第3話 初陣
「日本刀トーナメント第一戦勝者は総司流倉知篤人ぉぉぉ」
ワッと歓声があがった。
「倉知くん。これはなかなか。いや、目の前の戦いに集中しよう。」傷ついた戦士たちはしっかり医療を受けられるらしい。
第二戦
飛鳥流 須佐野虚実 vs 河合流榎田凌
「見合ってええええええ!始めいぃ。」
パァン。
「よろしく。」榎田が言う。
「ああ、よろしく。」
「じゃあ行くよ。」見合いも早々に切り上げ榎田はそう言うとすぐに飛びかかってきた。鋭い突きを放つ。
「おっ。それで良いんですか。ありがたくいただきますよ。」虚実はどこか舐めた態度でぴょいっとかわすと、
「いえぁあ!」思いっきり剣を振った。
カラン。
「は?」榎田が持っていた剣は刃が切られていた!!
「ハイおわりです。」榎田が見上げるとそこに立っている虚実は笑っているのに殺気を飛ばしまくっていた。
「刃が、折れたのか?」観客がざわめく。その中に勘のいいやつがいる。
「折れたんじゃない。切られたんだ。日本刀を切るなんて聞いたことがない。」
「榎田くん、刃を半分以上なくした君に勝ち目はないです。最初に突きを選択したのは間違いでした。しかもタイミングだってずらそうとしなかった。俺と呼吸があってしまいました。」
「まじか……」顔面蒼白な榎田の頬に虚実の刃が付く。その感触に呼び戻されたようにハッとする。
「クソが、よおっ!」恐怖が顔から見て取れる。榎田は短い刃の刀を投げつけてきた。それが虚実の腹に傷を付ける。
「あっぶねえ。当たりどころによっちゃあヤバかった。ですが、もう攻撃手段はないです。」
「ああ、わかってる。降参だ。」
ブン。サクッ。!!!!榎田の首筋に虚実の刀が届いている。
「え?」
「不意打ちだけしてすぐ降参ですか?ホントの試合なら死んでました。」
「あ。」
「安心してください。峰打ちです。」
「けっ決着うううう!勝者、須佐野虚実。」
「えっ?血ぃ出てんだけど。峰打ちっていったよな。」榎田の首には切り傷があった。
「須佐野さん!すごかったです!刀をこう、スパッと!あんなのができるって見たことないですよ。」
「え?突くときは刀をとられるリスクがある。常識じゃないですか?」
「いやいや、冗談言わないですくださいよ。そんなのないですって。」
「そうかな?」
「つぎ、俺の試合なんで、よかったら見ててください。」
「頑張ってください。」
第3戦
JPN総合文化部 三浦清 vs 津志田流 津志田賢治
「見合ってええええええ!始めい!」
ドパァン。
「JPN総合文化部といったか。実業団か?そんなのがあったとはな。」
「いえ、実業団ではないですよ。大会なんてこれ以外ありませんから。これはJPNグループが、日本文化の伝承を目的とした部所の名前です。私はその中の剣術の担当ということです。」
「へー。じゃあ、伝統とか意識してんの?」
「はい。もちろんそれ含めて剣術ですので。」
「くだらない。伝統とか、思いとか、そんなのは強さに邪魔なんだ。だから俺はもといた道場を出て、自己流を作ったんだ。強さのみに貪欲な俺の剣を見ろやぁ!」
ガキィン!振り切った津志田の剣を三浦は防ぐ。
「典型的な受けだなあ!」
ガキィン!ガキィン!ガキィン!縦横無尽に津志田の刃が三浦を襲う。
「すごいですね。縦の後の横、横の後の縦。簡単に連打できるものではありません。大体の剣士は斜めになるものを水平鉛直に。いつもと勝手が違うので受けにくいです。」
「ごちゃごちゃと!喋ってる余裕がいつまであるかだ!」
ビュッ!
キィン!スパッ。
「む。今度はまた変えてきましたね。少々怪我をしてしまいました。」
「喋んなって!」
ビュッ!ガキィン!シュパッ。シュパッ。シュパッ。
「っ……。」津志田の足、肩、腹には傷があった。相当な深手だ。
「すみません。あなたがまだなにか別の動きをしそうだったので決着を急いでしましました。」
「だから喋んなって。」
「あなたこそ喋らないほうがいい。腹の傷が大きくなる。」三浦はそう言うと刀をおろし、一礼してその場を去った。
「決着うううう!勝者は三浦清ぃ!」




