25話
実際、タンザナイトの犯人探しは順調だったとい
えた。
インペリアルト・パーズが来て、自分のしでかし
た事を包み隠さず話したからだった。
シトリンという平民を護りたかったからと言った
が、実際はルベライトを信用していなかったとい
う事が大きいのだろう。
そもそも、アカデミーに入る前にもインペリアルト
はルベライトを知っているからなのだろう。
貴族同士は色々と会う機会が多いのだ。
確かに、インペリアルトが言っていたようにルベラ
イトは最近変わった気がする。
タンザナイトさえもそれには同意だった。
昔のルベライトはタンザナイトに逆らわず、常に自
分がという性格だった。
どんな時にも側にいて、何かあるとすぐに察して動
くような青年だった。
だが、今のルベライトはタンザナイトから距離を
置くようにしている気がする。
ましてや、側近候補と思われていたアレキにさえも
敵意を向けていたはずなのに、「殿下の事をお願
いします」と言っていたというのだ。
それに一番不思議だったのは、この前タンザナイト
に説教した事だった。
「あいつはいつのまに、私に説教するようになった
のだ」
「殿下、ルベライト殿から最近敵意は感じられなく
なりました。それにルベライト殿の兄君はアメト
リン殿下に仕えているとか…」
耳打ちするようにアレキ・サンドライトが言うと、
なんとなく納得した気がする。
親から言われたのだろう。
そして、タンザナイトではなく、アメトリン派に
属するという選択をしたという事だろう。
それには、次男がタンザナイトの側にいるのは都合
が悪いとなったのだろう。
「私からルベライトを奪うつもりのようだね……
全く困った親だな」
「どういたしますか?」
「他っておけばいい。それよりもやる事が沢山ある
からな。私は忙しいのだよ」
後の事はアレキに任せると、自分の仕事をする事
にしたのだった。
♦︎♦︎♦︎
ぐっすり眠ったあとは、実にすっきりした。
いつのまに部屋で眠ったのかは覚えていないが、
きっとあまりに疲れていて倒れ込むように寝たの
だと解釈した。
「んんっ〜〜〜しっかり眠ると気分がいいなぁ〜」
背伸びをすると起き上がった。
食堂で軽い軽食を食べると、今日はのんびり過ごす
事にした。
授業はあるが、怪我のせいで休むと連絡を入れてお
いたのだ。
寮の中は誰もいないのか静まり返っている。
中庭のベンチに腰掛けると、いつも昼にはタンザナ
イトがここに座って、それを見る為にとルベライト
は急いで来たのを懐かしく思う。
「タンザナイト殿下………」
「なんだ。ここにいたのか?」
「殿下っ……どうしてここに…」
「私は公務もあるからな。授業を受けながら緊急事は
免除されるんだ。知らないわけではなかろう?」
「………」
確かにそれは知っている。
今は、橋の破壊に携わった事件の調査をしているのだ
ろう。
「公務中なのでしたら、どうしてこちらに?」
「ルベライト、お前に会いに来たんだ」
「……っ…………」
「なんてな。私はそう暇じゃない」
「そう……ですよね。では……」
慌てて立ち去ろうとするのを引き止めると、タンザ
ナイトはじっと見つめてくる。
「あの……殿下……」
「まだ、ここにいてくれないか?」
「………はい」
あまりに整った顔で見つめられると、男だよいう事
を忘れそうになるのだった。
すると、もう一人の王族が中庭に姿を見せたのだった。
「これは、昨日ぶりだね?ルベライト君、身体はどう
かな?実験の結果は実に良かったよ」
「はい…痛みも違和感もないです」
「それはよかった。それと、少し話もしたいのだが
いいかな?」
「それは……わかりました」
タンザナイトの前で言う事ではないと理解すると立
ち上がった。
「待ちなさい。アメトリン。悪いがルベライトを連
れていくのは容認できないな」
「タンザナイトは彼に甘えすぎじゃないのかい?そ
れとも、彼と一緒に聞くかい?」
「何を話すと言うんだ?」
「あれ?タンザナイトは知らないのかい?橋の事件
の黒幕について…」
「!?」
その言葉にタンザナイトは驚きと悔しさを感じていた。




