第三十三話 ハイエルフ
エルフの里にサキオの解毒で来ている一行。
ソラ、テツ、にゃん吉、シロは、
エルフの長パトリダと大広間にいる。
パトリダ「さて龍人様」
ソラ「あたしはソラ、ソラって言います、そっちの白虎がシロ、この伸びてるのがテツです」
パトリダ「ふむ、これはご丁寧に。ではソラ様、会って貰いたいお方がいます。」
ソラ「様は付けないで。みんなで行くなら良いけど、ソラ一人はいやだな、テツは置いてっても良いけど」
パトリダ「テツさんは起こさなくて良いので?」
ソラ「いーよ、こんなおバカ」
パトリダ「ふふふ、分かりました。では参りましょう」
………………………………
パトリダの案内でソラ、にゃん吉、シロは里の端まで歩いて来た。
そこは蔓の通路を降りて、いつのまにか地面になっていた。
地面は大きく競り上がり、蔓の通路と変わらない高さで、背の低い芝生のような緑で覆われていて、てっぺん付近には一際大きな大木が立っていた。
大木は正面に樹洞樹洞があり、
樹洞には扉が設えてあった。
周りの空気は澄み、鳥が囀り、
今にも神々が降臨しそうな、
そんな別世界の神々しい雰囲気があった。
ソラ「凄〜い」
ソラはすっかりいつもの調子に戻っている
パトリダ「主様」
パトリダは扉の前で声をかけた。
「入りなさい」
扉の向こうから透き通る若い女性の声がした。
パトリダ「失礼いたします」
——あれ?この人って、
この里で一番偉い人じゃなかった?——
そんなソラの疑問をよそに
パトリダは扉を開けて中に入り、
ソラ、にゃん吉、シロが続いて扉をくぐる。
ソラ「お邪魔しまぁす…」
中にいたのは、
少女のようなエルフ。
だが、その雰囲気はどこか神々しさを感じさせる、
不思議な雰囲気だった。
そのエルフは椅子に座り、ソラを見ている
今まで本でも読んでいたのだろうか、
目の前のテーブルの上には本が置かれていた。
ソラ「うわぁ綺麗…」
パトリダ「主様、お連れしました」
「はい、ありがとう」
エルフは椅子から立ち上がり、
ソラ達の前に進んできた。
「初めまして。私はティア。ティア・リーテ・メノウスと言います」
ソラ「あ、は、はじめしてソラです。」
にゃん吉「わしはオーズベルト・ライデンシャフトと申す」
シロ「我はシロだ。ハイエルフか」
ティア「はい、そうです。私はハイエルフです、うふふ、緊張しないで下さい」
ソラは何故か緊張していた。
そんなソラにティアが微笑みながら話す。
ソラ「そ、そうなんだけど、なんでかなぁ、えへへ」
ティア「ふふふ、ところでオーズベルト様」
にゃん吉「ん?」
ティア「そのお姿は何かと不便でしょう、よろしければお手伝いしますけど、いかがでしょう」
シロ「ん?話してもいないのにわしが何故この姿なのか分かるのか?」
ティア「もちろんです。では失礼しますね」
ティアはそう言ってにゃん吉の頭に手を置いた。
にゃん吉「何を!?」
ティア「これで大丈夫ですね、乱れていた『オド』の流れを正しい方向に導いておきました」
にゃん吉「オドとはなんじゃ?!なにか身体が…!むむむっ…」
にゃん吉の身体が変化する。
見る間ににゃん吉は人型に変化していった。
シロも、にゃん吉の変化を見て、
自ら人型に変化する。
人型になったにゃん吉
身長185くらい、
見た目は30代後半といったところだろうか、
神話の中の民族衣装のような服装に身を包み、
髪は白に薄っすらと縞模様と、
シロと同じ白虎の尻尾があった。
にゃん吉「こ、これは?!」
ソラ「凄〜い!爺ちゃん若〜い」
シロ「我が番よ、流石だ」
ティア「ふふふ」
にゃん吉「凄いのぉ、何でも出来そうな気分じゃわい」
ティア「ところで、龍人様はソラさんですよね?」
ソラ「えっあ、はいそうです」
ティア「龍人様になれるのですか?」
ソラ「はい」
ティア「なってもらえます?」
ソラ「あ、はい」
ソラは目を閉じる。
——ソフィアお願い——
雰囲気が変わる、ソラの空気が変わり、
ソラを中心に渦を巻いて髪を軽くたなびかせる。
髪は青味がかった銀髪に変化し、
龍人化が完了する。
パトリダ「こ、これは…」
ソラは目を開き、ティアをまっすぐ見つめる。
ティア「ソラ・スカイドラゴン様ですね」
ソラ「えっ」
にゃん吉「どうしてその名を!?」
ティア「分かりますわよ、その髪の色はスカイドラゴン家の特徴ですから。でも、どうして地上で龍人様になれるのか、そこは私にも分かりませんけど」
にゃん吉「ティアと言ったか、お主はどこまで知っておる」
ティア「どこまで?うーん、どこまででしょう?」
ティアは首を傾げる。
ソラ「世界樹は?世界樹がどこにあるかわかる?」
ティアはちょっと驚いたふうに目を少し見開いた。
そしてすぐに微笑みに戻り答える。
ティア「そうですか、ご存知ないのですね、世界樹はすぐそこにありますよ」
ソラ「えっ!?どこに!?」
ティア「聖域が世界樹その物なのです」
ソラ「へ?」
にゃん吉「そ、それはどういう…?」
ティア「疑問もあるかと思いますけど、立ち話も何ですから、座ってお茶でもいかがですか?」
……………………………………
ソラ達はテーブルに付き、
パトリダが用意してくれたお茶を囲む。
ソラの龍人化は解かれ、
いつものソラの姿に戻っていた。
ティア「パトリダ、ありがとう。さぁみなさん、時間はたっぷりあります、私が知ってる事をお話ししましょう。きっとみなさんの疑問も晴れると思いますよ」
つづく




