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4話

パーズ子爵家では、インペリアルトの行動に対して

怒りの手紙が届いていた。


平民にも優しく、領民とはいい関係を常に築いて来

たパーズ子爵家は誰からも慕われるほどに温厚な性

格の息子や娘達が育っていた。


その中の長男で今年ジュエリーアカデミーに入学し

たのはインペリアルト・パーズという赤髪の青年だ

った。


いつもよく一緒にいた青髪の青年のシトリンと共に

この国屈指の名門学校への入学を決めたのだ。

それはもう、誇るべき事だった。


ただ、それも問題を起こさなければ………だ。


入学早々、同じ貴族で子爵家の人間を燃やして殺し

てしまうところだった。


それだけではない、最近では両殿下から告訴状まで

来たのだ。


またもや同じ人間を見殺しにするという過ちを犯し

たというのだ。

それも、シトリンを助けた相手を殴って死なせかけ

たというものだった。

それは本人も認めており、謝罪と賠償金の要求まで

されたのだった。


このままでは家は爵位すら危ういと考えたのだった。


3年への進学前に一ヶ月だけ家に帰ることがある。

それを機に、しっかり教育を施そうと考えたのだった。


「リンは実家に帰るのか?」

「アルトは帰るんでしょ?」

「あぁ、流石に帰らないと……やばいな」

「お父さん、怒ってるって?」

「あぁ、多分……」


インペリアルトの父からの小言が書かれた手紙を握り

潰すとため息を漏らした。


「僕は帰らないかな。もしお父さんとお母さんに会っ

 たら手紙を渡してくれないかな?」

「自分で渡せばいいだろ?馬車も一緒帰ればいいし?」

「そんな迷惑になるでしょ?それに、僕は卒業まで帰

 らないって決めてるんだ」


シトリンは学費免除してもらっている分、勉学をおろ

そかにしたくないと言ったのだった。


インペリアルトはどうしても首席を取る事は叶わない。

だから、ほどほどの順位で満足している。


だが、平民であるシトリンはそうはいかない。

入学金や、授業料を払うだけのお金はないのだ。


成績が出ると、その日はそのまま帰宅となる。

そのまま貴族達はその足で実家に帰る人が多い。

シトリンはそのまま寮に残ったらしい。

他の平民達も路銀を節約する為に、家には帰らない

様だ。


インペリアルトは一旦寮によって荷物を持つとすぐ

に実家の屋敷へと向かった。


その日の夜には到着したのだった。

出迎えは執事とメイド達だけだった。


「お帰りなさいませ、坊ちゃん」

「ただいま、もう坊ちゃんはやめてくれ」

「いえ、坊ちゃんは坊ちゃんです。それと、旦那様が

 お待ちです」

「あぁ……分かっている」


父の書斎へと向かうと、まだ明かりがついていた。

軽いノックをすると、中から父の声が響いて来た。


「入りなさい」

「はい。ただいま戻りました」


インペリアルトは静かに息を吸うと気を引き締めて

ドアを開けたのだった。


中には父が一人書類と睨めっこしていた。


「アルト、来たか」

「はい、父上」

「なぜ呼ばれたか、分かっているのか?」

「はい……大変申し訳ありませんでした」

「分かっているなら、なぜお前はそう短期なんだ。

 向こうは同じ子爵でタンザナイト殿下がバック

 にいるそうじゃないか?最近ではアメトリン殿

 下とも仲がいいと聞いたぞ?」

「はい、その通りです。ですが、あいつが先にリン

 に手を出したんです!ですから……」

「言い訳はいい。謝罪もまだ出来ていないと聞いたが?」

「それは……」


父の言葉に、インペリアルトは言葉を濁すと俯く。

最近はずっとリンや殿下達がそばにいたので謝る機会を

無くしていた。


別に謝らないと言っているわけではない。

ただ、タイミングがなかっただけなのだ。


それを言ったが、一蹴されたのだった。


「詫びの品は用意した。明日の朝、直接謝罪してこい」

「ですが、父上」

「謝罪をするまで帰ってくるな、いいか?相手が何を

 言って来ても絶対に受け入れると答えるんだ?いい 

 な?絶対に許されるまでは帰ってくるな!」

「それでは、何を言われるか分かったもんじゃ……」


それ以上何も聞く気がないとでもいう様にドアの方

を指された。


これは、無言で出ていけという父の仕草だった。

あの日以来、ルベライトとは話せていない。


確かに昔のような嫌味ったらしいルベライトではない

気がする。

それでも、根が変わるわけではない。

別人にでならない限りは許されるとは思えなかった。


渋々、荷物を整理すると馬車に積み込むように指示を

したのだった。


朝一で馬車に乗ると、そのままファールマン子爵家

へと向かったのだった。








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