだと範囲が狭いので眷属と視界を共有し眷属の視界でも同様のことができる。
また眷属を挟むと出現に多少のラグが生じる。
個性の無いかつ個人ではなく群れという単位で動く狼体こそできることで、人族などが行うと復元前と後で性格が変わる可能性がある。
体表へ直接復元できないのはその部分が相手に隷属されているため、力が余計にかかるためである。全力でやったらいける
闇魔法は発展すると精神操作へ移行するのでそれも使いどうにか眷属の自我を保っている
シュバルツの諸設定
マリーが街に来た時点ですでに近くの森にスタンバイしていた。南側から来たのでその圧から周囲の魔物、動物が逃げ隣町を襲う。マリーが森の魔力を黒いと表現したのは、シュバルツおよびその眷属の漏れ出た魔力をそう感じていた。




