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19話

事情を聞いたタンザナイトは朝一番で城に戻って来た。


タンザナイトは別館からアカデミーへと通っていた。

城では兄のアメトリンと顔を合わせる事になるので

わざと避けているのだ。


だが、今日はそうも言っていられない事態が起きてい

たのだ。

それは、ルベライトが城に保護されたというのだ。


昨日、アレキが口を割った事で、来たくはなかったが

朝一番で来る決意をしたのだった。


アメトリンが朝起きて朝食を食べていると、勢いよく

ドアが開くと不機嫌そうなタンザナイトが入ってきた

のだった。


「やぁ、久しぶりだね。元気だったかい?」

「挨拶はいい。ルベライトはどこだ?」

「ルベライト君なら、寝室だよ?でも。今は行かない

 方がいいんじゃないかな?彼も君には見られたくな

 いだろうからね」


余裕そうな笑みを浮かべると、終始ニヤニヤしている。

昔からそうだった。

アメトリンは誰に対しても笑顔が上手いのだ。

本心を隠し笑い続ける。

その笑顔がどれほど気持ち悪く感じたかわからない。


ずっと横でその笑顔を見てきたせいかタンザナイト

は一切笑わなくなったのだった。


「もういい。勝手に探させてもらう」

「そうだ、タンザナイト。君最近平民にちょっかい

 出してるんだって?」

「………」

「あまりお痛が過ぎると、本命に嫌われちゃうよ?」

「関係ないな………」


タンザナイトはそのままアメトリンの寝室へと向

かった。

部屋はメイド達がシーツを剥いで新しいシーツに

変えている途中だった。


客間へも行ってみたが誰もいない。


「どこに連れて行ったんだ………」


呟くと一旦自分のかつて使っていたタンザナイト

の部屋へと寄る事にした。



部屋の前には数人の研究服を着た人達が立ち替わり

入っていく。


「おい、そこで何をやっている?」

「わぁっ!え、殿下!どうしてここに…」

「え、殿下が。これ続けていいのか?」

「しかし、もう終わるまで止められないのでは?」

「確かにな……」


口々に何か呟くと、奥から悲鳴地味な声が聞こえて

きたのだった。


「いやぁっ………やめて……はぁ、はぁ、あぁっ!」


声に聞き覚えがある。

そう思うと部屋にはいろとするが、すぐに止められ

てしまう。


「何をしている?そこにいるのはルベライトなのだ

 ろう?今すぐにどけ」

「なりません。今、実験中でして……」

「殿下、治療中なので、近づかれますと……色々と困

 る事がですね」

「退けと言っている。どかないなら今すぐにでも処罰

 するがいいんだな?」


殺気だった声で牽制すると、迷うようにそれでもドア

の前からどかなかった。


すると、一人が走り出していく。


「いやっ。やめて……それ以上無理ぃ〜、壊れちゃう

 やだやだぁ………うぐっ、あっ、んんっ……」

「早く退け!」


中から聞こえる声にタンザナイトの怒りが募る。

すると先ほど駆け出していった一人が戻ってきたの

だった。

その横にはニヤニヤした顔のアメトリンの姿があっ

たのだった。


「いやぁっぁあ、離して…もう、やめっ……ぐすっ」


中からはいまだに叫び声と啜り泣く声が混ざる。

それが誰のものかなど考えずともわかる。


「今すぐそこを退け!」

「それは無理な相談だね。君も知ってるだろう?

 彼は神殿での治癒師の治療がまだ受けられない

 状態だって……、だから特別に僕の知っている

 方法で傷を治してあげようとしてるんだよ。途

 中で止められては困るんだ。傷の具合も動けな

 いほど酷くてね。骨が折れていると医師が言っ

 ていたよ。ここで君がする事は、この事態の犯

 人を見つける事じゃないのかい?」


確かに間違ってはいない。

だが、ルベライトがすぐそこにいるのに会えない

のは辛い。

いつも側にいるはずの人間だっただけに、最近ず

っと会っていないかったのだから。









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