↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天空のソフィア  作者: 髪白悠
第一部 ソラの旅編
25/39

第二十五話 病原体討伐


 一行は、シロが知っているという流行病の原因を探しに獣人の里を出た。


 シロ「こっちだ」


 ソラ「こんな方に原因があるの?」


 サキオ「こっちは里の風上でやんすねぇ」


 シロ「そうだ。原因は風上にいて、胞子をばら撒き、いずれ獣人を苗床にして増える」


 にゃん吉「居るとは?まるで生き物のような言い方じゃな」


 シロ「言ってなかったか?原因はキノッピーという巨大なキノコの化け物だ。あれは少々厄介な奴なのだ」


 ソラ「えっ??キノコの化け物?」


 サキオ「キノッピーでやんすか?」


 シロ「そうだ」


 テツ「何にしても、子供を悲しませる奴は許さないぜ」


 オト「それはあれかい?幼女好きだからか?」


 テツ「なっ、そうじゃないだろ!」


 ソラ「タマちゃんの匂いは良い匂いだったのかなぁ?」


 サキオ「さすがにあっしもタマちゃんの匂いは嗅ぎに行けなかったでやんすよ、さすが変態でやんすね」


 テツ「もお!違うってばよお!」


 ソラ「あははは!」


 オト「くくく、弄り甲斐のある奴だな」


 テツ「ぐぬぬ」


 キノ「それより、なんだかあたいらにも匂いが分かってきたねぇ」


 にゃん吉「うむ、だいぶ強く匂うのじゃ」


 シロ「見ろ、キノコが増えて来ている。近いぞ」


 シロが言うように、辺りには様々なキノコがたくさん生えている。


 サキオ「こりゃぁ、ほとんど毒キノコでやんすねぇ、あまり匂いを嗅ぐのも良くないかもでやんすよ」


 テツ「そんな事言ったって、息してるんだからよ、匂い嗅ぐなって無理だぜ」


 ソラ「なんか気持ち悪くなってきたな」


 サキオ「大丈夫でやんすか?」


 シロ「この先だ。居るぞ」


 シロの指す方向には、白い靄が掛かっている。

 その靄の中心に、

 確かに何か居るようだ。


 にゃん吉「シロよ、どう対処するのだ?」


 シロ「奴は火に弱い。だが問題がある」


 ソラ「爺ちゃん、火の魔法で燃やしちゃう?」


 にゃん吉「そうじゃな。しかしキノッピーがどこかわからんぞ」


 キノ「も、もしかして、キノッピーってあれかい?!」


 ソラ達はずっと靄の中を見ていた。

 しかしキノが見る所は、

 明らかに視線が上の方を向いている。


 シロ「そうだ」


 ソラ「えっ?!あれ?!」


 にゃん吉「あれじゃと?!」


 オト「おいおい」


 テツ「まじで?」


 サキオ「問題があるって、この事でやんすか?」


 靄ばかりに気を取られ、

 気付かなかった。

 ソラ達にはとっくにソレが見えていたのだ。


 それは靄の向こうにあるように見えていた。

 靄が掛かっていて距離感が掴めなかっただけだったのだ。

 まるで遠くに見える山の様な物が、

 実はキノッピーだったのだ。


 ソラ「大きいいい!」


 ソラの相変わらずの能天気な声が響いた。

 そしてそれに反応するかのように、

 その山は動き出した。


 ごごごごご…


 シロ「アレは火に弱い。アレを焼く程の炎を出せる者はいるか?」


 にゃん吉「いや、軽く言うでない。アレを焼き払う程の炎魔法など、そうそう撃てる物ではないぞ」


 オト「姉さん!」


 キノ「にゃん吉さんや、二人でやってみるかい?」


 にゃん吉「キノか。そうじゃのぉ、先ずはやってみるかの」


 二人は同時に詠唱を始める


「「エニエール・エネール・エクリクス、火の神フォティアよ、汝の力を我が力に、目の前の敵を焼き尽くせ」」


 二人の魔力が一気に熱となって高まる。

 そして二人は同時に空に向かって手を掲げた。

 

「「≪エクスイグニシオン≫!!」」


 二人の発した炎がキノッピーへと襲いかかる。


 巨大なキノッピーは避ける素振りもなく、

 炎をまともに喰らった。


 ごおおお!!


