↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/41

第4話 その1

「ハアァッ!」


俺は怪鳥目掛けて盾を振り下ろす。

受け止めたミサイルの衝撃が解放され、大きなクレーターを開けるほど威力を叩き込むが、


『ハハハハ!』


その衝撃波に乗って、怪鳥は空に飛び上がる。


『じゃ、邪魔者なんて……消えちまえよッ!』


怪鳥の胸のアーマーが開き、ぎっしりと詰め込まれたミサイル達が俺に降り注ぐ。


「ッ……!」


雨のように降り注ぐミサイルを盾で受け止めるが、さすがにこの量では盾では受け止めきれない。

騎士の姿をしているだけあって、全身を包んでいる装甲がその攻撃を多少防いでくれる……が、衝撃が内側に伝わり、体内にダメージが蓄積していく。


『し、しつこいなぁッ!』


ミサイルの雨を受けきった俺に舌打ちし、

怪鳥は肩の大型ミサイルの1つを発射する。


「ッ!」


俺は咄嗟にミサイルに盾を投げつけた。


爆発したミサイルは小型のものとは比べものにならない爆発を引き起こし、

吹き出した爆煙が公園を満たす。


『………お?』


俺はその煙に乗じ、公園から逃げ出し付近のビル街の路地裏に逃げ込み、身を隠す。

不意をつかなければ勝てないと感じたからだ。


『ば、爆撃で吹き飛んだ……?』


犬並みに優れた聴力は、100m以上離れた場所にいる田場の声をはっきりと聞き取れた。

うまくごまかせたか……?


そう思った、矢先だった。


『………いやぁ?』


ねったりとした声が聞こえ、次の瞬間


「!」


俺がいる細い路地裏に、数発の小型ミサイルが振ってきた。


ビルを掠ることなく、正確に俺をめがけたそのミサイルに、俺はその場をまた逃げ出す。


「やっべぇ、あんだけ格好つけて啖呵切ったのに勝てる気がしねぇぞ」


爆風で転がされた俺は、ついそんな言葉を口にする。


(やはり、アシストをしましょうか?)


そんな俺の頭の中に、花江さんの声が響く。

渡された彼女の羽根の効果だ、身につけているだけで通信機の代わりになるらしい。


「いや、大丈夫……それより明子が怪我をしているといけないから」


(了解しました)


俺は振ってくるミサイルの衝撃を盾で吸収し、

その吸収した衝撃を地面に解放。

爆発音に紛れながら、

その衝撃で跳ね上がった盾を足場にしてビルの屋上によじ登る。


『か、隠れてもむ…ムダだぞッ!』


屋上に登り、こっそりと田場を見ると……目が合った。


正確に位置を把握されている。


「ッ!」


飛んできた大型ミサイルを盾で空に打ち上げ、その衝撃で起爆したことで噴き出てきた黒煙に紛れて、別のビルの屋上に飛び移り、室外機の裏に身を隠す。


『か、かくれんぼ……w』

『お、お前に勝ち目なんてな…ないぞッ!』


その言葉を聞き、やはり真正面から戦うべきかと、俺は室外機の裏から顔を出し、相手を覗くと


「……居ない?」


田場が姿を消していた。


「!」


呆気にとられる俺のもとにまた、ミサイルが振ってくる。


「そこか!」


距離を取られるのはまずい、

ミサイルが尾を引いた煙から、発射位置を見極めて俺はそこへ、

ビルからビルへと飛び移って向かう。


しかし


「ッ!?」


その背中をミサイルが撃ち抜いた。


「もう背後に……!?」


俺はそちらに振り返ろうとした……が、


それとほぼ同時に目の前からミサイルが飛び出してきた。


「くっそ……」


2方向からのほぼ同時の攻撃?


わけがわからなくなった俺は、とりあえず今は最初の目的地を目指すべきと決め、

ミサイルの中を盾を構えながら突っ切って、ビルから発射地点へ飛び降りた。


「……ぁ?」


爆煙を突き抜けて、盾を振り押した。

そこにあったのは盾がめり込み、ひしゃげた金属の塊。

どことなくあの怪鳥の胸アーマーに似ている……背中のアーマーか?

それを真っ二つに割ったような物体。

胸アーマーにミサイルがぎっしり詰め込まれてたことを考えると、これにもミサイルが撃てるのは不思議ではないかもしれない。


「……三手に分かれてたってことか?」


『フフッ……は、ハハッ!そ、その通り』


ひしゃげた金属から田場の声が聞こえてくる。


『そ、そのら、ランチャーの役割はよ、陽動!』

『ボクがか、隠れる時間を稼ぐためのじ…時間、そう時間!時間稼ぎさ!』

『も、もう…お、お前に……ボクは捕らえられないッ!』


まずい

反射的にそう思った。


「……それだと俺の位置もわかんねぇんじゃねぇの?」


発射地点から、相手の位置を見つけ出せなくなったことに気がついた俺は、少しでも相手の位置のヒントを聞き出そうとそう問うが、


『だ、大丈夫……探(・)知(・)できてるさ!』


探知


俺はその言葉を聞いて、相手の能力を確信する。


おそらく……【レーダー】


何処に隠れようと、相手には俺の位置は見えてるも同然。

ミサイルは俺の位置を正確に狙い、放たれる。

下手したら肩の砲台から放つ弾も正確に俺を狙ってくるかもしれない。


「どうやったら勝てる……いや、それ以前にどうやったら相手の位置を特定できるんだ?」


俺は相手の行動パターンを思い返す。


攻撃方法は単調なミサイルの攻撃オンリー、

バカの一つ覚えみたいに同じ攻撃を繰り返している。

いや、そう思わせてからの隠し玉、なんてのもあるかもしれない。

まぁ、今はその隠し玉を出させることすらできてないこと思うと考えるだけ無駄か。


倒壊したビルも厄介といえば厄介だが、よほどの量が崩れてこない限り、今の俺の頑丈さなら平気だろう。


しかし、落ち着いて周囲を見るとすごい被害だ。

ここが廃ビル街で本当に良かった。


……そういえば、ミサイルの雨が降り注ぐたび、数秒何もしてこない間がある。

やはり、リロードとか必要なんだろうか?


大型ミサイルをあまり撃ってこないのは

こっちはリロードができないから……?


別動をしているだろう背面アーマー、

こいつのせいで発射地点から相手の位置を見つけられない。

本体を確実に探す方法を考えないと……


どうすればいい?

どうすれば相手の位置を見つけだせる?

何か方法は無いのか?

何か、

何か……!


降り注ぐミサイルの雨の中を駆けながら、

俺は必死に考える。


相手の言動を思い出せ、

これまでにあったことを全部、

何か、何か弱点はないか?

何か逆転の一手を


「………ぁ」


1つ。


今、一瞬、1つだけ案が浮かんだ。


しかし、俺はそれは論外の案だと、すぐに思考から消す。


その一瞬はこの状況ではあまりに致命的で。


「ぐあぁッ!?」


降り注いたミサイルに反応が遅れた俺は、十数もの爆発をもろに身体に受ける。


やば……い、


その衝撃で脳が揺れる。

四肢が軋む。


アーマーが歪み、

盾が地面に大きな音を立てて落ち、


俺は……膝から崩れ落ちるのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。