41話
身体に溜まった熱は暫く抜けず、苦労したのだった。
「これ、絶対に嫌がらせだろ?誰だよあんなもの飲
み物に混ぜたのは……くっそぉ〜」
ルベライトは苛立たしげに着替えながら部屋をでよ
うとドアに手を伸ばした。
ドアは勢いよく開くと目の前の壁に顔をぶつけた。
「わふっ!」
「大丈夫か?ルベライト」
「だいひょうぶです……?」
顔を押さえながらチラリと前を見ると、そこには
タンザナイトの姿と後ろにはアレキ・サンドライト
が控えていたのだった。
「殿下?」
「ルベライト、家に帰る必要はない。これからは
ここから通えばいい。わかったね?」
「……は?殿下一体なにを言って………」
「それと、さっきの言葉のことで話があるようだ。
アレキ、部屋の外を見張っていてくれ」
「わかりました」
腕を掴まれるとそのままずるずると中に引き戻され
たのだった。
「俺には話なんか……ないけど……」
「私にはあるよ。そう、ルベライトに薬を盛った犯人
のこととかね?命に別状はなかったようだが……」
にこやかに迫られると、これはこれで結構怖かった。
顔が整っているだけに凄みがあるように感じたのだ。
「タンザナイト……殿下……あの、近いです…」
「私がどうしたんだい?」
「いえ……あの……」
ソファーに座ると、自動的にメイドがお茶を運んで
出してくれる。
ルベライトはお茶眺めると、顔を顰めた。
タンザナイトの手がティーカップを取ると口に運んだ。
「あっ……」
「やっぱり、お茶の方に何か仕込まれていたみたいだな」
「………」
「何があったか話してくれないか?……ルベライト」
耳元で囁かれると、破壊力この上ない。
「食べ物の方には……何もなかったというのはわかって
たんです。出店では誰もが買ってその場で食べるので
何か仕込んでいたら、きっと他にも被害が出たはずで
すから……それならと、一気に飲んだお茶の方かと」
「そうか……で?症状はどうだったんだ?身体が熱かっ
ようだが?」
「……それは………飲んでから喉がカラカラに乾いて…
身体が火照ってきて……えーっと、ソコが苦しくて…」
顔を真っ赤にして言いづらそうにいうルベライトに
アレキはハッとして顔を背けた。
その行動にいくら鈍い人でも理解してしまった。
タンザナイトは顔を真っ赤にするルベライトの反応
に怒りをあらわにした。
「媚薬か………」
「多分ですが、興奮剤とかそういう物かと……」
「だが、お茶なら私も飲んだが…」
「それは……きっと俺に恥をかかせるつもりか、もし
くは………」
これ以上は口には出さなかったが、多分伝わったのだ
ろう。
そして、ルベライトを邪魔に思う物はアカデミー内に
も、今回の来賓にもいるのだった。




