↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
琴陵姉妹の異世界日記・改訂版  作者: 此花サギリ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/13

第七話:次元間交易センターの開幕と流動の戦略

グラン・ルシア王国の王都グラン、その一等地に位置する中央大通りの角地。


かつて破産した豪商の店舗であった重厚な三階建ての石造り建築は、わずか数日のうちに完全な改装を遂げていた。


正面には、磨き抜かれた真鍮と漆黒の木枠でデザインされた看板が掲げられている。そこに刻まれているのは、サイエス文字と日本語の双方で統一された重厚な屋号――『琴陵姉妹・次元間交易センター』。


開店を知らせる朝の鐘が王都グランの空に響き渡ると同時に、店舗の前を埋め尽くしていた群衆から、怒号にも似た歓声が一斉に沸き上がった。


「開いたぞ! 噂の『次元間交易センター』だ!」


「押すな! 今日の『精霊の涙(ハーブ美容液ミスト)』の入荷分はわずか三十瓶だと聞き及んでいるぞ!」


「失のう、下民ども! 私は公爵家より代理の任を授かった使いの者だ! 道を開けよ!」


二重に配置された強固な鉄製柵を、押し寄せる人々がミシリと揺らす。


集まっているのは、色鮮やかなドレスを身に纏った貴族の執事や女中たちだけではない。背中に身の丈を超える大剣や杖を背負った、見るからに猛者揃いの高ランク冒険者たちや、他国の商工ギルドから派遣された目ざとい情報屋たちも大勢詰めかけていた。


店舗の一階中央、大理石のカウンターの奥。


完璧に仕立てられた黒のパンツスーツに身を包んだ容子は、胸元のインカム(小型インカム型無線機)の位置を微調整しながら、手元のタブレット型端末(日本から持ち込んだポータブル電源駆動のローカルサーバー端末)の画面を冷静にタップしていた。


「ガルドさん、正面入口の入場制限を開始して。一度に入店させるのは十五名まで。ガイン隊長率いる東方伯爵家の騎士団に、外列の整理を徹底させて」


『了解じゃ、容子嬢! 応接室へ通す上客の選別も任せてもらおう!』


インカム越しに聞こえるガルドの弾んだ声とともに、重厚なオーク材の観音扉が滑らかに開いた。


入店を許可された第一陣の顧客たちが、争うようにして店内へと雪崩れ込んでくる。


しかし、彼らが足を踏み入れた瞬間、その猛烈な熱気は一瞬で静まり返り、息を呑む静寂へと変わった。


室内は、サイエスの伝統的な建築美と、現代日本の洗練されたディスプレイ美学が見事に融合していた。


天井からは、明るすぎず品のある温白色のLEDスポット照明(ポータブル電源から配線された省エネ照明)が照らし出し、無垢材のガラスショーケースの中に並べられた商品群を、まるで美術館の展示品のように黄金色に浮き彫りにしている。


そして何より、店内には宥子が特製調合した『柑橘とホワイトムスクのハーブ精油』がほのかに漂い、訪れた者の興奮を穏やかに沈静化させていた。


「な……なんという空間だ……。ここが本当に商店なのか……?」


「あの明かりは……魔法の灯火か? 炎の揺らぎが一切なく、商品が隅々まで見通せるぞ……」


整然と並べられたガラスショーケースの前に、第一陣の客たちが吸い寄せられるように集まっていく。


そこに陳列されていたのは、このグラン・ルシア王国では決して目にしたことのない、驚愕の製品群だった。


狂乱の売り場と価値の絶対化

「こちらが、王都の貴族女性の間で話題となっております『最高級ハーブ石鹸・至高の泡』でございます」


品の良い接客制服に身を包んだ現地の給仕店員が、白いシルクの上に置かれたスクエア型の石鹸を滑らかな手つきで提示する。


「苛性ソーダの精密な分量管理と、無添加オリーブオイル、シアバター、そして厳選されたハーブ抽出液を二ヶ月間熟成させた逸品です。……どうぞ、こちらのサンプルをお試しください」


