表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交際クラブの男 ~会員番号の3618~  山城誠四郎  作者: 山城誠四郎
第三章 理想の女性 シングルマザー 恵美編
16/42

第16話 清楚な元看護師が見せた、本当のホテルでの素顔

ドレスのファスナーを下ろすとき、恵美は、背中を少し丸めて預けてきた。

布が滑り落ちるたびに、白い肌が静かにあらわになる。

彼女の肢体は、本当に、なめらかで美しかった。

過不足のないラインが、柔らかなカーブを描いている。


「……あまり、じっと見ないでください」


恵美が、腕で胸元を隠すようにしながら、恥ずかしそうに言う。


「見ない方がいいですか」

「いえ……見てほしくないわけじゃないんですけど……恥ずかしいから」


その言い方が、かえって山城の胸を締めつけた。

下着越しに指先で触れると、恵美の身体が、びくりと小さく震える。

肩に落ちた黒髪が揺れ、伏せたまつげが影を落とした。


「……私」


彼女は、少し間を置いてから、囁くように続けた。


「濡れやすいから、恥ずかしいんです」

「……そうなんですか」

「でも、エッチ自体は……好きなんです」


言い終えると、耳まで赤くなり、視線をそらす。

そのあまりに正直な言葉に、山城は返事を失いかけた。


「……だったら、余計に大事にしないといけませんね」

「ふふ。優しいですね」


山城は、男として、できる限り優しく、丁寧に彼女に触れた。

焦るのではなく、彼女の呼吸の速さを確かめながら、すこしずつ距離を縮めていく。

ブラの留め具を外し、胸元が解放される。

手のひらで包むと、そのふくらみは大きすぎもせず、小さすぎもしない、ちょうど良い重みだった。

指を添えると、掌にすっぽりと収まり、その形のよさに思わず息を呑む。


 …… こんなに、整った …… 


視線を引きはがすことができない。

その胸は、今この瞬間の光景として、山城の目に焼きついていく。

指先で、胸の先端にそっと触れる。

恵美の身体が、かすかにのけぞった。


「ん……」


押し殺したような声が漏れ、彼女はただ首を振ることしかできない。

もう一度、場所と強さを変えて触れると、そのたびに反応が返ってくる。

感度の良さが、わかりやすいほどに伝わってきた。


「やだ……そんなに、じっと見ないで……」

「綺麗だから、見てしまいます」

「そういうの、反則です……」


恵美の美しい顔が、次第に乱れていく。

整っていた表情が、快楽にほぐされ、目元はうるみ、唇は息を探すように開く。

その変化が、山城の「男」を、さらに強く反応させた。

背中をなぞり、うなじに唇を落とし、再び胸元に戻る。

触れるたびに、彼女の呼吸が熱を帯びていくのが分かる。

やがて、山城が、そっと下へと手を滑らせると——

薄い布の向こう側は、彼女の言葉通り、喜びにあふれていた。

指先に伝わる湿り気が、そのまま恵美の昂ぶりを物語っている。


「そんな……すぐ、バレちゃいますね……」


恵美は、顔を枕に半分埋めながら、くぐもった声で呟く。


「嫌ですか」

「……嫌じゃないです」


その小さな声が、決定的な合図になった。


時間の感覚が、ゆっくりと溶けていく。

何度も確かめるようにキスを交わし、そのたびに彼女の腕が、少しずつ強く山城の背中にまわってくる。


「大丈夫?」

「……はい」

「痛くない?」

「うん……気持ちいいです」


その言葉に、山城は胸の奥から安堵を感じる。

若い頃のように、ただ自分の欲望をぶつけるのではなく、相手の表情や息づかいを確かめながら、ひとつひとつ段階を踏んで進んでいく。

恵美は、何度も小さく名前を呼んだ。

声にならない声で、指先でシーツをつかみ、波のように押し寄せる感覚に身を任せながら、それでもどこかで恥じらいを失わない。

その姿が、山城には、たまらなく愛おしかった。


全てが終わったあと。

静まり返った部屋の中で、まだ荒い息を整えながら、二人は並んで横になっていた。

恵美の肌は、うっすらと汗ばんで、額に髪が張り付いている。

それでも、どこか満ち足りた顔をしていた。


「……恥ずかしいくらい、敏感でしょ、私」


彼女が天井を見たまま、苦笑混じりに言う。


「そうですね」

「正直に言いますね」

「でも、その分、ちゃんと伝わってきましたから」


恵美は、横目で山城を見て、少し照れたように微笑む。


「山城さん、優しかったです」

「そう見えましたか」

「はい。なんか……ちゃんと、女として扱ってもらえた気がしました」


その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がじんと熱くなる。


 ……  こんな時間を過ごしたのは、いつ以来だろう  ……  


彼女の肢体も、その反応も、すべてが山城にとって、ほとんど理想そのものだった。

ただ欲を満たした、という感覚ではない。

五十八年生きてきて、ここまでときめいた夜が、他にあっただろうか——そう思ってしまうほどだった。

彼女の寝息が、だんだんと穏やかになっていく。

その横顔を見つめながら、山城は、静かに目を閉じた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