第十五話 不安
「それではゲームを始めましょう」
「いいだろう、このふざけたゲームを終わらせてやる」
俺は自分のカードセットに目を通す。
4のファイブカード
スペードのロイヤルストレートフラッシュ
ハートのロイヤルストレートフラッシュ
ハートのロイヤルストレートフラッシュ
クラブのロイヤルストレートフラッシュ
スペードのストレートフラッシュ
ハートのストレートフラッシュ
ハートのストレートフラッシュ
ダイヤのストレートフラッシュ
3のフォーカード
この十セットが俺の手札だ。つまり相手の手札はそれ以外ってことだな。
ハートが多いってことは、相手よりも手札的にはいいってことだな。
ということは普通にやったら俺が勝つ。とはいえ、これは相手が用意したゲームだ。ギャンブル漬けの人生を送ってきた俺でも初めて見るタイプのゲームだから、どう出せば効率がいいのか、相手の思考を読めるのか、あまりわからない。
つまり、少しでもミスをすれば簡単にひっくり返ってしまう差ということだ。
気を引き締めろ俺、今まで幾度も勝ってきただろう?相手が提案したゲームですら、勝ってきただろう?相手は素人、そう考えるのはいささか早計に過ぎると思うが、ギャンブラーになる人は多くないし、その中でもカモはいくらだっている。骨のある、強いギャンブラー、もしくはそれに相当する頭の切れるやつだというほうが無理があるだろう。
俺なら勝てる、必ず。
「一セット目、カードを伏せて置いてください」
とりあえず、置きでいくか、始めのほうに勝負するのは避けたい。それで勝ったとしても、自分の行動が制限されちまうからな。ハートのストレートフラッシュを置き、相手の表情を確認する。ゲーム中の平常時の顔を確認して、強い役を出す時の、強ばった顔を見分ける。
準備は万端だ、俺が負けるはずがない、そう考えていても、俺の中に渦巻く不安は止まることがなかった・・・
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