店員がポータブルの温水器から注いだ水で石鹸を軽く擦り、木製の小鉢で素早く泡立てる。


一瞬にして、生クリームのように濃密でキメの細かい白い泡が鉢いっぱいに泡立った。


「な……なんだこの泡の細かさは!? この国の高級油脂は、泡立ててもすぐにへたれて油脂臭さが残るというのに……!」


「香りが……香りがまるで春の草花畑にそのまま身を投げ出したかのようですわ!」


富裕層の女性客が、差し出された泡を手にとり、その吸い付くような肌触りに感極まった悲鳴を上げた。


「買いますわ! この『至高の泡』、手持ちのものを全箱いただきます!」


「申し訳ございません。お一人様、一日二箱までの数量限定とさせていただいております」


「金貨一枚出しますわ! だから私に……!」


「価格は一律、大銀貨五枚となっております。金貨をお出しいただいても、割り込みや優先販売は一切行っておりません。すべてのお客様に平等な品質と価格をお届けするのが、我が『次元間交易センター』の鉄則でございます」


容子がカウンターの奥から静かに声をかけると、客たちはその毅然とした態度に圧されつつも、かえって製品への絶対的な信頼感を深めていった。


一方、店舗の右手に設置された『冒険者・探索者向け特設コーナー』では、さらに激しい熱狂が巻き起こっていた。


「おい、店員! この『即効性高濃度ポーション(経口補水パウダー&極小滅菌包帯セット)』ってのは本当か! 水に溶かして飲むだけで、消耗した生命力と体力を数分で劇的に回復させるだと!?」


大剣を背負ったBランク冒険者の男が、耐熱アルミフィルムで真空パックされた小さな袋を手に取って身を乗り出していた。


「ええ」


容子が自ら歩み寄り、冷徹かつ的確な解説を加える。


「従来の回復薬は、瓶が重く、割れるリスクがあり、さらに消化吸収までに小一時間を要しました。しかしこのパウダーは、滅菌処理された清涼水に溶かすだけで、脱水症状と疲労物質を細胞レベルで急速除去します。さらに付属の『高分子ポリマー圧着包帯』を傷口に巻けば、止血粉末の効果と相まって、戦闘中でも十秒で出血を完全停止させます」


「な……十秒で止血だと!?」


「実演してみせるわ。……ガルドさん、生肉のサンプルを」


ガルドが持ってきた血の滴るオーク肉の切り口に、容子が止血パウダーをふりかけ、ポリエチレン製の圧着包帯を巻き付けて軽く圧迫した。


一秒、二秒、三秒――。


包帯を解くと、あれほど溢れ出ていた血分が完全に固化し、肉の表面が清潔に密閉されていた。


「す……げぇ……! 傷口に砂やゴミが入る隙もねぇ! これがあれば、ダンジョンの深層で血を流しすぎて野垂れ死ぬリスクが半分以下になるぞ!」


「価格は、五回分のセットで銀貨二枚よ」


「安い! 安すぎるだろ! 二十セットくれ! 今すぐだ!」


「こちらも、お一人様三セットまでよ。転売や占有を防ぐため、冒険者ギルドの身分証(ギルド証)を確認させていただくわ」


一階フロアの熱気は、昼過ぎになっても衰えるどころか、さらに加熱の一途をたどっていた。


雑誌付録のナイロンポーチ、滑らかな金属ファスナー付きコスメバッグ、3Dプリンターで自家整形された高精度ガラス風ボトル、そして宥子の手作りハーブ製品。


それらすべてが、提示された適正価格(現地感覚では超高級品だが、富裕層にとっては破格の価値)で飛ぶように売れていき、レジ台の重厚な引き出しには、輝く銀貨と大銀貨、そして金貨が留まることなく吸い込まれていった。


