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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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第28話


 色町に行くのは後日として、アルトの案内でワントスまでダッシュでやってきた。

 時間経過は特になし。いや、ペンペンのメニューで見ると1日経過しているらしいのだが、少なくとも俺とアルトは全く時間経過を感じなかった。


 やっぱりこういうあたりはゲーム……だよな? もしかして1日という長時間を意識カットされたのかと慌ててVR表示をオフにしたのだけれど、貴重な休日はまだまだ時間に余裕がある程だった。


 改めて――やっぱりこういうとこはゲームなんだな。と再認識した。


「来るときはリアル1日かかったんだぉ……嘘じゃないぉ、ガチだぉ」

「まぁファストトラベルもLv30付近で解禁ってことなんじゃないか?」

「日数は経過してるので乱用は止めた方がいいっすよー」


 まぁVRではないペンペンがそう言うなら……ペンペンはまだLv30じゃないよな。じゃあファストトラベル解放はもうちょっと早いんだろうな。


「んじゃ、私も早いトコLv30になりたいし、さっさと上げちゃいたいっす。どこでLv上げできるんっすか、アルト氏?」

「案内するぉ! 通りすがりで依頼こなしてたらちょうどいい狩り場見つけてぉー。トリアが手伝えばホントすぐ上がるはずだぉ。……あ、遠距離武器あるかぉ?」

「弓矢なら手持ちでパパッと作れるっす。よいしょっと……できたー」


 ペンペンは、木の弓矢を手に入れた!

 ホントに凄い手さばきで立ったまま作れるんだから凄いよなー生産職。


「ペンペン、攻撃魔法あるだろ」

「そういやそれもあったっす! 戦闘全然しないから忘れがちなんすよねー」

「え? ああ、生産だけでLv上がる有情システムだったんだっけかぉ。なら別にいらなかったかもだぉね……」

「ああでも、俺はこの近くに用事があったから丁度いいかな」

「用事?」

「スタート地点のとこのボス。大亀、倒してないんだよな。リベンジしに行きたいんだよ」

「ぉっぉっぉ。じゃあペンペン氏がLv30になったら行くかぉ、手伝うぉ」

「私も力になるっすよ!」

「いやペンペンは留守番してて。マジ危ないから、ロストしたら洒落にならん」


 とりあえず、アルトおススメの狩場へと移動する。道中、なにやら地面に穴が開いていた。……なんだこれ? 何かの足跡?


「あ、これボクの移動跡だぉ」

「どゆこと?」

「こう、後ろに銃撃って反動で加速するんだぉ」


 後ろ向きにドカンッ! と青白い炎に包まれた丸い岩を撃つと、アルトの身体が吹っ飛んだ。いや、吹っ飛んだように見えたが反動に合わせてダッシュジャンプしたのか。

 そののち、岩だけが燃え尽きるように消えて、道中に見かけた跡になった。


「あとはこれを繰り返せば高速移動ができるんだぉ。ほら、ツードンの方へ続いてるぉ?」

「じゃあそれで移動してたのか。……俺は足強化してるからともかく、ペンペンよくついてこれたな?」

「トリア氏に背負ってもらってたっすよ。ロード画面でそういう表示出てたっす。……アルト氏は後ろ向きに飛んでたけど、そういう移動だったんっすねぇ」


 ボクセル表示で後ろ向きに飛んでるアルト……ちょっと見てみてぇな。


  * * *


 さて、狩場に居たのは大きなイノシシだった。といっても大亀ほどではない、車程度だ。


「あれがグレートボアだぉ。で、こっち来てみるぉ」

「お、崖っすね」

「そういや落下ダメージ云々言ってたな。つまり、ここから落とすのか」


 俺達が立っているのは崖だった。

 ……なるほど。俺が手伝うっていうのは。


「背負う、撃つ、避ける、落ちる、だぉー!」

「あとで崖下に落ちた素材回収できるっすかねー? グレートボアの肉は『ボアステーキ』の素材になるんすよ、それでも経験値稼げそうっす」

「必ず回収するぉトリア!」

「おう! このくらいの崖ならギリギリ滑り降りれるはず……いや、念のためロープが欲しいな」

「それはペンペン氏に作ってもらうぉ! 肉、肉、肉!!」

「……お2人とも、さっき満腹でぐったりしてたのに……もう食べる気満々なんすかー?」


 当り前だろうがよぉ! 肉だぞ、肉!!


「……ハッ!? そういえば満腹感が完全に消えてる! これファストトラベルと組み合わせたら無限に食えるのでは!?」

「マジかぉトリア!? マジだぉ! へへっ、これは永久機関が完成しちまったぉ……!」

「多分ステーキは1匹分でお腹いっぱいっすよね、あのサイズなら」


 あのサイズあればどれほどの肉が取れるだろう。

 あの時のテーブルの皿山もりの肉が何個分だ? 美味しく食べられる分、ステーキ3、4枚で1食としたらいったい何食分なのか……ごくり。


「全部狩るぉ! 狩り尽くすぉ! イノシシパーティーだぉーーー!!」

「待て! このゲーム下手に狩りすぎるとリポップしなくなるから、ほどほどに残すぞ!」

「ダニィ!? それはなんという落とし穴だぉ! 肉がポップしなくなるだなんてひどい罠だぉ!」

「ボアを落とし穴というか崖下に落とすのは私達っすよー? んじゃ、トリア氏背中お借りするっすー。さーて、サンダーボルトが火を噴くっすよー!」


 リザードマンとどっちが美味しいか、食べて確かめてやるぜぇ!!





 あ、ペンペンは無事Lv30になりました。ようこそVR表示。

 一緒にお肉食べようね!!


「本当にゲーム世界に入ってるっす!? どうなってんすか、ちょ、こんなん絶対合法技術じゃねーーーっすよ!? 軍用技術の流出っすか!? なんすかこれ空気が美味いっすよ!?」

「まぁまぁ一旦落ち着くぉ。まずはコレ。さっきペンペン氏が作ったボアステーキだぉ。はいあーんするぉ」

「食いねぇ食いねぇ。……トぶぞ? 覚悟は良いか?」

「な、そ、そんな電子ドラッグみたいな……もがっ……!? に、に、に、肉うまーーー!? じ、自分、料理スキル極めるっすーーーー!!!」

「ぉっぉっ、ペンペン氏は神かぉ? 肉を貢ぐからボクらの分も頼むぉ!」

「今後とも仲良くしような、ペンペン! 俺達が狩る、ペンペンが作る。みんなで食べる! WinWinだねッ!! あ、Wikiとかには絶対秘密だぞ」

「うっす!!!!」


 そしてペンペン、本日最終的にLv31になりました。

 ……ちょっと肉狩りすぎたかもしれん。




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― 新着の感想 ―
ひゃっはー
ありがたく思え!絶滅タイムだ!
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