 爆音が響き、

 熱を帯びた爆風が吹き荒れる。


 爆風はそこらに生えていたキノコを薙ぎ払い、

 ちょっとしたキノコの嵐を巻き起こした。


 テツ「ぐあっぺっぺっ、キノコが口に入った、なんて魔法だよ」


 サキオ「ど、どうでやんすか?!」


 爆風が収まり、辺りを覆っていた濃い靄が無くなり、

 視界がハッキリとする。


 そして、キノッピーの全容が明らかになった。


 キノ「な、なんだいあれは…」


 テツ「デカすぎだろ…」


 サキオ「キ、キノコでやんすよね?!」


 そう、正に巨大なキノコがそこにあった。


 高さ横幅、共に30メートルはありそうな巨大なキノコは、もぞもぞと地面をゆっくり移動しているようだ。

 そして、傘の裏側の無数のヒダの間から、

 白い靄が排出され出した。


 にゃん吉「あれ程の魔法を喰らわせたのに、どこかダメージを受けておるのか?!」


 テツ「こりゃぁデカすぎて手に負えないだろ」


 シロ「我もここまで巨大なキノッピーは初めて見るのだ」


 ソラ「くんくん、でもキノコが焼けた良い匂いするよ」


 にゃん吉「お主は…」


 サキオ「ぷっ、ははは、そうでやんすね、お腹空いて来るっすよ」


 オト「早い所何かしねぇと、また靄に包まれちまうぞ」

 

