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28話

最初に紹介されたのは、ルベライトを治療してくれた

スライムを育てた人だった。


「これが人間に無害のスライム。かいごちゃん」

「そのまんまの名前なんですか!」


つい、言葉を挟んでしまった。


「ゴホンッ。では、この子の力は怪我を負っている人

 の治療がメインです。では、ここに切り傷があると

 この子はどうするかですが…」


傷を見せるとスライムは近づいていってくるんっと

くっつくと身体から液体をだして擦りつけたのだった。


ポロンッと離れた頃には、綺麗さっぱり傷がなくなっ

ていたのだ。


「この通り、綺麗に傷を食べてくれるのです。この前

 ルベライトくんが自ら体験したように大きな傷にも

 対応可だと分かったわけですが……」


皆の視線が一成にルベライトへと向いた。


「あの時の感想が聞けていなかったので、ぜひお願い

 します」

「あの時って……あれは…ちょっと////////」


恥ずかしくて自分の口からは言いずらかった。

散々痴態をさらしたのだ。

これ以上の辱めは精神的に辛いのだった。


「まぁまぁ、その事は君たちがしっかり見て観察日記

 をつけていたじゃないか?これ以上ルベライト君を

 困らせてはいけないよ?」

「そうですね。ノートを読む事で納得しましょう。では

 次の実験に移ります」


そういうと、興味が失せたかのように次の生物の構造

から説明し始めたのだった。


「彼らも悪気があったわけじゃないんだ。許してくれ 

 るかい?」

「はい、俺もあのスライムのおかげで助かったので…」

「そうだろう?本当にすごいよね?傷以外にも外傷、

 内傷にもしっかり効くというのがすごいところなん

 だよ。それと面白いのが、このスライムはお互いが

 重なると、そのままくっつき大きくなるというんだ

 よ?ルベライト君の治療の時のように大きくなれる

 んだ」


そう言われてみれば、あの時のスライムは大きかった

気がする。

全身を覆われ、身動きさえも封じられたのだ。

勝手に手足を動かされたり、全身がこそばゆくなった

りと動作毎に全身を撫で回されるような気分にさせら

れたのだった。


それでいて、力も強くもし、このまま口を塞がれたら

とっくに死んでいただろう。


シトリンにはルベライトが怪我してそれを治したのが

この特殊なスライムだと簡単に説明した。


「もう、すごいですよね!では、これから中庭で離し

 てみましょう!」


そう言いながらぞろぞろと移動を始めたのだった。


「あの、俺たちはこれで……」

「あぁ、またおいで。君たちはいつでも歓迎だよ」


アメトリン殿下の気さくな態度にシトリンも話や

すいようだった。


だが、油断してはいけない。

彼はかなりの曲者なのだ。


タンザナイトをはめて死刑に追いやったのも彼だっ

たはずだから、どこかで仕掛けて来るだろうと今

も警戒しているのだった。


ルベライトは中庭を通りすぎると寮へと向かう。


「ルベライト君、今日の宿題一緒にやらない?」

「いいなら、俺もその方が助かるよ」


好感度がMAXなせいかシトリンはルベライトを

全く疑っていない。

シトリンの幼馴染みのインペリアルトがいつも

ルベライトを見ては威嚇している理由が分かっ

た気がした。


シトリンがあまりに無防備過ぎるからだった。









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