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第8話 刀vs刀

ー控え室ー

「次は俺の番か。」長身の男がソファから立ち上がった。やたらと長い手足が目立つ。

「よっこらせ。」虚実も立ち上がる。

「第2試合ですか?」微笑みながら聞くが、長身の男は無視した。


決勝トーナメント第2試合

日本刀代表 須佐野虚実 vs 薙刀代表 葛西透亜(かさいとうあ)

「見合ってええええええ!始めぃ!!!」


ドパアン!


虚実はまだ刀を抜いていない。葛西もだらんと握っているだけだ。


「薙刀の方だったんですね。僕は日本刀以外素人なのでどんな武器か教えてほしいんですが、」

「なぜ対戦相手に教えねばいけないのかわからないな。」

「できるだけ楽しみたいじゃないですか。」

「教えるつもりはない。」

「そうですか。」


葛西は刀を握り直して、構えた。それを見て虚実も構えるが、自分から仕掛けるつもりはないようだ。


「いやぁっっ!!!」葛西が斬りかかる。


ガイィン。


鈍い音が鳴った。虚実は体制を崩したようだった。驚いたような顔をする。


「なんて重い一撃だ。新海さんでもこうはならない。」

「日本刀の優勝者さんよ、その程度かい?」

そう言うと葛西は次を打ってきた。


ヒュオゥ。ガイィン!


ビュウッ。ギイン!


虚実は一つ一つダメージを逃がすのに苦労している。


「強いね。」

「さあな。」


ガツン!ガツン!ガツン!


依然として虚実はうまく受けきれてない。


「うーん。今じゃ無理か。」

「降参か?」

「そうじゃないよ。見てて。」


ストン…。


「何だそれは。」

虚実は答えない。

「行くぞ。」


ヒュオゥ。


ビュン!ザクッ。


ズドン!!!


ズバッ!


「んん〜〜っ!!!!」

両者同時に悶絶。二人ともの足に切り傷があった。

葛西の重い攻撃に対して虚実の『虚』が選択したのは回避だった。しかし、薙刀の間合いを完全には理解していなかった虚実の足に刃が届いた。その痛覚により、『実』に状態が変化。普段通りの動きに力みと足の傷が要因となり標準がズレ、葛西の足に傷をつけたのだ。

「まいったな。初見の武器には虚実があんまり有効じゃないのかな。」

「相当な腕前だ。まともに食らっちゃおしまいだな。」

「どうやって受けようか。」

そうしてまた両者は向かい合った。


ヒュオゥ。ガツン!

ヒュオゥ。ガチッ!

ヒュオゥ。キイン!


「お、今の良い!」


ヒュオゥ。キン!

ヒュオゥ。キン!


「こうか!!OK、ありがとう。」

「なんだと?」

「君のおかげで薙刀について学べたよ。とてもためになった。」

「何を言っている?」


ヒュン。ヒュン。


虚実が刀を振り回し始めた。


ヒュン。ヒュン。


「切れ味、スピード、軽さは日本刀が圧倒的だ。」


ストン……。

ヒュン、ヒュン。


トタッ。ヒュッ。カキン!


軽やかな動きで虚実が攻撃する。


カキン!カッ!カカカカカ。


速度が上がり、葛西の追える速さを超えた。


カカカカカ、ビッビッビッ!ザクザクザク!


ギュッ。ドン!!


ビャァッ!!!!


『実』を使った虚実の最速・最強の攻撃は葛西の腹を一文字に切った。


ドサ。


勝負ありだ。


「ありがとうございました。」


虚実は背を向け、その場をあとにした。



ー待機室ー

「須佐野、結局最初の方は攻撃する気がなかっただけでやられそうになってたわけじゃないってことか?」

「そう。」

「攻撃食らってたのは?」

「あれは虚実がうまくいかなかった。」

「最初のあれがなかったらあの攻撃もできなかった?」

「いや?あれは自分がやりたいようにしてただけだから多分もともとできた。」

「じゃあなんのために最初受けっぱなしだった?」

「それは……」

「それは?」

「好奇心。」

「どんなやつかなって?」

「そう。」

「かーっ!まじか兄ちゃん!」

「あ、この前の。」

「兄ちゃんよ、いい勝ちっぷりだったな!あっという間だった。俺とやるときもそうやって最初にチャンスくれよな!」そういうとそそくさとどこかに言ってしまった。

「えぇ……。」

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