23話
部屋の前に座り込むインペリアルトの姿にルベライト
は嫌そうな顔をした。
色々あり過ぎて丸一日眠れなかったのだ。
治療という名目で身体中を夜通し撫で回されていた
せいで眠るに眠れなかった。
確かに身体は回復したが眠気がすごかったのだ。
「どうしてここにいるんですか?インペリアルト先輩」
「それは………いや、それより悪かった。シトリンから
言われたんだ。だが、俺はまだお前が仕組んだと思っ
ているからだな……」
「どいてもらえます?部屋、入れないので」
「話中だろ……貴族の礼儀としてだな……」
「はぁ〜……礼儀というなら貴族らしくしてください。
話も聞かず暴力を振るって、放置されたって殿下に
訴えたらどうなると思います?」
「それは……」
一瞬、顔色が変わる。
ルベライトはタンザナイトのお気に入りと言っても
いい。
最初従者にすると思われた側近の立場をアレキ・サ
ンドライトに譲ったと聞いて驚いたほどだ。
最近、ルベライトは雰囲気が変わった気がする。
何が変わったかというと雰囲気と、話し方なのだと
思う。
前の彼だったら、がむしゃらに周りに敵意を振り撒
いていた気がする。
だが、入学式の事件の時の彼と、今の彼では別人の
ような気さえするのだった。
「悪かった………俺の罪は認める。だから……」
「まずは……そこをどいてください……もう、限界っ」
足元がふらつくのを感じながら、話すのさえも億劫
に思えた頃、ふわっとした温もりに包まれた気がす
るのだった。
♦︎♦︎♦︎
タンザナイトは犯人探しに力を入れていた。
シトリンから現場の情報を聞いて一旦、自室に帰ろう
としたが、すぐに思い立ってルベライトにあてがわれ
た寮の部屋へと来ていた。
そこで話しているルベライトとインペリアルトの姿を
見つけた。
何やら緊迫した空気に出ていくのを迷っていると、
二人の話が耳に入ったのだった。
(暴力を振るわれただと?……放置されたとはどう
いうことだ?今聞いているのは、一体なんの事
なんだ?)
インペリアルトには、何かあるのだと直感が伝えて
いた。
ルベライトの様子がおかしいと思った瞬間、ふらっ
と倒れかかかった。
それを見た瞬間、すぐに出ていくと身体を支えたの
だった。
腕の中に倒れこんだルベライトは静かに寝息を立て
て気を失っていた。
「ルベライトっ………」
「タンザナイト殿下!」
「後で事情を聞く事になるだろう。覚悟しておくん
だな」
「違っ……俺は別に……」
何か苦虫を噛み潰したよう顔をしたインペリアルト
は力なく頷いたのだった。




