表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/123

第40話


 家主にバレないように部屋のすべてを飲み込むミッションだが、まずは家主が邪魔である。

 ……というかこの素材棚の中身食べたらバレるよな? 大人しく待つか……それとも視界の外でつまみ食いしていくか……

 うん、ゲーム的には視界の外でつまみ食いしていくのが正解だよねぇ。


 というわけで、こっそりと触手を伸ばしていく。幸い、スライム触手は透明で気付かれにくい。

 まずは、ふんぞり返った家主の、背中にある本棚に移動する。触手を乗せて、コアを天井に沿ってゆっくり移動。無事に本棚へと乗れた。


『ククク。では後ろの資料からコッソリ食べていってやる……が、表紙はそのまま残しておこうかね!』


 本というものには表紙が存在する。家主が見てもバレないようにするには、まず中身だけを食べていくのが良いだろう。……本棚の天板から、コリコリと穴をあけるように齧っていき、その穴に触手を通す。そーっと、積み木の塔から一本分を引き抜くような慎重さで本を探り、はむり。もぐもぐ。

 お、これ羊皮紙じゃん。タンパク質ぅーなお味。ついでに食べた本のデータがメニュー経由で記録されていく模様。

 こりゃあいいや。気にせずガンガン食べていける。


 俺はさらに触手を伸ばし、本をカジカジしていく。あんまり美味しくはないが、『捕食』スキルの効果で経験値がポチポチ加算されていくのが良い感じだ。……お、レベル2になった。

 一番上の段が食べ終えたので、次の段も食べていく。家主は……気付かないね! ヨシ! もぐもぐ、もぐもぐ。

 よーし、ここの本棚制覇! この本棚は表紙だけ残っているハリボテと化した。


 と、ここで家主がガタンと急に立ち上がった。

 びっくりしつつ、そっと触手を引っ込めると、家主は部屋の中を歩き回り始めた。おっと、これは次のステージってことか? フフフ、よかろう。ならばこちらも相応の食べっぷりを見せねばなるまい。


 家主がこちらに背を向けている瞬間を狙い、本棚の上からごろんと落ちる。触手を使って衝撃を殺して静かに軟着陸し、机の下に潜り込んだ。そこを新たな拠点とし、そっと触手を伸ばして様子を窺う。

 ……ふむ、どうやら実験機材のメンテナンスを始めたようだ。フラスコ以外はほとんど無事だからな。


 では俺は今のうちにこの机の中身を食べてしまおう。横から穴をあけて、引き出しの中身をもぐもぐだぜ!

 いっただっきまーす! コリコリコリコリ……

 ……本棚の方が食いでがあったな。ただ、書類データ的には結構な収獲ではあった。本棚の方がほとんど辞書や辞典、図鑑だったのに対し、こっちは研究費等の運営に関する書類だ。


 えーっと。何々? 素材の代金? ほうほう、レプラコーンの角にサハギンのヒレ。スライムの体液に、ゴブリンの……うん、まぁスライムはなんでも食べられるからね。見つけたらあまり気にしないで食べちゃおう。



 で、あのハゲ家主がマジャーク共和国という国の上級研究員である、という事が分かった。

 研究目的は不老不死やら究極の生命体兵器やらを作る事。予算はそれなりで、追加して欲しければ結果を出せと催促されている状況。

 そりゃお高いフラスコ壊されたら愚痴も言いたくなるよね。分かる分かる。いつの時代もどの世界も、予算には限りがあるもんなんだよな。……まぁ全部食わせてもらいますけどーー!!


 さて。書類はこのくらいにして、そろそろ素材の方を食べたい所存。だが素材は家主の側にいかなければならない……そろそろまたステージが変わるのでは? と思ったら、家主がこっちに戻って来ようとしている。やっべ。どこ隠れよう。……床だ!

 俺は急いで床板を削る。1枚分開ければ、コアもギリギリ滑り込める……急げ急げ急げ……よし!

 床板を剥がしてあけた穴に素早く潜り込み、床板をパタンと戻しておく。ふぅ、これで一安心。


 あ、床下ホコリ溜まってんじゃん。はぁー、ま、一応食べるだけ食べときますかね。捕食捕食。あ、ネズミさんちーっす。ばくっ。ごりゅ。おぇっぷ。

 ……はぁ、ペンペンの焼いてくれたボアステーキが恋しい……


 さて、床下に潜り込んだわけだが、ここはかなりのボーナスステージだ。

 なぜなら床板の下からコリコリと穴を開ければ、どこにでも触手を伸ばして捕食できる。ついでにネズミもいる。

 光輪(ハイロゥ)が床上に出ないように姿勢を気を付けないといけないが、仰向けになっておけば大丈夫そうだ。……スライムの仰向けってなんだ???


