30話
誰にでも平等で、平民にも差別をしない。
そんなルベライトを良く思う人は以外と多かった。
王立ジュエリーアカデミーには今年から平民が入る
ようになったせいかどこのクラスでも平民はバカに
され蔑まれてきた。
だが、ルベライトのいるクラスだけはそれが許され
なかったのだ。
平民であるシトリンはルベライトにべったりだし、
男爵位であっても、普通に話しかけてもルベライト
は無碍にはしなかった。
ただ、他の高位貴族に睨まれるのが怖くて遠巻きに
見ているしかないのだ。
だが、最近のルベライトはタンザナイトだけでなく、
アメトリンにも好かれてるいるらしいと噂が流れた。
その原因を作ったのはアメトリンだった。
事ある毎に一年のクラスに尋ねて来ては皆の前で
ルベライトを攫っていく。
これが原因で、王族のお気に入りなどという不名誉
な称号をいただいてしまっていた。
授業が終わると、今日もアメトリンが廊下で鼻歌
まじりにこちらを見て手を振っている姿が見えた。
「また………」
「アメトリン殿下もルベライト君がお気に入りなん
だね〜。やっぱり誰にでも優しいから仕方ないね」
「シトリン、それ嫌味か?」
「違う違う、僕もルベライト君の事、大好きだもん」
ニコニコしながらシトリンが言うと、少しホッとす
るのだった。
これが主人公補正なのだろうか?
「ルベライトくん、さぁお茶でも一緒にどうかな?」
「……すぐに行きます。ですが、シトリンも一緒でも
いいですか?」
「勿論構わないよ、人は多い方が楽しいからね」
本当に人たらしとは、こういう事を言うのだろう。
目上の人から誘われたお茶会は身分が下であれば断
るのは失礼な事だった。
この人は断れない事を知っていて毎回誘っているの
だった。
「では、今回は私も一緒に行っても文句はないな?」
「あれ?珍しいね、タンザナイトも来るのかい?勿論
いいよ。ルベライトくんを取られると思って焦って
いるのかい?」
「…お前が毎日誘うせいでルベライトと話す時間が取
れないのだがな」
睨みつけるタンザナイトを面白がるようにアメトリン
は笑いながら立ち去っていった。
タンザナイトを見たのは久しぶりな気がする。
それでも、今は言葉を交わすでもなく、ルベライトは
シトリンと一緒に教室を出たのだった。
お茶会といっても正式な場ではない為、制服のままで
行っても問題ない。
日にちを変えて呼ばれた場合は正装での参加が常識だ
が、平民のシトリンには正装など持ち合わせてはいない。
1着あるはずだが、それは銀糸の刺繍が鮮やかなタン
ザナイトにアピールするために作った1着だった。




