第21話
攻撃魔法をSP使わずに習得する方法について、ギルドの受付で聞いてみることにした。
オークの集落壊滅のお知らせのついでに。
「というわけで攻撃魔法を覚えようと思うんだけど、どうしたら覚えられますかね?」
「……えーっと。皆さん魔法屋というところに行かれますね。そこで魔法書を購入できます」
「魔法屋。どこですかそこは!」
「地図でいうとここのあたりです。魔女帽の看板が目印ですよ」
どうやら魔法って買えるらしい。よかった、安易にSP使わなくて。
「へー。そんなお店があるんすね。ウチも行ってみるっす!」
「よーし魔法屋でお買い物だー! 金ならあるぞー!」
冒険者ギルドで依頼をこなしまくっているため、報酬がたまりにたまっているのだ。
一応トリアちゃん達にギルドの酒場でご飯食べさせたりもしているけど、所詮はフレーバーでそれほどお金消費しないし。あ、でも好感度は上がる。
「ちなみに借金半額返済記念に食堂でどれだけ食べられるかボタン連打してみたっすけど、10人前くらいでなんかHPが削れて死にかけたんで注意っすよ」
「おま。ペンペン、それプレイヤー好感度下がるだろ絶対」
「いや上がったっすよ? お腹はち切れるくらい食べられて幸せです、って言ってたっす」
「それ気ぃ使われてない? ホントにはち切れたら死ぬよ? ロストよ?」
「ペンちゃんごめんっす! 今後気を付けるっすねー!」
まぁ、なんにせよ魔法屋だ。
ギルドで教えてもらった魔法屋にペンペンと一緒に行くと、そこは巻物や本が沢山置かれた店だった。
魔女帽マークの看板がなければ中世の本屋かと思っちゃうね。
「すみませーん。魔法売って下さーい」
「ん? はいはい……うわっ。あ、えーっと、購入したい魔法があれば言ってください」
今うわっとか言った? あれ、オーク倒したあとちゃんと洗ったよなぁ。
「なんかこう、攻撃魔法を習得したいんですけど」
「攻撃魔法ね、色々あるけど……ありますけど。ああちょっとまって。えーっとマニュアルマニュアル……あったあった。はい。パラメータが足りないと覚えられないから気を付けてくださいね、返品は不可で下取り扱いになります。ご了承ください、っと」
なんだろう、新入りのバイトさんなのかな。まぁちゃんと魔法を売ってくれるなら関係ない。
「トリア氏ー! ファイアボールの巻物があったっすよ、お揃っちっすよ!」
「お揃っちって。習得できるならいいけど、あ、これお幾らで?」
「銀貨3枚、になりますね」
「ほいほい。ちゃりーんっとな」
オーク集落分の報酬で余裕だったので購入。アイテム、使用……習得!
「お、スクロールが燃えて消えた」
「消費できたってことっすね。習得できたんすか?」
「うん、できたっぽい。いやー、さすがにLv28にもなればこれくらいは行けるか。やったぜ」
早速使ってみたいところだが、店員から「ここで試し撃ちしないでくださいねー」と釘をさす言葉が飛んできた。
しませんって。
「お揃っち、お揃っち♪」
「そうだ、亀に効きそうな魔法ってあるかな」
「亀が相手なら電気じゃないっすか?」
「電気かー。なんかいいのあるかな。店員さん、おススメある?」
「デンキ……はいはい、ちょっとお待ちくださいね。……これこれにこれ、あとこれもかな? よいしょっと」
ゴソゴソと棚から巻物を3本と、本を1冊取り出してきた。
「えーっと、こちらからサンダー、サンダーボルト、エンチャントサンダー、テンペストです」
それぞれ銀貨3枚、銀貨5枚、銀貨10枚、金貨5枚らしい。金貨5枚のテンペストが本のやつだ。
絶対強いやつ。そして確実にトリアちゃんではパラメータが足りないと思われる。
「ちなみにトリア氏、ご予算は?」
「全財産が金貨8枚だから、全部買えるっちゃ買えるけど……まぁテンペストは今はいいかな。巻物3つください」
「まいどありー」
よし、早速使ってみよう。サンダー……習得! サンダーボルト……習得失敗! エンチャントサンダー……習得!
うん。巻物が1つ残ったな。これだとテンペストは間違いなく覚えられなかっただろう。
「どうやらサンダーボルトはパラメータが足りなかったみたいだな。ペンペン、銀貨5枚で売るぞ」
「原価のまんまぁ! まぁいいっすよー。ほいほい。……習得っす!」
銀貨5枚とトレードし、ペンペンの方はあっさりとサンダーボルトを習得できた模様。
「ところで、サンダーとサンダーボルトって何が違うんだろ?」
「店員さんに聞くっす! ふぁっといずなにが違うんすかー!」
「あー、えっと。マニュアルマニュアル……あっはい。ボルト系の方が消費MPが多く、攻撃力が上です。あ、射程も」
うん、ガッツリカンペ見てるけど何も言うまい。
ちゃんと答えてくれたし、違いが分かればいいのだ。
「さて、それじゃ試し撃ちに町の外でのゴブリン討伐依頼でも受けるかな」
「じゃあ今回はウチもお供するっす!」
「ま、まいどあり。またのお越しをー」
魔法屋を後にして、ギルドに戻り、ゴブリン討伐依頼を受けて草原へ移動。
そしてゴブリンは犠牲になった。試し撃ちの犠牲にな。
ちなみに魔法はスロットにセットすることができ、スロットをタップすれば発動した。
ひゃっはー! 魔法攻撃たーのしー! ファイアボール! サンダー! エンチャントサンダーからの蹴る殴る!
まぁゴブリンは雑魚なので、一発即死なわけだけど。試し撃ちだからね、仕方ないね。
そして、MP切れまでゴブリンを殲滅、休憩して回復、を繰り返していたら日が暮れていた。
おかげで一気に修練度的なものも上がったと思う。
依頼達成数何回分になったかはよくわからん。
「依頼達成お疲れ様です……はい、ランクアップです、ええ、ランクアップ。おめでとうございます、お二人ともCランクです」
「あ、俺もペンペンもCにランクアップ? やったー!」
「いえーい! やったっすねー!」
流石に色々と狩りまくったもんなー。いやー、俺達もついにCランクか。同僚にランク追いついたわー。これで胸張って合流できるな、一緒に冒険できるぜー!




