第十七話 御伽話
更新遅くてごめんなさい。
がんばって書いてます。
それは遥か昔。
まだ神々と人が同じ地に暮らしていた頃の事。
神々は人間を溺愛し、人々もまた、
神に対する信仰を待ち、感謝の気持ちでいっぱいでした。
そんなある時、
龍の神と人間の女性が恋に落ちました。
神々は人と神が交わる事に反対します。
しかし恋に落ちた二人には、
そんな声は届きませんでした。
仕方なく、神々は龍の神に約束をさせます。
龍の神が住んでいる地アルケアーディアとその周りのオウロス山脈、そこから今後、永劫に出てはいけないと。
龍の神は、それで人と結ばれるならばと、約束をするのでした。
やがて二人の間には5人の子供が産まれます。
子供達は上から、空、炎、風、土、氷と名付けられました。
龍の神と人との間に産まれたその者たちは人間とはかけ離れた力を持っていました。
人間達は彼らを龍人と呼び、恐れたのでした。
やがて龍人達は子孫を増やしていきます。
長い長い年月、龍人達はオウロス山脈から外に出る事は硬く禁じられていたのですが、ある時、とうとう外に出る龍人が現れてしまったのです。
それがきっかけになり、龍人達は次々と外に流れ出し、
ついには人間を蹂躙しだしました。
その時の龍人達は、それはそれは恐ろしい者達でした。
龍人達は、人間が自分達よりも遥かに弱い種族だと知ると、更に周辺を脅かしました。
これに怒ったのが神々です。
約束を守れなかった龍の神は封印され、
龍人達には呪いがかけられました。
オウロスから出た龍人は、
人間と同じ姿、同じ能力になるという呪いです。
神々はこれで良しとしました。
今後はこれで人間達は龍人に力で負けないだろうと考えたからです。
しかし、大地の神エザフォスだけは、それだけでは許しませんでした。
龍人達の住む、アルケアーディアごと、大地から追放したのです。
『そんなに外に出たくば、出れば良い。但し二度と大地を踏めると思うな』
アルケアーディアは、それ以来彷徨える大陸となってしまいました。
しかし、慈悲深い神、空の神ウラノスは嘆きました。ウラノスは龍人も大好きだったのです。
人間と龍人が仲良くできる事を、
密かに願っていたのです。
ウラノスはこっそりと木を植える事にしました。
いつか、人間と龍人の架け橋になるようにと、世界樹を植えたのでした。
そして、その後、
神々は第二の龍の神が現れるとも限らないと結論付け、人間達の側から離れ、見守る事にしました。
こうして龍人達から人々は救われる事になりましたが、同時に神々との交流も無くなったのでした。
――――――――――
にゃん吉「と、まぁこれがわしが文献を読んで記憶した内容じゃ。今伝えられている御伽話はだいぶ端折られておるようじゃ。ここまで詳しく知る事ができたのは、ほんとに僥倖じゃ」
ソラ「アルケアーディアがアルカディアなんだって事はなんか分るけどさ、でもそれじゃぁ世界樹の場所まで分からないよ」
にゃん吉「まぁ慌てるな。御伽話の後の解説にはこうも書かれていた。オウロスの跡地は大森林になっているとな。そして空の神と森の神はとても仲良しなんじゃそうじゃ」
ソラ「ん?分かんないよ」
にゃん吉「世界の大森林と言えばどこじゃ?」
ソラ「エイワの大森林」
にゃん吉「そうじゃ。エイワの大森林とは、森の神エイワから名を取ったものじゃ。そして神ウラノスは、こっそりと世界樹を植えたと記されとる。こっそり、つまり見つからないように隠したという事じゃ。木を隠すには森、世界樹を隠すのに大森林はもってこいというわけじゃ」
ソラ「なんかこじつけっぽくない?」
にゃん吉「いや、確かじゃよ。そもそも龍人と人間の架け橋との願いが込められた世界樹を、何の縁もない場所に植えたりするか?」
ソラ「そうか、言われてみれば」
にゃん吉「まぁ元々エイワの大森林に向かっていたんじゃ、これからはもっと希望を持って進めるというものじゃ。可能性はでかいぞ。あと、お主が見つけたその手記、それにも何かヒントがありそうじゃ」
