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異世界人育成ゲーム ~生贄の少女たち~  作者: 鬼影スパナ


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第78話



「仕事とはいえサンちゃんが襲っちゃったのにはかわりないし、慰謝料代わりにご飯奢るわ」

「ァザッす! 御馳走になりますぉ!」

「こんなキビキビしたアルト氏、初めて見たっす」

「俺も」


 対等なプレイヤーとして扱うとは一体なんだったのか……まぁ仕方ないか。


「す、すごい。他の精霊様もマハリク様には敵わないんだ」

「やっぱり私達のマハリク様は最高!」

「うう、ご迷惑をおかけしましたすみません」

「気を取り直してサンちゃん。マハリク様もそう言ってたでしょ、直さないのは命令違反だよ」


 マハリク部下の4人は、なんというかあまり特徴が無くモブ可愛い。頭の輪っかもシンプルな1本線の円だし。


「ところでマハリクさ、マハリク氏。部下ちゃん達の銃ってSP装備ですかぉ?」

「ええ。SP装備のハンドガンよ。運用するのに統一しておいた方が便利だから標準装備にしてるわ」

「残念ですぉ、古代遺跡が見つかったわけじゃなかったんですかぉ」

「生憎ね。遺跡みたいなもの、まだどこにも見つけられてないのよね。発掘品とか出回っても良いと思うのだけど」

「ボクも銃を強化するカートリッジを探してるので、見つけたら教えて欲しいですぉ」

「いいわよ。その時は情報共有するわ。そっちも教えてね」

「約束ですぉ!」


 マハリクおススメのご飯処に移動しつつ、そんな会話をするアルトとマハリク。

 アルトが敬語なのは、やっぱり上司相手だからだろうなぁ。ってか敬語なのに「ぉ」は外さないんだ……。

 と、ミーティちゃんがやってきた。マップを見て合流してきた模様。


「精霊様みっけ! ただいまー!……あれ、この人誰?」

「あら。どの子のキャラ? あ、でも頭に輪っかが無いみたいだけど」

「俺の子だ。お帰りミーティちゃん。ほい、合体」


 人も多いし、ぽゆんと合体しておく。

 ミーティちゃんに戻ったので猫獣人な高さの視点に戻る。光輪(ハイロゥ)と合わさりちゃんとプレイヤーに見える状態になった。


「……獣人かと思ったらスライムの分体だったのね。うーん、色々便利そう。戦略性の高い良いキャラじゃないの」

「『2人目』はこういう特殊技能があるようなキャラが多い印象だよ」

「へぇ! それはがぜん私も『2人目』が欲しくなってきたわね。あなたたちの『1人目』は?」

「今は別の町に置いてあるホームで留守番してるよ。オートモードでね」

「ボクの『2人目』もそっちに居ますぉ」

「いいわね、特殊技能。仕事の幅が広がりそうで……ふむぅ」


 どういう『2人目』が欲しいか悩ましそうなマハリク。


「現状の『何でも屋』に加えるのなら、切り込み隊長になれる強靭な子か、博士ポジのクラフターが欲しいわね……アルト、あなたウチにこない?」

「光栄ですが遠慮しておきますぉ。あ、でも傭兵として協力はできますぉ」


 ゲームでもリアルの上司の下で働くとか、たまったもんじゃないよね。そりゃね。



 と、マハリクおススメのご飯処に到着した。

 赤い暖簾のかかった食事処だ。なんとも獣臭いような、しかし食欲をそそる匂いが漂ってきている。

 裏通りにあるのはニオイがきついからだろうか。だが、このアングラ感がむしろ良い。


「さて、それじゃここがおススメのご飯処よ。……あなたたち全員VRよね? 味覚再現はいける?」

「当然ですぉ?」

「あ、うん」

「モチっすよー」

「結構。やっぱりそのあたりはお金かけるわよね、それでこそ奢り甲斐があるってものよ。大将ー、トンコツらぁめん8つ!」



 ……トンコツらぁめん、大変美味しゅうございました! 個人的にも是非また来よう。


 ちなみにこの店はマハリク率いる『何でも屋』がプロデュースした店らしい。

 こんな美味しいお店をプロデュースできるあたり、マハリクさんは良い人に違いない。



 食事を終え、マハリクは部下の4人を帰らせた。

 改めてのんびりと情報交換……というかただの雑談をする。


「ふーん。ウチとは全然ゲームシステム違うのね」

「たまに選択肢が出るとか、ウチでは全くでないですぉ」

「部下を育てて仕事させるとか、オートモードと似てるようで微妙に似てないな」

「可愛い子達よ。ま、部下に働かせるから私はほぼ何もしないんだけど」


 一応マハリクさん自体も戦闘に参加可能なユニットではあるが、戦闘力皆無らしい。

 後方支援の指揮官タイプで、戦闘に参加すると味方ユニットに強化(バフ)が乗りまくるらしいが。


「今度PvPでもする?」

「……マハリク氏があの4人に指示を出しての戦闘になったらボクは勝てる気がしないですぉ」

「あらあら、その時は司令塔の私が真っ先に落とされて終わりよ。私はこの中で間違いなく最弱だもの」

「絶対侵攻ルートに罠仕込んでくるって知ってますぉ! そして罠仕込んでると思って回避した先も罠なんですぉぉぉお!」


 うーん、アルトがそこまで言うほど強いのか……

 って、よく考えたらアルトの上司ってことは営業だし、その辺心理戦の立ち回りも上手いのは当然といえば当然か。


 ……4人の部下も含めてが『1人目』の範囲としたら、実はミーティちゃんの分裂より上位互換なのかも?

 マハリクさんがミーティちゃんのシナリオプレイしたらどうなってたんだろうなぁ……




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― 新着の感想 ―
アルちゃんのようで実は先生なような(5人目なのもなんとなくつじつま) 淀みから生えるのが邪神じゃなく悪魔とかニカの種族とか、明確に元と違いそうな部分が見えてくるとなんか世界観がじわじわ見えてくるようで…
祝100話
トンコツが豚の骨から出汁を取ったものだということもトリア氏達は知らないんだろうなあ… ペンペン氏はなんか時代がズレてそうなので知ってそうだが(電燈の紐を知ってる)
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