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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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第74話



 馬車旅に戻ってきた。ミーティちゃんが御者台に座りつつ、アルトとペンペンの二人は馬車にいる。


「……『制限解除コード_v1.0』、かぉ?」

「おう。運営からメールが来てたんだよ。昨日の日付で」

「あ、それ私んとこにもさっき来てたっす。早速入れてみるっすか!」

「どれどれ……あ、ウチにも来てるぉね。クリップボードにメモしてきたぉ」


 制限解除、というからにはできることが減るというわけではないだろう。



「待つぉペンペン氏。いきなりいれるのは止めた方がいいんじゃないかぉ? せめて馬車移動が終わってホーム帰ってからでも」

「え、もう入力したっすよ。どうせ使うなら早い方がいいっす! お、これがコードっすか。使用っと」


 ペンペンの手に黒いカードが現れ、そしてそれを早速使った。

 判断が早ぁい!! 『2人目』の時も俺らに先駆けてやってたもんな。


「うわっ」

「ど、どうしたぉペンペン氏?」

「なにがあった!?」

「……入れてみればいいっすよ!」


 教えてくれよとは思ったが、まぁわるい事にはなってなさそうだ。入れてみよう。

 と、メニューを操作してコード入力画面からサクッと入力してカードを手に入れた。スライムボディの触手に、黒いカードが刺さっている。


「……くっ! 取っておきたい気がしなくもない!」

「ボクは使うぉ! これでエロい制限が取っ払われるかもしれんし!」


 そう言ってアルトが使う。


「ぐぬぬ、お、俺も使うぞっ!」


 俺もカードを選択して使用を選択。ふわっとカードが消えて、そして。……特に何も変わっていないように思える。

 んん? 一体何か変わったのか?


「ほぉ……ほぉ! そっちかぉ!」

「ペンペン、アルト。俺は特に変わった感じはないんだが……?」

「フッ、気付かなかったかぉ?……コンフィグだぉ!」

「私とアルト氏はあらかじめ予測してコンフィグウィンドウを開いていたから直ぐに気付いたという寸法っすね」

「ま、まさかそこに……倫理コード解除の項目でも追加されたのか!?」


 コンフィグを開く。そこには今までなかった項目が追加されていた。

 『時間加速』

 ……そっちかぁー!!


「あれ。でも今までも時空間は歪んでたよね?」

「つまりアレを自分で好きに設定できるって事だぉ」

「やべぇっすよこれ。現実速度0.1まで設定できるっぽいっす」

「……つまり?」

「こっちで10日過ごしてもリアルで1日っす!」

「と、とんでもねぇな!?」


 違法倍率の加速にも程がある。

 そんな速度で加速したら、あっというまに廃人まったなしになるところだが――


「まぁ制限解除といっても全力じゃないぉね。ニカちゃんの時、ゲーム半年がリアル1日だったから」

「そういやアルトはそうだった。100日超えるじゃん……だからv1.0なのかな?」

「とはいえ、そこまでじゃなくてもこの設定の最高倍率だと、約2時間半で大体1日になるぉ!」


 2時間半が1日。ということは……


「おいおい、毎日仕事上がりに3日分くらい遊べるじゃねぇか……!?」

「リアルの睡眠時間を確保しないと体がもたないとしても、仕事してから2日こっちでのんびり、とかできるぉね……」

「もう仕事終わったら即VRでゲームのホームに帰宅、って生活になりそうだな……っていうかする」


 もう現実がクソ、といっていい生活になりそうだ。

 ……いやまぁ、倫理コードとかあるけどさ! このゲーム。とりあえず最大、現実速度0.1にしておこう。


「私もそれになりそうっすねー。……ホーム滅茶苦茶充実させるっす!」

「俺もー」

「ボクも早くホーム取得したいぉ……!! あとSP依頼3つくらいだぉ! ペンペン、アニメキャラのタペストリーとか作れるかぉ!?」


 そういや、クラフトだとタペストリーが作れるんだよな。ならその柄をアニメキャラにしたら、ホームがオタ部屋に大変身する……!?


「絵は苦手っすねぇ……絵師のプレイヤーを見つけるしかないっすよ」

「NPCじゃだめなのか?」

「NPCは私らの世界の絵を見れないっすからね」


 それもそうか。この世界の絵師に描いてもらうとしたら、せいぜい裸婦画を飾るくらいしかできないわけだ。


「……フッ、だがボクを見るぉ!」

「アルト、お前絵が描ける人間だったのか?」

「おお、アルト氏は絵師だったんすか!?」

「いや、ボクを見るぉ。ボクを描かせればいいんだぉ!」


 ハッ、そういえばこいつの外見は……!


「そうか、お前の姿は」

「そう。ボクの姿はまさにあのキャラだぉ!! つまりボクをかけばFA!」

「部屋に自分の絵を飾りまくるとかとんでもないナルシストみあるっすね」

「肖像画かぁ、その発想はなかった」


 まぁ自分のキャラを飾るのはアリといえばアリだ。


「だが、絵柄はどうなる? SD絵とかNPCの連中に書けるとは思えないぞ」

「……!! た、たしかに!?」

「あー、じゃあやっぱり絵師のプレイヤーに頼まないといけないっすね」


 そうなるかぁ。

 今向かってる新しい町にプレイヤーが居て、さらに絵師だったらいいな。


「精霊様ー。モンスター出たよー」

「おっと、話に夢中でマップ見てなかったわ」

「ぉー、やっちまうぉー」

「お肉取れる奴なら晩御飯にしてもいいっすね!」

「取れなくてもミーティちゃんのゴハンだな」


 そして特に何事もなく無事に馬車の野営所に到着した。

 ……んじゃ、ホーム展開して一旦帰ろうかね!






 ……倫理コード解除じゃなかったかぁ。ちぇ。


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― 新着の感想 ―
倫理解除のコード知ってる! Nocturneって言うんだよね♡
訳注がこうやって人生踏み外すのな……もう終わったな……
同一世界の者が二人並んで居て片方の時間の流れが違ったら現実が変なことにならないか?クエストで片方が別空間に飛ばされてるなら分かるけども。
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