14話
シトリンとは一緒に行動する事が多くなった。
クラスも一緒だし、必須科目も一緒だ。
そして今日は野外学習の日だった。
午後は先生の後をついて森の中に入る。
弱い魔獣の倒し方を実際に目で見るとの事だった。
本来ならここでルベライトはシトリンをわざと道
から外させると怪我をさせて置き去りにする。
先生もそれを気づかず戻って行ってしまうのだ。
たまたまそこには通りかかったインディゴライト・
ノースによって助けられるというシナリオになる。
それをきっかけに第一皇子のアメトリン・フォン・
イープルシアに面会するのだ。
これは第一皇子と会う為のフラグでもある。
だが、ルベライトが邪魔しなかったらどうなるの
だろう?
ルベライトは自分であって、今回はシトリンを虐
めるつもりは全くないのだった。
「魔獣と戦うのかぁ〜、僕は苦手だな」
「シトリンは水魔法だったよね?攻撃魔法は使え
るのかい?」
「僕は攻撃魔法は苦手なんだ。他人を傷つける様
な魔法ってちょっと怖くて……」
「……」
「使えるけど、どうしても躊躇ってしまって…」
「なら、いい方法があるよ。水に球体は出せる
でしょ?それを………」
「そんな事でいいの?」
「あぁ、それだけでいい。わざわざ早い攻撃や
相手を痛めつける攻撃なんてしなくていい。
ただ、それだけをすればいいよ」
ルベライトはシトリンに簡単なアドバイスをした
のだった。
攻撃魔法が苦手ならしなければいい。
ただそれだけだった。
先生の魔法を見ながらふと気づく。
さっきまで横にいたはずのシトリンがいなくなって
いたのだった。
「なんで………俺は何もしていないのに…」
慌てて、引き返すとルベライトは走り出したのだった。
♦︎♦︎♦︎
先生の魔法に魅入られている時、いきなり口を塞がれ
ると引きずるように連れ去られたのだった。
真横にいたルベライトは全く気づかない。
手を伸ばすも届かない。
そのうちに、ある程度離れるといきなり背中に痛みが
走った。
「うっ………」
「全く、このアカデミーに平民が来るとはな。ルベ
ライト様もこの様な平民に付き合わされてお可哀想
な事だ。ルベライト様の為にお前はここでくたばれ」
そういうと緑の髪の青年は風魔法を使っていきなり
攻撃してきたのだった。
避ける事もせず真正面から受けたシトリンは服に風
の刃が触れると赤いシミが出来る。
緑の髪の青年はポルダー・オパール、男爵家の次男だ。
ルベライトとよくつるんでいた同じ派閥に属する人間
だった。
その横にいる茶色の髪の青年はフロー・ライト。
男爵家の長男だ。
だが、あまりに弟が出来がいいせいで後継者としても
危機でもあった。
「出来がいい平民なんて……まじで生意気なんだよ」
フローは土魔法でその場の土を陥没させるとシトリン
を突き落としたのだった。
「いい気味だ」
「平民はそうやって地べたに這いつくばっているのが
お似合いだ」
貴族には、平民と一緒に学ぶなど許されないと思う
人間もいた。
もちろん、インペリアルトのように伯爵でも平民を普
通の人として扱ってくれる人もいる。
だが、それは少数派だった。




