3話
まるまる2週間、ルベライトと連絡がつかなくなった。
「アレキ、そろそろ帰ってきてもいいだろ…」
「昨日も同じ言葉を言っておいででしたよ」
「そうか?だが、遅くないか?ルベライトが実家をあま
りよく思ってないのは私が一番よく知っている」
タンザナイトは全く帰ってこないルベライトを心配して
いた。
アレキはそんなタンザナイトを眺める、コホンと咳払い
をした。
「弟殿下がルベライトを后に迎えれば、諸外国にはこの
国が揉めることもなく継承されると示せるはずです。
男を娶れば継承権から離脱したと思う人も多いでしょ
うからね」
「それはルベライトを私の伴侶として迎え入れるという
事か……」
タンザナイは少し悩むとアレキに感謝した。
「確かにな、私は兄さんの邪魔をするつもりはないし、
この国を継ぐつもりもない。一部の貴族が私をと推
しているようだが、全く王太子の座に興味はないか
らな」
「では、それを示すにはいい機会かと」
「だが、アレキはそれでいいのか?私が王位につくと
思って側近騎士を願い出たのだろう?」
タンザナイトのその言葉にはアレキは苦笑いを浮かべた。
アレキ・サンドライトも子爵の出だ。
だから、親から散々言い聞かされてきたのだ。
次期国王候補騎士となれと。
だが、それは親の意向であって自分の意見じゃない。
最初は頑なにタンザナイト殿下は側近も騎士も受け入
れてはくれなかった。
だから半ば諦めかけていたが、ルベライトがそれを変
えたのだ。
彼の一言でタンザナイトの側近騎士になれた。
いつも側にいる事を許される立場になったのだ。
昔は邪魔でしかなかったルベライトは今では感謝すら
している。
ずっと見て来たタンザナイト殿下はどうにもルベライト
をいたく気に入っている様子だ。
ルベライトはそうではないのかもしれないが、これは
間違いなく恋心だろうと判断できたのだ。
だから、情緒不安定な殿下に進言したのだ。
今のルベライトならきっと上手くやれる。
なぜか直感がそう訴えかけていたからだ。
もし、そうならなくとも、代わりに自分が……。
「………?何を考えているんだ俺は…毒されたか」
アレキは眉間に皺を寄せるよ今頭に浮かんだ事を
かき消したのだった。
「よし!馬を用意するように伝えてくれ」
「かしこまりました」
アレキはさっきまでどんよりしていた空気を纏って
いた殿下が生き生きしている事に少しホッとした。
「やはり、タンザナイト殿下のそばにはルベライトが
居ないといけませんね」
なぜか納得してしまっているアレキがいたのだった。




