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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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第96話


 マハリクさんはスリアドに帰って、改めて翌日。


 ペンペン、『美味しいステーキ』を1個、借金返済の足しにしたらしい。

 曰く、結構な値段になったとか……具体的な数字や単位は謎フィルターで聞こえなかったけど。


「……元は取れてるっすね!」

「元取れちゃったかぁ」

「収支率ぅ……だぉね」


 多分コンビニおにぎり5個分はあっさり超えたに違いない。

 お金……ホントどうなってんだろうか。

 あるいは運営は牧場主でもあり、ステーキがお安く手に入るんだろうか。


「ちょっと本腰入れてSP稼ぐっす。目標1日1ステーキっす」

「お、おう。頑張れ?」

「ホントごめんっすけど、リアルで肉届かなくなるまでやるっす!」


 ペンペン、ステーキ業者になる気かな?


「アサシン技術を見世物にするのも、と思ってたっすけど……例のサーカスの依頼やってくるっすよギンちゃん!」

「かしこまりました。お任せくださいペンペン様」


 転売とかあまり好きじゃないけど、ペンペンにも結構切羽詰まった事情があるらしく。……まぁゲームで手に入れたアイテムのおまけが余ったので売るだけなら転売ってわけでもないか。


「そういや先日このゲームの利用規約調べたぉ? RMTも別に禁止されてなかったぉね」

「マジか。ネトゲだとトラブルになることが多いから禁止されてるもんだと思ってたけど」

「そもそも狙ったプレイヤーにアイテム譲渡するのが難しいからぉ」


 言われてみれば確かに。謎フィルターのせいで個人情報が大体隠されるため、たとえ今俺達がペンペンに送金しようとしても無理だ。


 フレンドリストで登録後に待ち合わせをしようにも合流にかなり時間がかかる。よほどのレアアイテムを譲渡するのでなければ手間がかかりすぎて割りが合わないだろう。


「牧場の防衛はポチに任せるっすよ」

「ん? ポチ?」


 初めて聞く名前だ。もしやペンペン、『3人目』を……!?


「あ、先日完成した化石ゴーレム君っすよ」

「おお。ってことはスリアドにゴーレム魔法あったんだ?」

「いや、無かったっす。商人さんが仕入れてくれてたんすよー」


 いつもの商人さんが方々(ほうぼう)に聞きまくって仕入れてくれていたらしい。


「へー。やっぱ優秀だぉね、あの商人」

「いつもお世話になってるし、大量に『美味しいステーキ』を手に入れたら一枚くらい差し入れてもいいかもっすね」

「NPCに希少アイテムを……いや、そもそも『美味しいステーキ』は好感度アップアイテムだから、NPCの好感度も上がるってことになるのかぉ?」


 商人の好感度があがったら商品を常に1割引きで売ってくれるようになったりするとかあるんだろうか。そういうゲームもあるよね。




 で、早速ポチを見せてもらった。

 そこには大型肉食恐竜の強靭な牙をカチカチならす、あたかもアンデッドのような化石ゴーレムが犬の如く日向ぼっこしている姿があった。

 すごい、動いてる! 博物館で展示されているような化石のまま動いてるよ! 尻尾がびたん、びたん、ってしてるよ!

 なるほどこれはポチでピッタリな名前だ。


「筋肉もねぇのに凄いぉねー」

「これが魔法っすね」

「維持コストとかかからないの?」

「待機中なら微々たるもんっす。戦闘で激しく動かしたり、ダメージ受けたら回復のためMP使うっすけど」


 事前にポチにストックされているMPが尽きるまでは動くし、回復もそのMPでできるらしい。後衛職のペンペンはMPも豊富にあるので、ペンペンが居ればMP補充は困らない。

 そして素材によってMPをストックできる量が異なるらしく、化石は『特大量のMPをストックできる素材』だった。


 つまり、普通の石とか土とかで作るより遥かに優秀なゴーレム。

 いいなー。俺も化石欲しくなってきたわ。



「あ。この子も商人さんのおかげで生まれたわけっすから、商人さんに紹介しないといけないっすよね?」

「そうだぉね、礼儀だぉね」

「わざわざ商人さんを呼び出すのもなんだし、こっちから連れて行くべきだろうな。首輪付けるの忘れないようにね」


 テイムモンスターやゴーレムは制御下にある事を示すため、街中ではちゃんと首輪等を付ける必要があると冒険者ギルドの規約にあった。

 で、ポチは分類的には『大型肉食恐竜の化石ゴーレム』にあたるので、首輪を付ければ連れて行っても問題ないだろう。


「首輪ならサクッと作れるっすね。クラフトLv上がってるっすから即できるっす!」


 そう言ってペンペンは素材を取り出すと、スキルで一瞬で首輪にした。リードも付いている。

 早速ペンペンはポチに登って首輪を取り付ける。首輪が首骨の凸凹に引っかかってプラプラしていた。


「……なぁ、これポチの上に乗れるんじゃね?」

「騎乗ゴーレム……ありだぉねぇ!」

「お、多分下手な馬より移動速度早いっすよ! 鞍も作ってみるっすかねぇ?……むしろ肋骨の中に座席作ればそのままコクピットになるんじゃないっすか?」


 マジじゃんそれ。いいなぁ!? やっぱ俺も欲しいよ化石!





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― 新着の感想 ―
実際に食べてみないとその凄さが解らない『美味しいステーキ』をちゃんと高値で買わせてるんだから、ペンペンも営業適正高いな…
RMTならアカウント売買とか言う糞も含まれるけど、やったら運営に存在を消されそうだな
商人さんの気持ちになって号泣スタンプをポチッとw
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