第62話
1日掘削を行ったのでまた別の事をしようと思っている。
というわけで同僚と共に冒険者ギルドへやってきた。あえての2人目同士、ニカちゃんとミーティちゃんで。
「なんやかんや、SPを稼ぎたいぉー」
「今のとこレベル上げしか方法がないよな?」
「あとは2人目のSPを1人目に集めるか……だけども、ここで一つ思いついたんだぉ。SPを増やす方法、になる可能性がある手順を」
「なん、だと?」
それはちょっとどころではなく気になる。教えて教えて。
「まず、条件としては2人目解放済みであることだぉ。シナリオをクリアして、1人目と合流して、1人目にSPを渡すぉ」
「ふむふむ?」
「そして2人目をロストさせて再度2人目を作成する、だぉ。あとは目標のSPになるまでループ」
「……アルト、そりゃ流石にちょっとアレだぞ。人の心とか無い系だぞ?」
「当然だぉ。ボクはニカちゃんをロストさせるつもりはないぉ? ただ、仕組み的にそういう事が可能だって話だぉ」
まぁ確かに。理論上は可能だな。
こんなに可愛い2人目たちをロストさせられるかっていうのを除けばだが。
「あと、2人目ロストした後さらに2人目を選択できるかも分からないぉ。2人目のデスぺナも不明だし、試す気はさらさらねぇから誰かWikiに書いてくれるのを待つぉ」
「タクロウ氏が最有力候補だよなそれ」
「なんやかんやだぉね。御愁傷様過ぎるぉー」
この前Wiki情報見た時、墓守になってたもんなぁ。
「依頼とかでSP稼げたりしないんかぉねー?」
「ハハハ、そんな俺達に都合のいい依頼なんて」
「ありますよ? 報酬がえすぴーの依頼」
なん……だと?
受付嬢のエルフさんが口をはさんできた。
「あるんだ、SPが報酬の依頼」
「まぁゲームだしそういう事もあるのかぉ……どんな依頼だぉ?」
「こちらとかですね」
ほほぅ。娘の病気治療薬の納品かぁ。
……あれ? もしかしてこれ、中級魔法薬の出番なのかも!?
かかとをツルツルにするお薬の出番が……ねぇかな!? ねぇな……
「多分これは上級魔法薬作れないと失敗する依頼だな」
「『とか』ってことは他にもあるのかぉ?」
「いくつかありますが、ご覧になられますか?」
「勿論だぉ!」
「できそうなやつを探して受ける、それが冒険者ギルドの依頼だろ」
というわけで少ない依頼を見てみると、俺達にできるかもしれないこんな依頼があった。
『穢れた土地の浄化 報酬:10SP』
『緊急。井戸の毒の完全除去 報酬:3SP』
穢れた土地……というのがどういうものかは分からないのだが、『穢れ』ならニカちゃんが対応できる。違うものだったらできるか分からないけど。
井戸の毒は1レベル分のSPだが、ミーティちゃんなら毒吸収で簡単に除去できるのは間違いない。むしろ簡単な依頼で3SP手に入ると言っていい。
「……おぉ……! ついにSPがレベルアップ以外でも入手可能に……!」
「まじかぁ。ねぇ受付嬢さん、これ前からあった?」
「……いえ、なんというか、その、最近いつの間にか依頼に紛れていた依頼書でして。ですが形式もしっかりしていて、報酬も『在る』ので問題が何もないのです」
つまり、メタ的に言えば2人目をクリアしたことで新たに追加されるようになった依頼ということだろう。
ってかSPが『在る』ってどういう形式なんだろう。報酬のSPってなんか見える物体なの?
「うーん、この穢れた土地ってのは実際に見てみないと分からんぉね。もしかしたらなんとかできるかもだけど……」
「この依頼は失敗時のペナルティもないので、一旦受けてみるというのもアリですね」
「そうかぉ? じゃあちょっとやってみるかぉ。最悪状況を報告だぉね」
「かしこまりました。では仮受理としておくので、成功失敗に関わらず報告お願いしますね」
クリアしたらちゃんと依頼受けてたことにして達成らしい。
「ところでこっちの依頼、緊急って書いてあるけど期限はいつまでですか?」
「え、さぁ?」
「……期限はないってこと? 緊急なのに?」
「……ええと、手続き上は問題ないですし、有効依頼期間もなくて……報酬は預かっているので問題ありませんが、急いでみてください」
なんかフワッとしてるなぁ。
あ、でもゲームでは緊急依頼とかいいつつプレイヤーが受けなければ永遠に緊急のままになっている、なんてことも良くある話だった。
依頼を無視して宿屋で何泊もしてから受けて向かっても、丁度女の子がピンチなシーンにたまたますぎる遭遇をして急ぎと言いつつのんびり依頼を片付ける。そんな感じ。
魔王ほったらかして宿屋に1000泊しても侵攻状況が一切動かない、みたいな感じ。
「じゃあとりあえずこの井戸の毒のお掃除を受けます」
「ボクは穢れた土地の様子見いってくるぉー」
一応二手に分かれて依頼を片付けることにした。
こっちが先に終わったらそっちに乱入するからな!




