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6話

夢で幼い少年が泣いているのが見えた。


その少年は茶色の髪をした幼い少年だった。

彼の取り巻く環境はあまりにも残酷だった。


彼の母親は下町の飲み屋の娘だった。

いきなり現れた暴漢に襲われている所をたまたま

通りかかった子爵様に助けられた。

それ以来、子爵様はよく店に来るようになった。


暴漢事件より数ヶ月してお腹の子供に気づく。

愕然とした娘は途方に暮れた。

そんな時、子爵様から結婚の申し込みがあった。


事情を話し諦めて貰おうとしたが、子爵様はそれを

も受け入れると言ってくれた。


こうして、後妻として子爵家へと入ったのだった。

兄のコーラルとは母親が違うが、仲が悪い訳ではな

かった。

幼い時はよく遊んでもらったし、一緒にいる時間が

多かった。


だが、ルベライトには秘密があった。

茶色の髪に黒い瞳。

これは母から絶対に誰にも知られてはいけないと念

を押された事だった。


貴族の子供は5歳になると女神の恩恵を受けに神殿

へと行く。

ルベライトも皆と同じように神殿へと行った。


そこで闇魔法の片鱗を見たのだった。


誰もが目を疑った。

子爵家の子供が闇魔法などあってはいけない事だった

からだ。


ゲームでいえばたかが属性なのだが、この世界では

それだけに終わらない。


神殿では極秘裏にその場にいた子供達の口封じを行

った。


それは記憶操作という高度な技術だった。

それでも途中で思い出されても困ると子爵様はある

事を命じたのだった。


それは、ルベライトと一緒に儀式に参加した子供達

の抹殺だった。


ルベライトは仲良くしていた友人がいきなり失踪す

るという事件に心痛めていた。

それも、一人ずつ、消えていくのだ。

騎士団も捜索に駆り出されたが、犯人は愚か子供も

一人として見つからなかった。


そんなおり、湖の畔でルベライトと一緒に遊んで

いた子供の髪飾りが見つかった。

それには血が染み付いており、ルベライトは怖くて

誰にも話せなかった。


魔法の使えない役立たず。


そう噂されるようになったルベライトは剣術に打ち

込んだのだった。


簡単な土魔法が使えるようになった時には、髪も真

っ黒く染まってしまっていた。

そこでタンザナイトと出会った。


いつも一人でいるルベライトに新しい光を灯した瞬

間だった。


「ずっと一人でいるつもりか?私についてこい。

 この世界の頂点から見下ろす景色を一緒に見よ

 う。君の名はなんというのだ?」

「る……ルベライト…ルベライト・ファールマン」

「ルベライト、これからは私のそばにいろ」


そうやって、一人ぼっちだったルベライトは、

タンザナイトによって陽の当たる場所へと連れ

出されたのだった。







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