終身刑
そうして、僕はドームから出入りを繰り返し、その度に彼女を殺した。
自分が理想とする殺し方を追求した。
ある時は、殴り殺し、そしてまたある時は、強姦しながら首を絞めて殺した。
僕は、自分の殺しへの執着が一種の芸術であるとさえ思えた。
予め考えていたあらかたの方法と、
次々に浮かんでくる独創的な手法で彼女を殺した後、
僕はこの真っ暗がりで満足して眠りについた。
周囲は漆黒であるから、僕は自分が目覚めたのか、
或いは眠ったままなのか判別し兼ねたが、こうしてまた思索の檻に閉じ込められていることを踏まえると、僕はどうやら目を覚ましたらしい。
僕は寝惚けた頭ながらに、あることに気が付いた。
この世界で僕にできることは、
外に出て退屈なまま内省を続けるか、
またこのドームに戻って来て彼女が死ぬのを観察するか、
或いは彼女をこのドームの中で殺すか、
という3つしかないことに。
どう考えても、僕には最後の選択肢が一番魅力的に思えた。
彼女の殺害を芸術の域にまで高めていけば、僕の情操はより豊かになる。
————ちっぽけな思索を巡回しているよりかは、
遥かに「善い」ことだろう?
僕はドームから出ようと、重い腰を上げた。
ドームから出た直後に異変を感じた。白い光が僕を刺すのだ。
メタファーではなく、現実だ。
全身を火傷したような、肌の爛れた感じが僕を襲う。
いけない、これはいけない。
僕は半身だけを白い世界に晒したところで、堪らずドームの中へ転がり込んだ。
————熱い!
その場でのたうち回った。
あんまり激しく動くので、僕は角張った表面に四肢を打ちつけてしまって、
それが余計に僕の傷を刺激して、僕は悶絶するのだった。
————僕は白の世界から追放されてしまったのか。
痛さで失われて行く意識の中で、僕はそんなことを考えた。
やはり、漆黒の世界で僕は目覚めた。
肌の痛みは引いている。
安堵する気持ちの一方で、僕は落ち込んでもいた。
どうやら、この世界で僕に許されたことはたった一つしか無いようだ。
この永遠の漆黒で、独りで内省的になるしか無いのだ。
僕は身体的にも精神的にも閉じ込められてしまったことに、深い絶望を味わった。
好き放題働いた主人公が懲罰を食らう場面、
いよいよ物語も佳境です。




