表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/17

15話

手を伸ばすが、誰にも届かない。




ー平民だから。

 たったそれだけの事で……

 差別されるなんておかしい。


貴族なら平民を見下してもいいのか?

平民だから、人間扱いされないのか?


シトリンは平民でも強い魔力を持って生まれてきた。

だから、伯爵様が教育の場を神殿に作ってくれた。


そのおかげで今、王立ジュエリーアカデミーに入学も

できた。


でも、それは外見だけで、実際は厳しい環境だった。

首席合格したせいで目立ってしまい、クラス全員から

除け者にされた。


だが、たった一人話せる人間ができた。

それは入学式の後の歓迎会でシトリンを攻撃しようと

して逆にシトリンの幼馴染みのインペリアルトに焼か

れたルベライトだった。


彼なら、こんな事しない。

彼らと同じなんかじゃ……ない……。


遠くから声がする。

掠れた声で助けを呼ぶが、声は小さく弱々しい。


「……………」


多分、届かない。

そう思った時、ハッキリと声が届いた事を知る。



      ♦︎♦︎♦︎



シトリンがいなくなってからルベライトは慌てる

ように来た道を引き返した。


確か、ルベライトは物語りの中ではボルダー・オ

パールとフロー・ライトと一緒にシトリンをはめる

計画をしたのだ。


先生たちから離す為に風魔法が使えるボルダーに

音を消しながら連れ去った。

あとはボルダーのウインドカッターで動けないよう

に傷だらけにすると、フローの魔法で地面を陥没さ

せてそこに落としたのだ。

自力では出られないようにして放置したのだった。


そこへたまたま通りかかったインディゴライトに

見つけられて満身創痍で発見されるという内容だ

ったはずだ。


「シトリンーー!返事をしろ!シトリーン!」

「………っ」


微かな音に、ルベライトは駆け出していた。

地面には魔法によって出来た跡があり、その先が

えぐれるように陥没して見える。


「まさか……」


ルベライトは駆け寄ると、陥没した底にシトリンが

横たわっていたのだった。

全身傷だらけで、動けなくなっていた。


「待ってろよ、すぐに助けるからな!」


ルベライトは周りの木に巻き付いた蔦を巻き取ると

木の幹に縛りつけた。

反対側を自分の腰に結ぶと陥没した地面を踏みしめ

ながら降りていく。


底まで来るとシトリンに駆け寄った。


「大丈夫か!怪我の具合は……」

「ルベライト……くん」

「もう、大丈夫だ。絶対に連れ帰ってやるからな」

「ありがと……」

「まかせろよ。」


そう言うと、持っていたハンカチを傷口に巻きつけ

たのだった。


まずはここから脱出する事が大事だった。

助けが来るのは2日後だ。

それまでこんなところで待ってなどいられない。


「辛かったら言えよ」

「……うん」


そう声をかけるとシトリンを背中に背負った。

あとは降りてきた時の逆に腰に巻きつけた蔦を

手繰り寄せて登れば問題ない……はずだった。


降りる時はそんなに大変ではなかったが、人を

一人背負って登るのは結構大変だった。


なにせ筋力を鍛えていないルベライトの身体で

ほぼ垂直に近い斜面を登ろうと言うのだから。


弱音なんて吐いていられない。

そう思い直すと腕に力込めるとゆっくりと上がっ

ていく。


やっと登りきったところで、手足がガクガクと

震えた。


これから魔獣がいるかもしれない森を抜けて、ア

カデミーまで戻られなければならないのだった。


「こりゃ、しんどいかもな……」


少し休憩してから、再びシトリンを背負って降りて

行くのだった。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