タイトル未定2026/07/02 02:37
診療所の仕事を終えたマスターは、マンションの台所の食卓のテーブルで、大門と遅い夕飯を食べていた。
昨夜たきこが作ったレシピを見ながら大門が作ったカレーを、マスターと大門は食べていた。
大門が作ったカレーを食べるマスターを、大門はじっとみつめて恐る恐る聞いた。
「どう?」
「美味しいです。やさしいカレーで、疲れを忘れます」
「よかったぁ」
大門はホッとしながら、安堵の息を漏らした。
「七海がお土産用に買ってきたナンも、美味しいよ」
「カレー専門店で買った、ナンですからね。でも、作りたてはもっと美味しいです。熱々で、皮はふっくらとして中はもちもちしていて。カレーと相性が良いです」
マスターの言葉を聞いていた大門は笑いだし、マスターは不思議そうな顔をした。
「……なんですか?」
「だって、七海。食リポをしている人みたい!」
マスターも、一緒に笑いだした。
「きっと、流花の影響ですね」
「そうだった。流花お姉ちゃんいつも楽しそうに、食べるよね」
「一緒に食事をするのが、とても楽しいです」
「わかる〜……ねぇ、七海」
「はい?」
「七海と流花お姉ちゃんの三人で、そのカレー専門店に行ってみたいな」
「カレー専門店ですか……」
「うん!僕も、その店のカレーと出来立てのナンを食べてみたい。流花お姉ちゃんに、会いたいし。きっと、楽しいよ」
「そう……ですか」
いつになく、マスターの口調は沈んでいた。
カレー専門店には、朝倉しのぶと二度行った。
その店に、流花を連れて行くなんて。
……そんなこと、したくない……。
何も知らない大門は思い出したように立ち上がり、大門が使っている棚の所に行き、棚の側に置いてあったランドセルから、プリントを一枚取り出した。
大門はランドセルから取り出したプリントをマスターに見せた。
「見せるの、忘れてた」
大門からプリントを受け取ったマスターは、プリントを読み始めた。
「夏休み前に、課外授業があるんですね。青年の家に、一泊するんだ……五年生にもなると、こんなことをするんですね」
「持ち物は、着替えの服と水着くらいかな」
「大門、五年生か」
マスターの目の前でカレーを食べる大門は、身長が少しずつ伸びていた。
カレーを食べ終えたマスターと大門は、並んで台所に立ち、食器を洗った。
食器を洗い終えたマスターと大門は、日課のジョギングに出かけた。




