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空前絶後! 第十一回! 異世界ぐるりウルティモクイズ!  作者: 袴田八峰
第四BF:ワイズメンズタワー インスピレーションクイズ 賢者様できるかな?

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◆ペナ仕置き:ワイズメンズタワー◆


 縁というのは不思議なもので。


「うぃー。今帰ったよスミちゃん」


「お疲れノリちゃん」


「スミちゃんの面接、どうだった?」


「その場で採用決まったよ」


「おーやったじゃん! 今日はお寿司取ろっかお寿司」


「お夕飯作っちゃったしまた今度ね」


 なんと私双滝寿美子。

 帰国後自宅に戻らずに、ノリちゃん――白山紀子さんのマンションに転がり込んでしまいました。

 旅の間は殆どお互いに意識向いてなかったのにね。


 一緒のBFで落ちた縁と言うか。

 一緒のペナ仕置き受けた同朋と言うか。


 戦友って相手の人格性格と関係なく、ただ「命を預け合った」という事実で固く結ばれるって昔お爺様が言ってたけれど、 私は身を以てそれを知っちゃって。


 それで、帰りのエアバスなんかでぽろっと身の上話したところ。


『双滝さん、あなたは親の持ち物じゃないんだよ?

 そんな家、出ちゃえ出ちゃえ!』


 って煽っ…… 励ましてくれて。

 行く先の無かった私を受け入れてくれたんです。


 両親は今頃血眼になって私を探しているんでしょうけど。

 勝手に決めた婚約がご破算になって怒ってるんでしょうけど。

 私、もう決めましたから。

 あなたたちの檻から飛び出すって。

 自分の幸せの為に生きるって。


「あ、始まるねワイズメンズタワー」


「夕飯は見終わってからでいっか」


 ノリちゃんがお仕事を途中で切り上げてきたのは、このオンエアを見るため。

 人気者のノリちゃんは予約が埋まってて、本来この時間には戻ってこれないはずだったけど、そこはそれ。

 ノリちゃんの勝手さに振り回されたいお客さんだったらしくて、縛り上げた状態で「ほうちプレイ」?とやらをカマして来たのだとか。


 夜職の闇に触れるまじ。

 細かいところは聞いてないし、聞くつもりもない。


「うわー。キングたちがごそっと勝ち抜けたのはこういう絡繰りかぁ……」


「普通にどん引くわこれ」


 まあ、ノリちゃんっていう得難い友人で恩人と縁ができたから、私的にはヤツらに感謝かな?

 呪わないでおいてあげよう。


「さあ来るよ、あの時が」


「あの時ね」


 テレビの向こうではあの小憎たらしいクワさんがテカテカ笑顔で前口上を述べています。

 そう、ペナ仕置きの前口上です。



  *



『だから君たちには魔法の的になってもらう!』


『えー!?』


『むりむりむりむり』



  *



「なにがだからだよ」


「冷静に聞くと直前の歴史談義と関係ないよね?」



  *



『しかし君たちは運がいい! 伝説とまで呼ばれた四賢者様の攻撃を、直に体験できるんだから!』


『じゃあ代わってあげる』


『むりむりむりむり』



  *



 これが本当に無理でした。


 魔法防御力が最高峰のアクセサリを身に着けたから安全、とは説明されましたけど、私たちは大地に打ち付けられた丸太にぐるぐる巻きにされ、至近距離で属性魔法を浴びられたんです。

 もちろん直撃ではなくて、余波なんですけど。

 体感してる側からしてみれば余波なんて甘いものじゃ全然なくて。


「この時。せめてズボンに履き替えてたら」


「風…… 呪うわ。何度だって」



  *



『地球の兵器を参考にしてのぅ』


 いきなり新技のナパームにて火炙り!


『ひーーーん!』


『熱い熱い熱……くない? でも怖い怖い怖い!』


 そこにちゃぽん、と水を必要以上に湛えてマシュマロのように膨らんだ水賢者が参戦!


『では私が消しましょう』


『やってみい』


『ほう。基本謙虚なあなたがそのように自信をみなぎらせますか。受けて立ちましょう』


『受けないで―!』


『立たないでー!』


 水賢者がその火を放水魔法で消そうとするのだけど、なにせナパームなので消えなくて、却って高熱の水蒸気が私たちを責める始末。


『『けほっけほっけほっけほっ』』


『参りました』


『ふぉっふぉっふぉ。水では消せないのがミソなのじゃよ』


『はいはーい! ならばワシが消してみせるのじゃ!』


 元気にシュタッと手を挙げる土賢者。


『なにやら自信ありげじゃな?』


『儂とて地球のかがくほうそくとやらは一通り学んだからの? えーい窒息消火!』


 呼吸の出来ない私たちに対して今度は土賢者が砂掛けロリババアの如く砂礫の嵐をぶつけてきました。

 結果としてそれで確かに鎮火はされましたが、私たちは泥まみれ。


『ぺっぺっぺっ』


『やだもードロドロぉ』


 だけど私たちにとっての最悪はここからでした。

 真打、風の賢者。


『みんな大味な魔法じゃのう。どれ、儂の微細かつ繊細な魔法捌きでフィニッシュを決めるとするかの! 名付けて! 「そよ風の悪戯」じゃ!』


 で、そよ風は私たちのスカートを平等にめくり上げました。

 片やぴったりフィットのタイトスカートを、片やくるぶし上まであるロングスカートを、器用に捲り分けて。


『赤と白! それは情熱と清楚を意味する――』


『ちょわっ!』


『火が消せなかった鬱憤をここで晴らしましょう』


『儂がいつまでもやられっぱなしだと思うなよ? 当然対策は…… あぎゃあ? なんじゃこの儂の足首を掴む黒い腕は? これでは逃れられん!?』


『……呪うわ』


『カースメーカー、負の感情に開眼しおったか』


『おい火の! 火の! 助けておくれ? これではモロに土水合成魔法を…… 合成アーーーーーッ!?』


『にしし』



 【第四バトルフィールド:ワイズメンズタワー】

 【双滝寿美子、白山紀子――― 帰国】



  *



「よかったぁ。スカートの中まで放送されなくて」


「流石にウルティモスタッフもそのくらい配慮するって」


 ホント助かったよ。


 なんでって?

 情熱の色が私だったから。

 やっぱり清楚なナースさんのイメージは守りたいじゃない?








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