二階応接室と『流動の戦略』

午後二時。


激しい混雑が続く一階の喧騒から離れた二階の特別応接室。


防音性の高い厚い絨毯が敷かれた室内で、容子はシルフィード公爵、およびグラン・ルシア王国の商業ギルド総長である老商・ヴェルナーと向き合っていた。


テーブルの上には、宥子が淹れた香ばしい和紅茶と、日本から持ち込んだクッキーが上品に並べられている。


「……信じがたい手腕だな、容子殿」


商業ギルド総長のヴェルナーは、窓越しに一階の狂乱を眺め、深く溜息をついた。


「私はこの王都で五十年間商売を見てきたが、これほど完璧に商品の価値を統制し、顧客の欲望をコントロールする店舗を見たことがない。特に『数量制限』と『均一価格の徹底』……普通なら高値をつけて競売にかけるものを、あえて抑えることでブランドの格を爆発的に高めている」


「競売は一時的な暴利を生みますが、市場を荒らし、製品の寿命を縮めます」


容子は冷たい紅茶を一口含み、手元のタブレット端末の画面を二人に向けた。


画面には、王都グランにおける消費財の流通マップと、容子が考案した『第二段階ビジネス戦略』のグラフが表示されている。


「総長、そして公爵閣下。私たちがこの店舗で目指しているのは、単に手作りの石鹸や現代の雑貨を売りさばいて金貨を稼ぐことではありません」


公爵が太い眉をひそめた。


「ほう……金貨を稼ぐことが目的ではない、とな? では、お前たちの真の狙いは何だ?」


「私たちが求めているのは、サイエス全土の『流動性の完全把握』と『希少資源の独占仕入れルート』です」


容子は指先で画面の数値をタップした。


「一階で販売している製品は、すべて『餌(フロントエンド)』に過ぎません。高品質で真似のできない製品を継続的に供給することで、王都の貴族や豪商、そして高ランク冒険者たちを我が『次元間交易センター』の顧客ネットワークへ完全に組み込むのです」


「ふむ……顧客を囲い込むわけか」


「ええ。そして、ここからが本題です」


容子は声を低くし、眼前の二人の老練な権力者たちを鋭く見つめた。


「私たちは、一階の製品の代金として、現金(金貨・銀貨)以外の『特殊な支払い方法』を解禁します」


「現金以外の支払い……?」


ヴェルナー総長が身を乗り出した。


「そうよ。例えば――」


未加工の最高級魔導鉱石(深淵の魔導銀、赤輝石、風の魔導石の原石など)


危険地帯で採集された未知の『古代遺物の欠片(アーティファクト・パーツ)』


Sランク以上の魔獣から採取された希少素材(ドラゴンの鱗、魔導筋組織、毒腺など)


「これらを持ち込んだ者には、通常の一階製品の優先購入権を与えるとともに、市場の買取相場の『一・五倍の換算価値』で製品と引き換えます」


「な……一・五倍だと……!?」


ヴェルナーが絶句した。


「それではお前たちの利益が減るのではないか! 希少素材とはいえ、一・五倍の価格で買い取れば……」


「いいえ。利益は跳ね上がりますわ」


容子は冷酷な勝利の笑みを浮かべた。


「なぜなら、この世界(サイエス)においてそれらの素材は『加工技術の限界』によって価値が頭打ちになっています。ですが、私には『構造解析』と、もう一つの世界(日本)が誇る現代の加工技術、そして3Dプリンターや精密化学の設備がある」


容子はポケットから、昨日完成させたばかりの新しいデバイスを取り出した。


それは、『深淵の魔導銀』の粉末とカーボン樹脂を超高圧で複合成形し、内部に微小な電気回路を組み込んだ――【魔導増幅リング(指輪型魔導器)】だった。


「この素材の原石は、サイエスではせいぜい金貨一枚の価値しかありません。ですが、私たちの技術で加工し、詠唱速度を三倍に引き上げる『魔導増幅指輪』として再構築すれば……王都の宮廷魔導師や大貴族に【金貨五十枚】で売ることができますわ」


