42話
ルベライトは暫くタンザナイトの暮らす屋敷から
アカデミーへ通う事となった。
寮には少ない荷物が残っていたが、必要な物はほ
とんど持ってきた。
一緒の寮だったシトリンは寂しがったが、ルベラ
イトが毒を盛られた事をアレキが話した事で、納得
してくれた。
「毒を盛られたって、大丈夫だったの?まだどこか
苦しいところはある?」
「シトリン、心配してくれてありがとう。でも、もう
大丈夫だから」
「でも……やっぱり僕みたいな平民と一緒にいるせい
なのかな……」
しょんぼりするシトリンは、本当に心配しているのだと
わかる。
本当なら、シトリンが媚薬を盛られてタンザナイトと
一夜を過ごすはずだったのだが、どう間違えたのか、
それをこのルベライトに盛ったのだ。
迷惑な犯人だ。
「俺は大丈夫だから、シトリンも気をつけろよ」
「ルベライトくんも気をつけてね、僕は大丈夫だよ。
心配性のアルトが側にいてくれるから」
そういえば、インペリアルトの片想いだったのを思い
出す。
物語りのシトリンはしたたかで、人の扱い方が上手か
ったのだ。
ルベライトはそんな彼が嫌いだった。
いつもタンザナイトやアメトリン、アレキに、インデ
ィゴライトを引き連れて、中心にはいつもシトリンが
いたからだった。
全員と仲良くなると、全員分の魔力と属性を使えるの
でもう最強と言っても過言ではなかった。
「なぁ、シトリンは好きな……いや。気になる人は
いないのか?」
「気になる人?勿論いるよ!ルベライト君の事すっご
く好きだよ。僕の事守ってくれるし、信頼できるし」
「そういう事じゃなくてだな……//////」
面と向かって言われると照れくさい。
それに主人公に言われると、それはそれで恥ずかしい
のだった。
そして、物語りの中というだけあってかみんな美形だ。
ルベライトでさえも、嫉妬に狂った悪役令息だという
のに無駄に顔がいいのだ。
主人公のシトリンなど、女の子と言われても納得して
しまうほどに可愛い。
現実だったら、男だろ?
と思うところだが、この世界では男でも「ありかも?」
と思ってしまうほどだ。
何事もなく、早くタンザナイト殿下の卒業まで行きたい
ものだと思うばかりだった。
断罪イベントは、ルベライトが2年、タンザナイトが3年
の卒業を迎える日だ。
もう後一年半と迫っていた。
シトリンは誰とも心を通わせていないし、力も平凡その
ものだ。
逆にルベライトの方が、シトリンの絶対の信頼と、アメ
トリンの側近騎士のインディゴライトの信頼を得て魔力
も、属性も使えるようになっていたのだった。