 まぁいい。とりあえず家主に見つからない程度に、床に散らばっている書類を間引いて食べちゃおう。

 もぐもぐむしゃむしゃ。っていうかネズミが居るようなトコで羊皮紙の書類とか、普通に齧られて損壊するんじゃねーの? 管理が甘すぎるんじゃねーの? と思いつつ、更なる情報を得た。

 魔人兵計画? ふーむ。色々と混ぜる、その基礎研究っぽい。


 ストーリーで『自分が何だったのか知りたかった』みたいな話が書いてあったけど、資料だけ見ても色々混ざり過ぎててどれがキャラクターとしてのベースなのか分からん。スライム、ゴブリン、魔族、獣人、胎児、人骨、獣骨、角、魔物の内臓、魔石、土、木、草。鉱物も混じってる。うーん、凄くね? あらゆるもの食べてるよ。これぞスライムって感じだね。

 元がゴブリン説も出てきたな。もぐもぐ。


 ただしガラスだけは食べられないようだ。酸で溶かして食べてるってコトなのかな? ガラスは最強の酸である王水でも溶かせないからねぇ。


 ……ん? おや。ハゲが席を立った。そして、部屋から出ていった。

 ……

 これはボーナスタイムでは?


 俺は即座に床下から出て、部屋の中に舞い戻った。


『ひゃっはー!! 食べ放題だぁーーー!!』


 まずは素材棚に手を伸ばす。

 どーれーにーしーよーぉーかーなー……全部ゥ! 捕食捕食ゥ!


 もーぐもぐもぐ。うん、苦い。固い。マズイ。味がない。ぱさぱさ。

 どれもこれも食べモノじゃないなぁ。と思いつつ、捕食していく。スライムでなければ食べられないよね。

 ちょっとレアな素材もあったのだろう。棚の中身をすっからかんにした頃には、Lv6になっていた。


『いやー。ハゲが居なくなるまで粘ったかいがあったわ』


 味はともかく、経験値的にはウマウマである。

 ……フラスコの欠片は食べられないか。でもインベントリには収納できるね。貰っとこう。

 他に食べられそうな物はないかなー。あ、机いける? いや、まだ無理そう。でも引き出しなら~? いけた! もぐもぐ!! 次、椅子! もぐもぐもぐ!!


 床を転がりながら、触れた本や書類を取り込んで消化していく。もぐもぐもぐ、まずーい! でも消化する!

 おお、身体が大きくなった。そろそろ机いける? んん、まだ! 先に本棚のハリボテ表紙たちを全部捕食捕食ぅ! おおっと、そういえばベルも止めとかないとな。もぐもぐ。


『おら! 薬品棚ァ! おめーも栄養になるんだよォ!!』


 ごりっと隙間に触手をねじ込み、内側から鍵を破壊して開けて……薬品棚オープン!!


 フゥー、色々とお薬あるじゃん。まるでドリンクバーだぜぇ!


 触手でフタを開け、ちょんと紫色の液体に触手を付ける。

 ビリリとした苦み。毒だね、吸収できるやつ。ざばぁと浴びるように体にぶっかけて吸収しておく。ガラス瓶は食べられないのでインベントリにぽいっと。こっちの緑のは……お、回復ポーションっぽい。いただきまーす。ごくごく。


 片っ端から開けていく。ごくごく、ごくごくごく。ついでにゴロゴロ転がりながら床にある資料、カーペット、そしてついに机や本棚までもを取り込んでいく。ごき、めき、ゴシャッ! もぐもぐ!

 陽気に歌いたくなってくるねぇ、らーらららー!


『レベルアップレベルアーーップ! いいぞ、元の大きさまで成長した!』


 そして気が付けばLvは8に、部屋の中身はすっからかんになっていた。

 ミッション達成、いぇーい!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
塊魂なのかなんなのか笑
やはりスライム(小説的に)最強だなw 使い勝手良すぎる
ワンチャン食った素材や浴びた薬品で何か技能やスキル生えたりとか あと脱出するまでは油断大敵よ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