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天空のソフィア  作者: 髪白悠
第一部 ソラの旅編
29/39

第二十九話 玉手箱

 里に戻って来た一行。

 持ち帰ったアローエは早速調合に入りその日のうちに薬として配られた。

 

 そして翌日。


 長老ラスカ「本当になんと申し上げたら良いか、このご恩は、未来永劫我ら一族に語り継いでいきますじゃ。」


 にゃん吉「そんな大袈裟なものでもあるまい」


 長老ラスカ「いやいや、我ら一族は滅びる寸前でした。それを白虎様が救って下さった。正に救世主。どれほど崇み奉ろうとも大袈裟な事など微塵もありませぬ」


 にゃん吉「むむぅ」


 ソラ「むむぅ」


 サキオ「むむぅ、居心地悪いでやんすね」


 オト「そうだな」


 キノ「あたいらの性には合わないね、退散するよ」


 キノ達3人は立ち上がり退出していった。


 シロ「長老よ、我らも退散する」


 長老ラスカ「あ、ちょ、ちょっとお待ちくだされ」


 シロ「我が番は疲れておる」


 長老ラスカ「申し訳ありませんじゃ、今少しお待ちくだされ、ハリーよ、アレを持て」


 ハリー「はい、ここに」


 ハリーが持って来たものは箱だった。

 宝石箱くらいの大きさで、

 外装は黒く、相当な年月を感じさせた。

 しかしその割に豪華な飾り柄がはっきりと残っており、

 職人の技術が高い事が誰の目にも見て取れた。

 縦横に紐が掛けられ、蓋が開かないようになっている。


 長老ラスカ「これは我が一族に古くから伝わる宝でございます。これを白虎様に献上したくここに。納めて頂けたら、我ら至上の幸せでございます。」


 ソラ「だってさ、爺ちゃんとりあえず貰っといたら」


 にゃん吉「うむむ、そのような貴重な宝をわしが貰うわけには…」


 シロ「我が番よ、貰わんとこれは終わらないと思うぞ」


 ………………………………


 客室に戻った。


 キノ達は既にくつろいでいる。


 ソラの手には今しがた頂いた古い宝箱があった。


 サキオ「なんでやんすか?そのボロい箱は」


 ソラ「うん、なんか貰った。爺ちゃんこのボロい箱どうする?」


 にゃん吉「お主はまったく…。長老の話しでは、だいぶ古くから伝わる一族の宝じゃというとったが、古過ぎて中身は分からないらしいの」


 ソラ「開けてみる?なんか凄い宝が入ってるんじゃない?」


 シロに抱かれていたにゃん吉は、

 とんっと床に降りた。

 そしてソラと宝箱を見上げる。


 にゃん吉「開ける前によく見せてくれ」


 ソラ「うん」

 

 ソラがにゃん吉の目の前に宝箱を置こうとしたその時だった。


 テツ「おい!みんな元気になってきたぞ!」


 そう大声で言いながらテツが勢いよく戸を開けて入って来た。


 ソラ「きゃっ、あ!」


 テツに驚いたソラの手から宝箱が落ちる


 皆が見守る中、

 宝箱はにゃん吉目掛けて落ちて行く、


 ※ここからスローモーション


 サキオ「あああ、あーぶーねーでーやーんーすー…」

 ソラ「あ゙ーーーテーツー」

 キノ「あーーれーーー」

 シロ「わーがーつーがーいーー」

 オト「まーじーーかーーー」

 テツ「んーーーーー????」

 にゃん吉「ひーーーーえーーーーー」


 ※通常再生


 ガシャーーン!!


