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第4話 その4

窓から差し込む光、その逆光で黒く染まった怪鳥が、明子に向けて腕のミサイルを一発放つ。


しかしそれと同時に、

明子の背後に伸びていた影から、彼は現れた。


「田場ァッ!」


明子を追い抜いた騎士の怪物は盾に備え付けられた口で、ミサイルを噛み砕き、

その爆発を受け止める。


『ッ……ぅ、邪魔なんだよほんとにさァ!』


2発目


突出した腕のミサイルの噴射口に火が灯る。


「後ろに逃げろ、明子ッ!」


進はそう告げて走り出す。

後ろにではなく、怪物に向かって。


『へ?』


回避行動ですらないその行動に困惑し、思考を停止した怪鳥はミサイルをそのまま発射させる。


しかし、そのときにはすでに……


「お前もくらえッ!」


突撃してくる騎士の盾は怪鳥へ押し付けられ、発射地点のほぼゼロ距離に迫っていた。


ミサイルは盾に激突するやいなや、容赦なく起爆し、

凄まじい爆発を引き起こす。


進はその衝撃を全て自身の体と盾に溜め込んだ先ほどの爆発で受けきることで、後方の明子を守り、


怪鳥は自身が引き起こしたその凄まじい衝撃に耐えられず、吹き飛ばされる。


『ゔぁぁ!?熱い、燃えて……な、何なんだよ!?』

『ボクはァッ!?』


怪鳥は爆炎で焼け焦げた翼を、何とか必死に広げて体勢を整える。


『ただ、ボクを、ボクをわかってくれる人にッ!』


4地点


ここから遠く離れた場所に設置された砲台からの同時爆撃。


「……!」


それに気がついた進は自身を狙うそのミサイルが、明子に、そしてこの建物に当たってはならないと盾を床に全力で叩きつけ、

その衝撃を吸収させ、それを彼が盾を踏んだ瞬間に放出することで、

自身の跳躍にさらに推力を加算する。

その結果、重い鎧を身に纏うはずの進はなんと、20m近い跳躍を見せた。


怪鳥は自身より上空へ跳んだ彼に呆気にとられ、ただ見上げる中、

感情など持ち合わせないミサイル達は、容赦なく、常識ではありえない起動を描いていたる方向からほぼ同時に襲いかかってくる。


……進に空中でなせることは無い。


「……進!」


屋上に立つ明子は叫ぶが、何十……いや、百にも届くだろうその爆発に声はかき消される。


凄まじい黒煙が起こり、

それを突き破って、彼は……進は落ちていく。


「あっ……あぁ!?」


絶望の表情で明子がそれを見上げる中、


『はっ……はは!』


怪鳥は歓喜の笑いをこぼし、落下していく進を見上げる。


『ははっ、ははは………は?』


その緑の目が……彼と合う。

銀のバイザーによって隠された、野獣のその荒々しい目と!


「盾よ吠えろッ!」


進の言葉に明子は床に放置されているはずの盾が、そこにないことに気がつく。


「俺に翼を、牙を、たてがみをッ!」


その盾は彼の背に。

百にもいたる爆発、その衝撃を、半分にも至らないであろうが盾は吸収していた。


それを放出し、彼はそれを身に纏う。


熱を、衝撃を、背に受けまるで矢のように怪鳥へと射出される彼は、

まるで隕石が赤い空気を纏うように赤く光る。


『うっ……うわぁぁッ!?』


その光景を、まるで自身に巨大な獅子が迫るように錯覚した怪鳥は、

彼の蹴りをその腹に受ける。


『あっ……あぁ、ボクは!ボクを……誰か、誰か受け止めてくれよぉッ!?』


口から言葉が溢れると同時に、怪鳥は地面へ叩きつけられ、

衝撃でミサイルは誘爆する。



その凄まじい爆煙が晴れると、そこには一人、

ただの青年が、クレーターで気を失っているのだった。




お読みくださり、誠にありがとうございました。

大変励みとなりますので、

ぜひ、感想やアドバイス、高評価などよろしくお願いいたします。

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