 キノ「そうさねぇ」


 ソラ「雷は効くかなぁ?」


 にゃん吉「やってみる価値はあるのお」


 ソラ「んじゃ、やってみる」


 そう言うとソラは刀を構えて龍人化した。

 そして詠唱を始める。


 ソラ「メーテオーローローギアー、雷神トニトゥルスよ、汝の刃を我が元に、その稲妻で敵を滅ぼせ…」


 ソラは魔力を込める。

 キノッピーの頭上には黒々とした雷雲が立ち込め、

 その雷雲の中では、バチバチと青白い光がスパークしていた。


 キノ「な、なんだいこの魔力は…」

 サキオ「す、すげ〜」


 ソラ「行くよ!エクスケラヴノス!!」


 言うや否や、凄まじい轟音を響かせ、

 眩い雷が何十本もキノッピーに突き刺さる。

 巨大キノッピーはたまらずに身を捩り、

 先程まで靄を排出していたヒダからは、

 ブクブクと泡を吹き出し始めた。


 ソラ「どお?!」


 キノ「なんて威力なんだい」

 オト「こんなの初めて見たぜ」

 シロ「これ程とはな」

 サキオ「さすがソラさんでやんすね」

 にゃん吉「しかし、まだ生きておるぞ!」

 テツ「でも見ろよ!縮んできてるぞ!」


 キノッピーはブクブクと泡を吹き出しながら、

 少しずつだが縮んでいた。


 にゃん吉「ソラ、まだ魔法は打てるのか?」


 ソラ「うーん、けっこう魔力込めたから厳しいかも」


 テツ「んじゃ、そろそろ俺の出番だな」


 テツはそう言うと剣を抜いた。


 にゃん吉「縮んだとはいえまだまだ巨大じゃぞ。剣でどうにかなるのか?」


 テツ「なあに、相手はたかがキノコさ、少しずつ削ってけばなんとかなるだろ。それにソラが煮てくれたしな」


 ソラ「煮た?」


 テツ「見ろよあの泡。ありゃぁ内部から沸騰して噴き出してる泡だろうぜ」


 オト「なら、俺達も行くぜ」

 サキオ「やんすね」


 ソラ「爺ちゃん行ってくる」


 にゃん吉「うむ」


 シロ「我も行こう」


 シロはにゃん吉をキノに預ける。


 キノ「あたいらはここで支援さね」


 ソラ「魔物成敗!とりゃぁー!」


 ソラはキノッピーに向かって突撃して行った。

 シロも無言で続く。


 テツ「あ!ずりーぞ!俺も行く!」


 サキオ「行くでやんす!」

 オト「ふんっ」


 キノッピーは多少縮んだとはいえまだまだ巨大だ。

 ソラは高くジャンプして傘の端に斬りかかる。


 ソラ「とりゃあ!」


 スパッと切れたが、分厚い傘を切り落とすには全然足りない。


 ソラ「むむぅ」


 その頃、キノッピーの頂上付近にシロが立っていた。

 シロは片手を上空に向け、詠唱を始めた。


 シロ「闇と冥府の神ハーデスよ、闇に灯る不滅の焔を我が手に…」


 シロは、ソラやテツ達が居ない辺りを見定め、

 魔法を放つ。

 

 シロ「地獄の焔≪ケオ・イーンフェルヌス≫」


 シロが上げた手の上空には、

 黒々とした焔が出来上がっていた。

 シロはその手を勢いよく誰も居ない前方に向けて振った。

 上空の焔はシロの手の動きに合わせるように動き、

 キノッピーの傘に落ちた。


 ごぉっ!!


 という音と共に焔が広がる。


 すると傘が揺れ出した。


 テツ「おっとっと、シロか、凄い魔法を放ってるなぁ」


 サキオ「地獄の焔でやんすね。さすがでやんす」

 

 テツ「あの青黒い火は消えないのか?」


 サキオ「消えるでやんすけど、なっかなか消えないでやんすよ」


 オト「おい、それよりこれからどうするんだ?傘に乗ったはいいが、剣でどうにかなる大きさじゃないぞ」


 テツ「なに、端から切り落としていけば良いのさ、10メートルくらいなら、なんとか切れるはずだ」


 そう言うと、テツは剣を正眼に構え、

 一気に振り上げる。


 テツ「飛剣!断頭斬!」


 重い踏み込みで足が沈む。

 ズバッと振り下ろした剣はその勢いのままに、

 テツの後方まで振り抜ける。


 すると傘の端っこが、切り落とされた。


 オト、サキオ「おおぉー」

 パチパチパチパチ


 ソラ「てかさ、全然埒があかなくない?」


 サキオ「そうでやんすねぇ」


 オト「やっぱり剣じゃどうにもならねぇな」


 テツ「今の俺の斬撃見たろ、なんとかなるって」


 ソラ サキオ オト「……」


 そこへシロが近付いてきた


 シロ「どうかしたのか?」


 ソラ「あたしやーめた、シロ戻ろ」


 サキオ「そうでやんすねぇ」


 オト「うむ」


 テツ「は?やめたって、何が」


 ソラ「ふん」


 サキオ「テツ、あとは任せたでやんす」


 シロ「よいのか?」


 ソラ「いーよ、あとはテツが全部やるってさ」


 シロ「うむ」


 テツ「へ?全部って?俺一人でか?!」


 オト「強くなりたいんだろ?良い修行じゃねぇか」


 テツ「な?!」


 一行はテツを置いて、キノ達がいる場所へと戻って行った。


 テツ「くっそー!やってやるよ!やればいーんだろ!!見てろーー!!」


 ---------------------


 テツ「はぁはぁはぁ、ど、どうだ…」


 テツの周りには切られたキノッピーの残骸がゴロゴロと転がっていた。


 森の夜は早い。

 そろそろ暗くなってくる頃に、

 ようやっと巨大なキノッピーは討伐されたのだった。

 

 

 

 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。