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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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第47話



 地上側、1~3階は、普通に階段がついていた。2階のフロアを突っ切らずとも3階に行ける作りだ。どうやら地下だけが一本道構造のようだ。

 上の方は健全な研究、地下は違法で危険。そんな感じだったりするんだろうか。……と思いつつ調べたところ、どうやら上の階は居住区になっているようだ。


 覗いたら私室っぽいところだったので、いくつか私物のお菓子などをつまみ食いしておいた。

 ネズミに盗られたと思ってくれ。もぐもぐ。はぁー、生き返るわー。このクッキーは味わうようにじっくり消化しよう。


『……これ、妙な味』

『甘いっていうんだぞミーティ。イヤか?』

『甘い。すき』


 ミーティちゃんの反応も増えてきた。やっぱり美味しい物たべさせてあげたいよね。……アネットちゃんにもいくつかお土産に持って行ってあげよう。

 地上階についてはお菓子や食料以外にあまり収獲はなかった。


 というか同僚も言ってたけど、光輪(ハイロゥ)になっていても味覚は共有されてるみたいだな。スライムの味覚っていうのもアレだけど。


『よし、一旦アネットちゃんのとこに戻るか。オートモードでいけるかなー?』

『まかせて』


 お、やる気だなミーティちゃん!……それじゃ俺は光輪(ハイロゥ)になって……Goー!

 おぉ、視点が微妙に壁にめり込むぅ。


『ん』

「え? あ」


 と、途中地下1階で天井から落ちたときに人に遭遇してしまった。白衣を着ている男。研究員だろうが。……悲鳴を上げさせる前にミーティちゃんが頭にとりついた。

 ばちゅんっ。頭が溶けた。追加ミッションの食人カウントも進んで3になった。


『……ちょっ!?』

『にんげん、おいしい、すき。つまみぐい、すき』


 体内に感じる生温かい血の味に少し気分を悪くしつつ、慌てて周囲を見回す。目撃者は居ない。


『と、とりあえず全部食べちゃって! 血の跡も残さないように綺麗に!』

『うん』


 服、身体、全てを溶かして吸収するミーティちゃん。体積が少し増えたが、『小型化』のスキルを使って元の大きさを維持している。

 これは……とんでもないモンスターを産み出してしまったのかもしれない。


『……んっ! あたらしい技を覚えた!』

『お?』


 捕食で新技を覚える、そう言うのもあるのか。


『突き!』


 ビシュンッ! と尖った触手が伸び、壁に突き刺さった。おお、これは……こう、天井から突然頭突き刺して襲って食べるヤツ。怖っ。ちゃんと壁を貫通する攻撃力があるとか……


『あ。穴あけちゃった』

『よし、とりあえず一旦ここから逃げよう』


 研究員一人が殺された、となればまた警戒されてスライム狩りが始まってもおかしくない。発覚して騒動になるより前にこの研究所を綺麗に掃除しないと厄介なことになりそうだな。


 決起の時は近い……! というか強制的に近まってしまった……!


 でもその前にアネットちゃんの妹を探さねば。


「あ。スライムさん。おかえり」

「ん」


 おっと、アネットちゃんの部屋(牢)に戻ってきたようだ。……アネットちゃんは食べちゃダメだぞ? と、替わろうとしたところでミーティちゃんがインベントリからクッキーを取り出した。


「これ。おみやげ。甘い。おいしい」

「わ、クッキー? どこから出したの?」

「? 中」

「中かぁ。……ミーティちゃん、雰囲気変わった?」

「せいれいさま、いまこっち」


 そう言って触手で光輪(ハイロゥ)、俺を指すミーティちゃん。


「そっか。ミーティちゃんって私と同じようなのなんだね」

「おなじ?」

「うん」


 そう言って包帯に包まれた手で赤い角を指すアネットちゃん。


「こっちは、ミーティちゃんのと違って優しくないんだけど」

「おそろい! おそろい!」

「あはは……そうだね」


 力なく笑うアネットちゃん。

 そして元気だなミーティちゃん。なんとなくそのままにしておいたけど、これはかなり情操教育に良いのでは? もう少し見守っておこう。


 ころん、と転がってアネットの懐に入り込むミーティちゃん。


「……すっぽり」

「そうだね、すっぽりだね」

「おちつく」

「……そっかぁ。落ち着くかぁ」


 アネットちゃんは撫でようとして、「あ」と気付いて手を引っ込める。うん、アネットちゃんの手だとミーティちゃん焼けちゃうからね。お気遣いありがとう。

 うーん、微笑ましい交流。これはしばらくミーティちゃんお任せしようかな。


 よし、今日は一旦ここで飯でも食ってくるかな。


『ちょっとご飯食べてくるから、一旦離れるね』

「あい!」

「ん? なに、どうしたの?」

「せいれいさま、ちょっとおでかけ。少しるすばん」


 3人食べたからか、語彙増えた感じあるなぁ。

 これ、25人食べたら科学者並みの天才スライム少女になったりして……?


  * * *


 さて、ご飯を食べてきた。

 ついついコンビニで弁当を買っちゃったよ……だってVRでの食事がアレで。口直ししたくてね。うぅん、これは今月の食費がヤバいことになるな。

 コンビニ弁当でもペンペンのステーキ定食に勝てないんだよなぁ……!


『ただいまー』

「ん。せいれいさま、おかえり」


 ずっとすっぽりと収まっていたのか、ぷるんと体を揺らすミーティちゃん。


『それじゃあそろそろ地下の探索に行こうか』

「わかった。アネット、そろそろ行く。またね」

「ん、うん。またね、ミーティちゃん」


 すっかり温まったスライムボディがころんころんと転がって離れる。


「いもうと、探してくるね」

「イモート?」

「ん?」

「……ああ。うん、イモート? イモートね」

「アネットのいもうとだよ?」

「そっか。楽しみにしてるね」


 にこりと微笑むアネット。違和感がある。

 そういえば、赤い角がさっきより大きくなっている気がした。……この短時間で? 成長が早い……まずいなコレは。

 この部屋の近くに角の資料があるだろうか? ちゃんと調べておかなきゃね。





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― 新着の感想 ―
冬虫夏草みたいな感じかなぁ 嫌だな。除去できるといいんだけど。
分かっちゃいたが不穏だなぁ。 助けられるかそうとう怪しい。 ミーティちゃんが立派にモンスターしてるけど、可愛いからオッケーです。(現実逃避)
角は意思を持った寄生体なのか…? しかしその時代のコンビニ弁当っていったいいくらするのやら…天然肉程じゃないけどそこそこ高級品なんでしょう?
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