第20話
ヒャッハー! 狩りの時間だー!
というわけでオークの村を壊滅させ、オーク肉を大量入手。
ペンペンに作ってもらった新装備、ナイフブーツもばっちり大活躍だった。
足の甲に折り畳みナイフが取り付けられたブーツで、戦闘前にナイフを展開しておけばトリアのキックに斬撃ダメージが加わる寸法だ。
さりげなく子亀の甲羅を仕込んで安全靴仕様にもなっている。軽くて丈夫、子亀素材!
ちなみに攻撃は基本キックになった。強化しまくっててキックが強いから。
両手には主に盾になる手甲を装備している。これもペンペンに作ってもらった子亀装備だ。
あんな田舎の牧場娘みたいな見た目で高性能装備を作るペンペンには脱帽だわ。
「トリア氏ー。ブーツどうだったっすかー?」
「おー。バッチリよバッチリ。オークの喉笛切り裂きまくりで全滅させてきたよ」
「やったっすね! んじゃアイテム回収は任せろりー!」
待機していたペンペンに交代。すっかり良いコンビプレイだ。
戦闘経験値と戦闘報酬はこちら、素材はペンペンに流して装備やアイテムを作ってもらう。
ペンペンはペンペンで解体・作成で生産職経験値をガッツリ稼げて、余った装備等も売れて、さらにお金ガッポガッポ。しかもお互いDランクになっていた。
「そういやペンペン、借金返済はどんな感じなん?」
「あ。前倒しで半額返済したっす」
「マジかよはえーな」
「やっぱゲームだと簡単に返済できていいっすわー。とはいえ、トリア氏のおかげってとこもあるんすけど。素材めっちゃくれるからいっぱい作れていっぱい稼げてるっす!」
お互いWin-Winでなによりだね。これぞコンビプレイ。生産職と組むと色々便利でいいなぁ!
うーん、順調順調!
オークを解体するペンペンの隣で筋トレをしつつ雑談する。
ちなみに俺がオークを狩ってる間はペンペンは筋トレしていた。パラメータ上がるの教えたので。
「そういや、ペンペンはWiki見てる? 混沌としてるけどそれなりに興味深いぞ」
「んー、見てないっすね。自分、一通り自力でやってから見る派っすから」
「なるほど。まぁ一つだけ言っておくと、ストーリーは個別だしストーリー毎にゲームシステムが違うっぽいんだわ」
「えええ。それはトリア氏と比べてなんか薄々感じてたっすけど……マジで違うんすか?」
「違うっぽいんだよねぇ。ペンペン、戦闘シーンってどうなってる?」
「コマンド式ターン制バトルっすよね? よくあるミニゲームっす」
あ、RPG方式なんだ。そこは。
「ウチだとそこがメインで、ローリング操作とかジャンプ、攻撃とかを随時入力するんだわ」
「なにそれ。全然違うじゃないっすか。だからオークの村を瞬殺とかしちゃえるんすねぇ」
「まぁウチのトリアちゃんのパラメータが戦闘特化なとこもあるしね。余裕余裕」
「こっちは相変わらず生産系パラメータしか上がってないっすねー。あ、教えてもらった筋トレ分はちゃんと上がってるんでNPCの町人には負けないっすよ。攻撃魔法もあるし」
……ペンペンのおかげで装備は大分整ったし、レベルも少し上がった。
もしかしたらそろそろ大亀を殺しに行けるのでは? と思いつつも、同僚との合流待ちである。
同僚は各町を渡り歩きつつ、ツードンを目指してきてくれている。あの亀に対して遠距離攻撃、銃持ちの同僚がいればかなり有利に戦えるだろう。
ペンペンは相変わらず生産特化なので戦力にはカウントしない。というか連れて行かない。
下手に連れて行って巻き込まれて死亡、なんてことになったら目も当てられないからね。筋トレはしてるけど、それは戦闘要員に成れるほどの強化ではないのだ。
そう、たとえ攻撃魔法があれど――
「……ん? ちょっとまって? でも今攻撃魔法って言った?」
「言ったっすけど?」
「……攻撃魔法あんの?」
「え、あるっすけど」
「ちょっと見せてよ」
「戦闘中じゃないと使えないっすよ。補助魔法なら使えるっすけど」
くっ! バトル中じゃないと攻撃魔法使えないシステムのやつか! RPGによくあるやつ!
でもそういえばそうだよ。魔法。すっかりトリアちゃんが物理特化で忘れてたけど、普通に魔法ってあるよなこの世界。エルフも居たし。いいよねエルフ。
「で、攻撃魔法ってどこで覚えられるの!? 教えてペンペン!」
「え、普通にレベルアップしたらファイアボール覚えてたっす」
「マジかよ。賢さの値か? 格闘に特化しすぎたかもしれん……」
「物理防御の高そうな亀に物理で殴り掛かったってあたり、もうそりゃそうっすねとしか言えないっすわ」
「むむむ。SPで習得できるスキルにあるかなぁ……あ、でもSPはまだ貴重だし……でも魔法なら……!」
と、丁度同僚からのフレンドチャットが届いた。
『情報集めてツードンに向かってるんけど、あと2日かかるかもだぉー』
「了解。待ってるわ。……てか、そもそも1日かかって移動しきれないとか、ワールド広すぎない?」
『だぉね、やべーぉ。乗合馬車の事故とかも……あ、途中でレッサードラゴン狩ったからお土産にするぉー』
「お、ペンペンに伝えとくね。良い装備できそうだ」
『くっ! ペンペンとやらめ……ボクの方が先に同僚を誘ったのに……! これはNTRだぉ!』
「どういうことなの? あ、そうそう。ペンペンの作る装備どんどん良くなってるぞ?」
『悔しい! でもボクも作って欲しいぉー!!』
「おk、頼んどくわ」
『到着予定日は次の休日の朝だからぉー!! 頼むぉーーー!!』
というわけでペンペンに同僚の分も何か装備作ってあげて欲しい、報酬は払うからと告げると、ペンペンは快くOKしてくれたのであった。
レッサードラゴン素材ひゃっはー! ってなるのが目に浮かぶわ。




