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私というもの

A・パスティエルより緊急入電

ストーリー補正が完了しました

主人公の設定を追加しました

双子の設定を追加しました

世界の設定を追加しました

紫色の光を放つ魔法陣はゲートだったようだ。


「私」は真っ暗な世界を落下し続けていた。

いや、正確には私の隣を飛ぶ妖精エトランドルによって導かれている形なので、落下と言うより横向きに落ちているような感覚だった。

この感覚は、異世界への召還時に強引に消された「記憶」に残っているようだった。

もしくは、私に魔力を与えた魔王の物かもしれない。


私の記憶が始まったのは3日前

異世界に召喚されて、目の前の王様に言われたのが「魔王ダルナーを倒してこい」という、「勇者として召喚された者たち」に課せられた命令だった。


そう、勇者「たち」に…


私の他に同時に召喚されたのが3名、王の間にて同じ命令を受けていた。

やがて、勇者に付き従うと立候補してきた冒険者たちの中から旅を共にする仲間を選ぶ事になったが、私が旅の仲間を選ぶのは何故か一番最後だった。魔王攻略の適正とかを見られていたのだろう…。


残っていた仲間たち3人は、そろって一癖も二癖もある者だった。

だが、いい仲間だった。


記憶がないためか、まずこの世界を知りたいと思っていた私は、特に急ぐことなく彼らと語らいながら旅の準備を整えていた。仲間となった彼らとも打ち解け、彼らは様々なことを教えてくれた。時に遠い世界の話も聞き、いつか彼らの故郷に寄ることを私は約束していた。


そう、『約束していた』のだ


異世界に召喚されて3日目

首都を出発した直後にパーティーは運搬用の魔道馬車ごとあの2人によって文字通り潰され、

仲間たちとの約束は『永遠に叶わない物』にされてしまった。


あの2人は私を知っていたのだろうか?


異世界に来てから時折脳内に見知らぬ風景が浮かぶ事がある。

その度にその風景の記憶を必死にどるものの、結局私がいったい何者なのか、この「異世界」に来る前に何をしていたのかは、全くわからないままであった。


そんな私の今の名は「ゼス」

魔王から雷の力を受け取った「雷魔法を使う勇魔ユマ

新しい目的は、私を助けてくれているこの小さな妖精の友人を救うことと、異世界に住む人々の世界を破壊して回っている、凶暴な勇魔「ラズ」と「フィー」の凶行を止めること。


何万人もいる人間の街を一気に吹き飛ばすほどの相手を押さえる方法は今のところわからない

しかもあの2人は、自分に宿った「雷の魔王ダルナー」の力を狙っている…。


負けるわけにはいかない。

記憶がなくても、何が善悪かはわかる。

それはきっと私の記憶が…


「もう少しで到着します」


横で先導していたエトランドルが私に言う

少しずつ速度が遅くなるのを感じ始めると同時に、前方の闇の中から出口と思われる紫色の輪が近づいてきた。ゲートの上には、読めない文字が3つ並んでいた。エトランドルの言っていた「ゲート333」なのだろうと推測できる。


「うわっ」


減速しつつ紫色の輪を通過すると、突然周囲がまぶしい光に包まれた。

次の瞬間、魔方陣の書かれた地面が足下に出現し、移動速度の感覚もゼロになる。

「到着しました。『異世界ゲート333』です」

エトランドルが地面に着地しながら言った。

「異世界ゲート?」

「ええ、ここを拠点にして他の異世界に移動することが出来ます」

周りを見渡すと、空のあちこちに浮いている球体に近い不思議な構造の建物の間を、多数の妖精が飛び回っているのが見えた。

世界の中心部と思われる場所にはより大きな球体の建物があり、この「世界」はその建物を中心にして空中に構成されているようだった。実際、大きめの建造物は全てこの構造物に空中回廊で繋がっており、さらに細かい球体建造物がその間を一定のルートで飛び回っていた。

私がいるのはその浮遊構造物のひとつ、乳白色の巨大な縦長の円柱の上にある魔方陣の書かれた場所だ。

同じような構造物が中央の建物を中心に空中に同じ高さで並んでいる。

異世界に向かうためのプラットフォームのような物だろう。


周囲は果ての見えない藍色の空に包まれ、足下には鏡面のように静かな海が遙か彼方まで広がっている。

色の異なる月が3つほど、大気層の作る霞の向こう側でこちらを見下ろしていた。


「『ディナルス』へようこそお越しいただきました。雷の勇魔『ゼス』様」


幻想的な風景に見入っていた私に、初めて聞く声が語りかけてきた。

声の方向を見ると、エトランドルと同じ大きさでありながら6枚の優雅な羽を持つ妖精がいた。

その左右には2人の妖精が彼女を守るように飛んでいる。

地位の高い妖精だというのがわかった。


「ご安心ください。ここはあの二人でも到達できない安全な『異世界』です」



追加入電

世界の終わりを追加しました

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