 見事ににゃん吉に命中した宝箱は、

 粉々に砕けてしまい、

 もうもうと白煙を巻き上げた。


 にゃん吉は白煙の中で見えなくなってしまった。


 にゃん吉「ゴホッゲホゲホッうわっぷ」


 ソラ「爺ちゃん大丈夫!?テツ!こら!」


 テツ「えっ俺!?」


 サキオ「テツが急に大声で入って来るから驚いたでやんすよ!」


 シロ「我が番よ!息を止めるのだ!今出すぞ」


 キノとオトは窓を開け、部屋に風を入れていた。

 もうもうと上がる白煙の中、

 シロは手を突っ込んで手探りでにゃん吉を掴みひきずり出した。


 にゃん吉「ゲホゲホッゲーーッホ」


 ソラ「爺ちゃん大丈夫?」


 ソラはにゃん吉の背中を摩りながら声をかける。


 にゃん吉「ふーっふーっみ、水を…」


 ………………………………


 やっと落ち着いたにゃん吉。

 もうもうとしていた白煙も落ち着き、

 サキオとオトとテツが掃除していた。


 ソラ「このバカテツ!もう少し落ち着きなさいよね」


 テツ「す、すまん。タマのとーちゃんかーちゃんに薬飲ませたら即効で効いてきたから、つい嬉しくてよ」


 テツは朝からタマに付き添って、

 タマの両親に薬を飲ませていた。


 サキオ「それにしても、一族でずーーーっと守ってきたというお宝が、一瞬で粉々でやんすよ、随分と脆くなってたでやんすねぇ」


 オト「そうだな、中身の確認もできゃしなかったな」


 キノ「確認も何も、煙しか立たなかったじゃないか」


 ソラ「それよりもさぁ、長老さん達に、何が入ってたんじゃ?とか、聞かれたらなんて言うの?」


 テツ「粉々になったんで履いて捨てましたぁ!あはは!なんて言えねーしな」


 ソラ「テツがいけないんだからね!」


 シロ「む?我が番よ、どうした?」


 にゃん吉「わ、分からん、なんか身体がムズムズするんじゃ」


 ソラ「えっ爺ちゃん大丈夫!?」


 サキオ「どうしたでやんすか?」


 にゃん吉「むむむ、むむむむ」


 オト「な、なんかでかくなってきてねーか!?」


 にゃん吉を抱っこしていたシロは、

 にゃん吉の異変に、堪らずにゃん吉を床に置く。

 にゃん吉の身体はプルプル震え、

 その身体はだんだんと大きくなっていった。


 にゃん吉「ぶるぶる、むむむ、なんじゃこれ、は!?」


 全員が身守る中、にゃん吉はみるみる大きくなり、

 ついには体長3メートルはあろうかと思う程に大きくなり、そこで止まった。


 にゃん吉「こ、これは!?」


 シロ「おお!我が番よ!見違えたぞ!」


 シロは人型から、本来の白虎の姿に戻り、

 にゃん吉に擦り寄る。


 シロ「ゴロゴロゴロゴロ…」


 テツ「う、うわあ!シロが!?」


 2体の大人の白虎がそこに居る。


 ソラ「爺ちゃん!シロ!」


 オト「こいつぁすげぇな」


 キノ「驚いたねぇ」


 サキオ「ほんとにすげぇでやんすね、なんて言うか、最強の二体でやんすね」


 ソラ「うん、これは最強だよ…」


 ソラは二体を前に震えていた。


 サキオ「ソラさん?」


 ソラ「こんな2人のもふもふ!最強に決まってるよーーー!!」


 ソラは言うや否や、にゃん吉とシロの二体に飛び込んで行った。



 ………………………………



 キノ「どうやらあの箱の粉を吸ったか浴びたのが原因だったようだねぇ」


 ソラ「爺ちゃんはもう身体の調子は何ともないの?」


 ソラはにゃん吉のもふもふを堪能しながら言う


 にゃん吉「うむ、特に問題はないのぉ」


 テツ「でも、この2人が出たら里中大騒ぎだぜ」


 シロ「問題ない。我らは変化すれば良いだけだからな」


 にゃん吉「わしも変化できるとは限らんぞ」


 シロ「出来ないのか?」


 にゃん吉「いやわしが聞きたいわーい」


 


 


 つづく

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