第十四話 ギャンブラーのテクニック
「なあ、その前にちょっといいか?」
「なんで御座いますか?」
「いや、喉渇いたからさ、飲み物でもくれねーか?」
「かしこまりました。少々お待ち下さい」
お茶が運ばれてきた。喉が渇いていたのは本当だから、すぐに飲みたいとは思うが、サイコパス野郎のことだ、何か変なものが入っていないとも限らないから、先に確認しておく。
「何か変なもの入れてねぇよな?」
「もちろんですよ、じゃないとゲームを楽しめません」
「ならもう一つお茶を持ってこい」
「かしこまりました」
お茶を運んでくる。そのお茶に少し元からあったお茶を混ぜる。
「これを飲め」
後から運ばれてきたお茶を渡す。
「疑り深いですねぇ。大丈夫ですよ、ほら」
そう言ってサイコパス野郎はお茶を飲みきる。大丈夫そうだな。
俺もお茶を飲む。喉の渇きを満たすことが出来て満足だ。だが、もちろんそれだけではない。俺の本当の目的は次だ。
「ところでサイコパス野郎」
「白鷺です」
「お前、ファイブカードはどこに入れてるんだ?」
人は不意に話をされたら、その事について考えてしまう。だから、一瞬だけそのセットの方向に視線を向けてしまうのだ。
「なるほど、じゃあ四セット目はこれをもらうぜ」
サイコパス野郎の目線の先にあったセット、右から五番目のセットを取る。大当たり、ファイブカードだ。
「さすがギャンブラーですねぇ」
「お褒めに預かり光栄だよ」
「では私はこれをいただきます」
サイコパス野郎は左から二番目のセットを取った。それは3のフォーカードだった。運まで俺を味方してやがるぜ。
「五セット目、どうぞ」
「スペードのロイヤルストレートフラッシュはどこだ?」
「さすがに二回目はくらいませんよ」
ふむ、やるな。普通は無意識に目がいってしまうものなんだがしっかりと意識して俺の方を向いて目を離さなかった。まあ適当でいいか。右から二番目のセットを取る。ハートのストレートフラッシュだった。
向こうは左から三番目のセットを取った。あれは・・・ファイブカードだ。最後の最後にやられたな。だが、くよくよしていても仕方がない。俺は次どう立ち回ればいいのかを考えることに専念した。
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