第92話
ツードンの方にマハリクさんが遊びに来た。
付き添いはヨン&ロクちゃんである。
ペンペンはペンペンちゃんでクラフト強化中だ。それぞれ2人目キャラにペンペンの牧場の手伝いをさせつつ、小休憩だ。
少ししたらギルド行って依頼を受けてこようと思っている。
「ホームってホント凄いわねー……これとストレージで交易品を動かしたら、あっという間に既存の経済圏破壊できそうね」
「危機を救え系ミッション出たらイヤなんで程々にするといいと思いますぉ」
「そうねー」
やれやれ、と肩をすくめるマハリクさん。
「そういえば先日、『美味しいステーキ』を使ったんだって? どういう効果だった?」
「私も気になってたっす!」
「あれ、アルトから聞いてない?」
「言ってないぉ」
「そっかー。まぁー正直に言って、神アイテムだったよ……!」
「神アイテムだったんすか!!」
フフフン、と得意げに答えておく。
「うん、それでトリア、効果はなんだったの?」
「無茶苦茶美味しかった」
「……効果は??」
「無茶苦茶美味しかった」
「パラメータの上昇とかは?」
「……好感度は上がったんじゃないかな?」
そう、ゲーム内的にはパラメータが上がったりするわけでもなく、単にとても美味しいアイテムなのである。味的な意味で。
「やっぱり好感度上昇アイテムだったんすか」
「なによそれ。好感度なんてもうほっといても上がるのよウチは」
「あと、リアルで肉を貰えたよ」
「肉? え、どういうこと?」
「リアルの部屋にも『美味しいステーキ』が届いてね。実際食べてみたけどリアルでもゲーム内と同じ感動を味わったよ。天然肉だなあれは」
「……え?」
首をかしげるマハリクさん。
「なにかしらのキャンペーンに当たったってコト?」
「どうだろ。普通に天然肉のステーキが家に届いたんだけども」
「まぁ、ゲームの大盤振る舞いなキャンペーンっていうのはたまによくある話よね」
「……リアルでもお肉が届くんすか!? ちょ、ちょぉーっと私も試してみようかな?」
「ま、SPはSP依頼で稼げるし試してみても良いかもな」
なんかのキャンペーンで届かない可能性はあるけれども。
「あ、ペンペン。食べるなら個室で食べてくるといいよ」
「え、なんでっすかトリア氏?」
「一切れ頂戴、なんて言われたら殺意沸くレベルで美味しいからさ」
「……食い物の恨みは怖い、って言うっすもんね。わかったっす! ちょっと食べてくるっす!」
「でもギンちゃんも呼んでおくといいぞ」
「なんでっすか?」
「あとでギンちゃんに文句言われても知らんぞ」
「……食い物の恨みは怖い、って言うっすもんね!!」
そう言ってペンペンはギンちゃんを呼んで個室へ向かった。
満足いくまで食べるがいいさ。フフフ。
「というわけで『ご褒美パンケーキ』も気になっているところでね」
「キャンペーンだとしたら、そう何度も肉や食べ物が届くとは限らないわよ? 無駄遣いはしない方が良いんじゃないかしら……とは思うものの、他人のプレイをとやかく言うのはマナー違反ね」
「こなかったとしても、VR内だけでもかなりの幸せ味だったからな。SP依頼はこなしてもまた増えるし、多少の余裕はあるし……また食べたいところだ」
「そっか、SP依頼があるのよね……そう考えるとあんまり高いというわけでもないしいいかも。そろそろ私も受けられるかしら?」
植物と会話できるスキルを活かしたSP依頼……どういうのだろうな?
弱った畑とかを復活させたりそんな感じかも。
「ペンペンだけじゃなくてミーティちゃんも植物栄養剤とか作れるから、必要そうになったら言ってくれ」
「助かるわ。植物関連となったら除草剤も用意しておきたいわね」
そっか、復活させるだけじゃなくて除草とかもあった方が良いか。
「そうだ。SP依頼でもエロ負けするわけにはいかないから、そのあたりもちゃんと調べておかないといけないわね」
確かに、エロスキップしてキャラロストしました、なんて、マハリクさんの最初の『2人目』みたいな事態にはなって欲しくないが。
「でもそれを調べるって、どうするつもりですかぉ?」
「……あなたたちに脱いだり絡んだりしてもらうとか?」
え、じゃあここで脱げばいいの? あんまりアルトと、というか同僚と変な空気になりたくないよ俺は。
仕事でどんな顔して会えばいいか分からなくなるじゃないか。いや顔を合わせたことは無くてチャットでしか話したことないけどさ。
「プレイヤーだと接触に限度がありますぉ。倫理フィルターのバリアみたいなのが出ておっぱいすら揉めないんですぉ。試しに自分の胸を触ると分かりますぉ」
「あら、そうなの?……あらほんと、触れないわね」
「あと脱ぐとオートモードになりますぉ、まぁつまりエロスキップ発動ってことですぉね」
「なるほど。そうなると……数字っ子たちに絡ませてみる方が良くしらべられそうね」
……その記録映像とかとれたら是非みせてください!




