13話
牢の中で過ごす事数日間。
8日くらいはたっただろうか?
ルベライトは兄の折檻で気を失って、目覚めると小さな
鉄格子から漏れる明かりで今が日中である事を知る。
折檻中は宙吊り状態であったせいか腕に嵌められた金属
が体重を支えるせいか擦り傷を作っていた。
夜は硬く冷たい床に気絶するように捨て置かれるせいか
起きた後も全身の痛みで目が覚める。
終わりのない拷問めいた折檻はアカデミーが始まる頃に
は終わりを告げるだろう。
それまでの辛抱だと自分に言い聞かせると、毎日を耐
えていたのだった。
そんなある日。
兄のコーラルの機嫌がすこぶる悪かった。
「お前のような奴がいるから……聞いてるのか?」
いつも言いたい事だけを言って、暴力を振るうので
何を言っていても聞き流す事にしている。
何を言っても、無駄だからでもある。
だが、今日に限って兄の怒りは治らなかった。
いきなり鎖が緩むと引きずられるように壁に押し付け
られると土属性魔法で拘束されたのだ。
「な……何を……」
「焦るなよ…お前には鞭は効果がないと思ってな」
そういうと股を開かせると固定され、男の急所とでも
言える場所を曝け出された。
「お仕置きにはいいだろ?」
「なっ………」
一瞬、何を言っているのか理解できなかった。
固定された性器に錘を乗せ始めたのだ。
「いぃいっ、やめっ、やめてください……お願い
お願いします。やめて……」
「いいきみだな、もっと泣けよ、泣き叫べよ」
兄のコーラルはこれ見よがしに錘の重さを増やし
ていった。
ルベライトはあまりの痛みに、耐えきれず意識を
手放したのだった。
次に目が覚めた時には、目の前がクラクラと揺れて
いた。
固定された身体はずっと同じ姿勢でいるせいか凝っ
て痛い。
そして、目の先………。
股の間には自分の潰れた部位から出た鮮血で染まっ
ていたのだった。
(あぁ、こんな事されてたなんて書いてなかったの
に……違うか、小説と違う事をした罰なのか……)
シトリンを虐める事をやめて、タンザナイトには
自分以外の優秀なアレキ・サンドライトをあてが
わせた。
アメトリンと仲も良好に取りもった。
いつも突っかかってくるインペリアルト・パーズ
を除けば他の攻略者とは良好な関係を築けたと思
うだろう。
それがそもそも間違いだったのだろうか?
ルベライトはただただ、悲しくて涙する事しかでき
なかった。
再び、目を覚ました時には、どういうわけかベッド
の上で眠っていた。
身体は上手く動かないが、それでも超えだけは聞こ
えた。
「………もう切るしか助けるのは無理です」
「何を言っている?さっさと治療をせいといって
おりだろう?」
「もう、切除せねば、治療は無理です。それに衛生
上でもこのままつけていても……腐っていくだけ
です。身体の末端だけならまだいいですが、この
ままですと、全身も……」
「ええい!黙れ!こやつを連れていけ!」
父の怒鳴る声に、何人もの医者が匙を投げた。
聞いているだけでも想像は着く。
きっと、あそこの事だろう。
潰れたまま不衛生な場所に放置されたままだったのだ。
見るもの怖いが、ルベライトは誰もいなくなったのを
確認するとゆっくり起き上がった。
少しずつだが、身体を動かすと自分の下半身をそっと
確かめた。
手で触った感じは萎んだ何かがついている程度だ。
だが、問題は触っているのにその実感がない事だ。
ぞぼんを恐る恐るおろすと目で確認する。
確かに、萎んだ風船のようなものがついているように
見えた。
「ぅっ……」
だが、問題はその色でもあった。
黒ずんだ色の性器を見て、吐きそうになった。
腐りかけていると表現しら理由が理解できたのだ。
もしこのままつけていれば、いずれ身体の方にも害
があると、医者達は口を揃えて言っていた。
幸い、痛みはない。
多分、もう痛みを感じないのかもしれない。
なら、やることは一つだった。
魔法で氷を作ると患部に当てる。
紐で根元をぎゅっと縛ると、近くの果物ナイフを
掴むとその部分にあてがった。
手に力が入らない。
途中で中断なんてできない。
布を噛むと一気に押し切ったのだった。
痛みはさほどない。
だが、血が飛び散るとベッドを鮮血で真っ赤に染めた。
もう後戻りはできない。
ただ、生きていたい。
そう思うなら仕方がない事だったのだ。
自分に言い聞かせるようにその場に倒れたのだった。
数分後に様子を見に来たメイドの悲鳴によって、発覚
したのだった。