ソラ「ほとんど読めないんだけどねぇ、でも龍人が優しい民族って書いてあるのは良かったかな。御伽話が間違ってると良いな」
にゃん吉「ふむ、御伽話の内容には矛盾してる部分もあるからの、間違いもあるかもしれん」
ソラ「矛盾?」
にゃん吉「龍人は、オウロス山脈から出ると呪いで普通の人間になると記述されている。確かにソラはわしが助けたあと直ぐに普通の人間と変わらない姿になった。それが神々の呪いによるものならば納得もするのじゃが……」
ソラ「じゃが?」
にゃん吉「ソラよ、何故お主は龍人に戻れるのじゃ?」
ソラ「あ」
にゃん吉「神々の呪いを破れるとすれば、それはやはり神だけじゃ。神でもないお主が何故龍人になれるのかのぉ、まぁ御伽話がどこまで真実を語っているのか、それこそ神のみぞ知る所かもしれん。」
ソラ「神のみぞねぇ」
ソラは苦笑した。
ソラ「まぁなんにしても、だんだん希望が湧いて来たよ!明日はいよいよエイジャタウンに向けて出発だね」
にゃん吉「そうじゃな」
……………………………………
翌朝。
ソラは身支度を整えて街に出た。
目指すは領門だが、王都は広い。
領門までけっこうな距離がある。
なるべく目立たないようにしたいところだ。
注目されている訳ではないのに、
つい人目が気になってコソコソしてしまうソラ。
そんなソラに声がかかる。
「そんなコソコソしてたらかえって目立つでやんすよ」
ソラ「えっ?!」
思わず振り向くと、そこにはサキオをはじめとする、キノとオトもいた。
どこか申し訳なさそうな表情をしている。
ソラ「ななな、なんですか?!」
つい、コソコソしていたソラは慌ててしまった。
キノ「せ、先日は、その、悪かった、です」
オト「俺たち、その、一般人を巻き込むなんてしたくなかったんだ、です」
それを聞いたソラは、ちょっとカチンとした。
ソラ「あのですね、私も一般人…」
にゃん吉「ふざけるな!貴様ら何をしたか分かっておるのか?!ソラは命を落とすところじゃったんじゃ!!」
ソラの言葉を遮り、怒りを露わにしたのはにゃん吉だった。
にゃん吉「ダンジョン災害など起こしおって、貴様らの行いは万死に値する!」
キノ「ひっ」
オト「ほ、ほんとにすまねぇ」
サキオ「わざとじゃないでやんす!すまねぇでやんす」
「なんだ?揉め事か?」
「あの猫喋ってない?」
ざわざわと道ゆく人々の話し声がする。
ソラ「ここじゃ目立つので、領門に行きます!」
キノ「領門……」
オト「姉さん、腹括りましょ……」
キノ「そうだねぇ……」
サキオ「やんすね……」
領門には門兵や騎士団がいる。
3人は捕まる事を覚悟したようだ。
……………………………………
重い空気の中、ようやく領門に着くと、
マリアーノが出迎えてくれた。
マリアーノ「む!お前達は!?」
ソラ「なんかお話しがあるみたいなんで、連れて来ちゃった」
にゃん吉「ふん!聞く事などないわ!」
キノ「もう私ら覚悟決めたのさ。でもその前にどうしても伝えなきゃならない事があるのさ。騎士団長さん!」
マリアーノ「む!ここではなんだ、中に入れ」
ソラをはじめとする全員が、
領門の施設にある一室に通された。
以前ヨイタウンでソラが通された部屋とよく似ている。
3人組は神妙な面持ちだ。
時折りサキオがソラをチラ見てくるが、
やはり申し訳なさそうだ。
そう言えば、ダンジョン災害の時、
ソラはこの女性から助けてと言われたのを思い出した。
マリアーノ「それで、話とはなんだ?」
キノ「魔物が、魔物が攻めてくるのさ!」
キノは意を決したように、真っ直ぐマリアーノを見てそう言った。
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白村
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