39話 もう一つの可能性
3日間が終わるまであと数十分、街の大通りをシュバルツのいる南門に向けて歩いている。
周囲に人もたくさんいてとても重苦しい雰囲気だ、彼らは私を守っているのではない、私が逃げないように監視しているのだ、逃げないと何度も言っていたのだが、聞き入れてもらえず、これだけの人数を私の護送に裂くことになった。
南門では既にかなりの人数が待機しているらしい。私は一種の生命線なのだからしかたあるまい。
目隠しに轡、足枷に手枷、完全に拘束されている。
「おい、どうした‼」
「うわぁ」
「なんだ、何が起こってる」
「キャァ」
「どうしたんですか?大丈夫ですか?」
悲鳴と騒音がしばらく続く。
ガキッ
ガキッ
手枷と足枷が外れ、轡と目隠しが取られる
周囲にいた人たちはみんな倒れている。魔力が弱いもう助からない。
「あなたは…」
それよりも目の前にいる人について考えよう。身長は私と同じぐらい、黒いフードを被って身の丈より大きな鎌を持っている。鎌に血が付いていることからあれが凶器で間違いないだろう
「私はシスルだ、助けに来たぞ」
「助けに…って、こんなに人を殺した人を信じられると思う?」
「それもそうだな」
そう言うとシスルはおもむろにフードを脱いだ。頭には獣の耳、顔の横には人間の耳がある。私と同じ『忌み子』だ。獣人は人の耳が無いので間違えない。
「これで分かったか?さ、逃げるぞ」
腕を強引に掴まれる。
「シュバルツのところにいかないと、この街の人が…」
「は?まだそんなこと気にしてんの?そいつらはお前を売ったんだよ。そんな奴らのために死ぬことは無い」
「でも、もう南門にいっぱい人がいるから。私がいなくなったらその人たちも、メギさんたちも…」
「その人たちは、あなたが死ににいくのを止めたの?」
「それは…」
「ほら、そいつらも一緒だ。こんなところにいたらすぐ死んじまう、早く逃げるぞ」
「やめて、早くいかないと」
手を振り解く
「そう、じゃあ無理矢理にでも止める」
瞬間、シスルの姿が消える
「ゲフッ」
腹部に強い打撃。常に周囲を警戒しているはずなのに全く読めなかった。
ズシャッ
足首の切断。魔力で繋ぎ回復魔法で治す
「何が目的なの?どうして邪魔するの」
「同類として、よりよい方に導こうとしてるだけだ」
声が聞こえた方へ、木の根を伸ばす。居ない
スパッ
魔法の照準のため伸ばした腕を切られる。再度修復。そんなことよりも早く離脱しないと。周囲へ土魔法と風魔法の応用で煙幕を張る。上に予備の服に魔力を詰めた囮を放ち、地下へ潜る
「グッ」
地下へ鎌を突き刺される。そのまま引っ掛けられ地上へ引き摺り出される。せっかくならと鎌を掴み前方へ風魔法で攻撃をする。当たった、がダメージが無い、刺さっている肩と持っている手が痛い、土魔法で固定。
ドォン
「アオーン」
爆発音と遠吠え。シュバルツが攻勢に出たか、急がなくては。攻撃は通らないけど、当たる。それなら土魔法で拘束、ダメもとで草木魔法も加える
鎌を離し回復魔法で怪我を修復しつつ、離脱全速力で南門へ向かう
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私が去った後
「あれで覚醒してないとかなんかの間違いだろ、まぁ時間稼ぎとしては上々かな」
備考、シスルは女性です
題名の意味はまぁ、短編かなんかでシスルの過去についてやると思うのでそれ見て考えてください