「ご……五十枚……! 五十倍の付加価値だと……!?」


ヴェルナー総長は椅子から立ち上がり、ガタガタと全身を震わせた。


「素材を安く買い叩くのではなく、どこよりも高値で素材を集め、それを誰も真似できない次元の技術で超高級兵器や魔導具へ再構築して富裕層へ吐き出す……。完璧な、あまりにも完璧で完璧すぎる資本の循環だ……!」


シルフィード公爵も、感嘆の息を漏らした。


「恐ろしい小娘だ……。お前はただの商人ではない。国の流通と技術の構造そのものを再定義しようとしているのだな」


「ええ。そして、この『素材回収ネットワーク』が機能し始めれば――」


容子は胸の中で、密かに作戦の真の目的地を思い描いた。


(サイエス全土から、古代の神術や次元穿孔に関する『アーティファクトの欠片』と『高純度魔導鉱石』が、勝手に我が手元へと集まってくる……。自称神アーラマンユをいずれ解体するための『最終兵器のパーツ』が、向こうから歩いて集まってくるというわけよ)


宥子の『縁結び』と unexpected な客

応接室での戦略会議が終わり、容子が店舗の一階へと戻ってくると、そこには微笑ましい光景が広がっていた。


カウンターの一角に設けられた『サロンコーナー』で、宥子が二匹の白蛇『紅白』と『赤白』を膝に乗せ、王都の若い令嬢たちや女性冒険者たちとお茶を交わしながら談笑していたのだ。


「えぇーっ! 宥子様、このラベンダーの石鹸、お部屋に置いておくだけで素敵な貴族様との『ご縁』が結ばれるんですの!?」


令嬢の一人が、目を輝かせて宥子の手をとっていた。


「うんっ! 私の家系って『縁結びの祈祷』が得意でね、この石鹸には『良い出会いと幸運を引き寄せるおまじない』をたっぷり込めてあるんだよ〜!」


「買いますわ! 今すぐ買わせていただきますわ!」


「それとね、このスカーフを肩に羽織って、お店の前にある『縁結びの木』にお祈りすると、片思いの相手と急接近できちゃうかも!」


「まあ! なんて素敵なおまじない……!」


宥子の持ち前の親しみやすさと、琴陵の家系特有の『縁結び』の霊的なオーラが合わさり、サロンコーナーは貴族令嬢たちの「恋と幸運の相談所」と化していた。


容子は呆れ半分、感心半分でその光景を眺めた。


(相変わらずのポンコツだと思っていたけれど……宥子のあの『圧倒的な愛され力』と『縁結びの直感』は、私がどれだけロジックを組み立てても作れない最強の集客コンテンツね……)


その時だった。


店舗の重厚なドアが開き、カランカランと心地よい鈴の音が響いた。


入ってきたのは、周囲の喧騒とは一線を画す、全身から圧倒的な威圧感を放つ一人の男だった。


背丈は二メートル近く。身に纏っているのは、擦り切れた漆黒のレザーコートと、数々の戦修羅をくぐり抜けてきたことを物語る巨大な両刃のバトルアックス。


店内の一階にいた冒険者たちが、一瞬で息を呑み、サッと道を開けた。


「お、おい……あれって……」


「Sランク冒険者……『赤雷のヴォルグ』じゃないか……! なぜこんな場所に……!?」


ヴォルグと呼ばれた巨漢の男は、周囲の視線を一切気にすることなく、一直線に容子の立つメインカウンターへと歩み寄ってきた。


ドスン!


