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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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るすばん


「精霊様がトリア達を置いて依頼に行ってしまった」

「2人目のギルドランク上げて私達に追いつかせるためよね、仕方ないわよ」

「むぅ」


 分かってはいる。分かってはいるが、精霊様に置いて行かれていじけるトリア。


「精霊様からはペンペン様を手伝うよう言われている」

「たわーでぃふぇんす、というのをやるのかしら?」

「それはみんないる時で改めて、のはず。少なくともニカは戦力になりそうだし。ミーティもそこそこ使えるはず」


 ニカは鍛えた筋力で物理攻撃戦力としてカウントできるし、ミーティも分裂が使えるので、囮とかによさそうだ。

 初代牛くんの残骸肉で作ったギュードンは美味しかったけど。

 ……失敗したらまた食べられるのだろうか?



「……牛って、いくらくらいするの?」

「高いわよ? といっても、今の私達の稼ぎなら1日で1頭買えるくらいかしら」

「そうなんだ。昔住んでた村でも見たことなかったから知らない」

「牛や馬はテイマーではない人間が管理できる家畜として需要が高いのよね」


 テイマーのいるような世界だが、そうでない人間でも使役できる便利な動物。それが牛や馬なのだ。テイマー技能があればさらに従順になるので大量に飼うのに尚良い。

 だが当然財産であり、値段も高い。金貨数枚はする。


「ペンペン様はどうやって入手したんだろう?」

「例の商人の伝手じゃない? 元々牧場をやるって話してたし、用意してもらってたんじゃないかしら……欲しいの? 牛」

「……美味しかったから」

「まぁ美味しかったけれど。私達の稼ぎは精霊様のモノだから勝手に使ってはいけないわよ?」

「分かってる。トリアは我慢できる女。でも精霊様に美味しいものを捧げたい。いちばん喜ばれる」

「そうね。精霊様は美味しいものを食べるのが好きだものね」


 というわけで、改めて精霊様に仰せつかったペンペン牧場の手伝いだ。

 先日は化石を掘った。

 今日は周辺を見回ってモンスター狩りだ。オークの小隊を見つけたので、屠っておく。ギルドの依頼で良く狩ったので勝手は分かっている。


 アルトはその巨大な銃でオークの頭を打ち抜き、トリアは頭を蹴り飛ばした。

 返り血がつかないようにうまい事後ろ倒しにするのにもコツがある。もう慣れたものだ。

 小隊は一瞬で殲滅された。


「オークも美味しいやつ」

「お土産にいいわね。ペンペン様に料理してもらって、精霊様に捧げましょう」

「うん! 精霊様に喜んでもらえるといいな」

「おこぼれに(あずか)れるといいわね」

「それは精霊様の御心次第」


 一応、トリアの身体を使って食べてもらえれば味わえるので、それを希望したいところである。

 当然トリアからお願いするなんてはしたないことはできないが。

 ……無意識的にたまにしているかもしれないが。



「そういえば思ったのだけれど」

「ん、何?」

「昨日、化石を掘りあてたわよね? あれ、商人が言っていた『この土地に埋まっているモノ』とは違う気がするのよ。いえ、多分別のモノよ」

「……どうして?」


 はて、と首をかしげるトリア。しかしアルトには確信があるようで。


「だって、私の精霊様が壊した岩盤があったじゃない?」

「……つまり?」

「人間が埋めたのなら、岩盤の上にあると思うのよ」

「? どうして?」

「わざわざ埋めた物の上に岩盤を置いて、さらに埋めた、ということになるわ」

「そうなんじゃないの? 違うの?」

「……違わないかも?」


 アルトは急に弱気になった。


「そうね。埋めた上に岩盤を置いて封印していた……と、考えることもできるわね」

「封印……!」

「あるいは、岩盤よりさらに下にすっごいお宝があるかを何らかのスキルで把握していたか」

「あれ? でも、そう考えると……うん。あの骨は封印される代物や、すっごいお宝には見えない」


 学術的な価値があったとしても、トリアには関係ないし、アルトもあまり興味がない話だ。骨なんてそこらの生き物の中に入っているのだから。


「ええ。お宝が骨っていうのは……少し違う気がしないかしら?」

「お宝……骨がお宝、は、たしかにピンと来ない。封印するようなものにも見えない」

「ペンペン様は少し喜んでいたけど、確かにただの骨だものね」


 一応、変質していてゴーレムにすることができるらしいが、そのくらいだ。貴重な品ではあるかもしれないが。


「骨が欲しいなら墓場にでもいって拾ってくればいいわけだし」

「トリア? さすがに人骨は精霊様達も喜ばないわよ?……逆にそういう困るものを封印していた可能性は大いにあるけれど」

「……魔王とか埋まってたり?」

「うーん。分からないわ。……そうだ! あの岩盤。私が壊した岩盤になにか記録が書かれていたりしないかしら? 人がわざと置いたものなら、何か書いてあったかも。『この先掘るべからず』みたいな文が掘ってあったり」

「それはありうる。岩盤、どこにやったっけ?」


 確か……アルトの銃で粉々に破壊した後、他の土砂と同じようにインベントリにポイして、ミーティが片付けて……


「……真実は胃袋の中ね」

「むむむ。こうなったらもっと掘りまくることを提案するしかない。手あたり次第掘り返す」

「あんまり掘りすぎると牧場が穴だらけになるから、ペンペン様としっかり相談しないといけないわね」


 戻ったらペンペンと話をしよう、と、トリア達は決めた。



 そしてその話を聞いたペンペンが商人に「骨が出てきたんっすけど、これっすか? それとも他に何かあるっすかね? だとしたら次はどこ掘ればいいと思うっすか?」と聞きに行く事態になり商人がまた肝を冷やしたらしいが……


 まぁトリア達は商人の内臓に気を使ってやる必要はないので。そこは関係ない話。




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