第二十三話 二分の一
「それでは八セット目、カードを伏せて置いてください」
サイコパス野郎はカードを伏せた。俺はその時の表情をじっくりと舐め回すように観察する。興奮が隠しきれてないぜ?
「お前の負けだよサイコパス野郎!」
俺はファイブカードを叩きつける。
「本当にそうでしょうか?」
「ああ、開けてみろよ」
「わかりました、セットオープン」
サイコパス野郎の役は・・・スペードのロイヤルストレートフラッシュだ。これであともう一つ、相手の役を読めたら勝利だ。つまり・・・俺の勝利だ。
「素晴らしいですねぇ、ですが・・・まだ勝利を確信するには早いんじゃないですか?」
「お前の役は簡単に見破れる。潔く負けを認めるんだな」
「それは私の表情を見破ることによってでしょうつまり、無作為には弱い」
「お前まさか、手札を見ないつもりか!」
「ふっふっふ、二分の一の戦い、見せてもらいますよ」
こっちは命かかってんだぞクソ野郎め!
「それでは九セット目、カードを伏せて置いてください」
サイコパス野郎は手札を見ずにカードをセットした。
これで俺が表情や、言葉からカードを探ることは出来なくなってしまった。
「さあ、二分の一ですよ、どちらの運が高いか、勝負です」
「お前に負けるわけにはいかないんだよぉ!」
今の俺の持っている役はハートのロイヤルストレートフラッシュとスペードのストレートフラッシュ、そして、サイコパス野郎の持っている役はクラブのストレートフラッシュとクラブのロイヤルストレートフラッシュ。
サイコパス野郎がクラブのロイヤルストレートフラッシュを出していた場合、俺がハートのロイヤルストレートフラッシュを出せば勝ち。
逆にサイコパス野郎がクラブのストレートフラッシュを出していた場合、俺がスペードのストレートフラッシュを出せば勝ち。
俺は大きく息を吸って高らかに宣言した。
「俺も自分の役を見ずにカードをセットしてやるよ!」
「ふっふっふ、負けませんよぉ?」
「こっちこそな?」
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