彼がカウンターの上に叩き付けたのは、麻袋に包まれた重々しい『何か』だった。


袋の口が開き、中から転がり出たのは――

深紅の光を放つ、見たこともないほど巨大な【赤竜(レッド・ドラゴン)の心臓結晶】と、未知の古代文字が刻まれた【歪んだ黄金の歯車】だった。


「……小娘」


ヴォルグの低い掠れた声が、店内に響いた。


「街の噂で聞いたぞ。ここじゃあ、誰も扱えない珍品や極上素材を、正当な価値で買い取ってくれると……。この古代の歯車と、昨日倒した赤竜の心臓……いくらで買い取る?」


容子は眼鏡の位置を直し、静かに手袋を嵌めると、その二つの品へ手をかざした。


「『構造解析・真価鑑定』」


青い光のラインが、二つの素材を網目状に包み込む。


視界に表示された解析データを見た瞬間、容子の瞳が鋭く光った。


【解析完了】


【対象1:純度99.8%・赤竜の心臓結晶(超高密度熱エネルギー炉の触媒)】


【対象2:古代次元干渉兵器の『極小ギア』・神格回路の一部】


(出たわね……! 早くも『アーラマンユの神話級回路』の破片を引き寄せたというわけね……!)


容子はチラリと隣のサロンコーナーを見た。


宥子が「えへへ〜」と白蛇と遊んでいる。


(宥子の『縁結び』が、早くもこのSランク冒険者と、神殺しのための貴重なキー素材を引き寄せたのね……!)


容子は視線をヴォルグへと戻し、不敵で完璧な実業家の笑みを浮かべた。


「素晴らしい素材だわ、ヴォルグさん」


容子はダッフルバッグから、日本から持ち込んだばかりの最新型ポータブル蓄電池ユニットと、3Dプリンターで自家加工した『対魔獣用・高圧電撃バトルアックス用強化パーツ』を取り出してカウンターに置いた。


「この素材の買取価格は――金貨三十枚。……それと、あなたのそのバトルアックスを、赤竜の結晶を使って『雷と炎の二重属性を纏う超絶兵器』へ無料で改修(カスタム)して差し上げるわ。……いかがかしら?」


ヴォルグの目が、驚愕で大きく見開かれた。


「な……なんだと……!? オレの斧を……炎と雷の二重属性に改修するだと……!?」


「ええ。我が『次元間交易センター』の技術なら、ほんの三時間で完了するわ」


ヴォルグは数秒間呆然とした後、腹から突き上げるような爆笑声を上げた。


「ハハハハハ! 気に入ったぞ、小娘! 取引成立だ! 今日からオレは、この店の専属護衛兼、素材調達係になってやる!!」


一階のフロアから、地鳴りのような歓声と拍手が巻き起こった。


最強のSランク冒険者の加入。

莫大な資金と希少素材の循環。

そして、着々と組み上がる『未来の神殺し』のための絶対的な兵站基盤。


グラン・ルシア王国の王都グランにおいて、琴陵容子と宥子の『次元間交易センター』は、名実ともにサイエス最強の商業拠点として、その圧倒的な進撃を開始したのだった。


東京の下町、築四十年・木造アパート『若草荘』の二階。


夜、帰還した二人は、畳の上で大量の金貨と書類を整理していた。


「ふはぁ〜! 今日もいっぱいお喋りしていっぱい売れたねぇ、容子!」


「ええ。王都での第一段階の流通網と素材回収ルートは、完璧に確立されたわ。ヴォルグから手に入れた古代の歯車で、アーラマンユの回路の解析も一歩前進したしね」


容子はノートパソコンの画面を閉じ、台所へ向かった。


「さあ、夕飯にするわよ。今夜は特製チキンソテーよ」


「やったぁぁぁ! 容子の手料理だぁぁぁ!」


宥子が万歳をして喜ぶ。


二つの世界を股にかけ、現代の科学と異世界の理を操る双子の少女。


彼女たちの楽しく、逞しく、そして圧倒的な次元超越ライフは、これからもどこまでも鮮やかに続いていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。