9株目 私の家族
「リア姉さま。また、お花咲かせてください。」
私には4つ下のかわいい弟クラウスがいる。
クラウスは、私の魔法が大好きでよく見せてほしいとせがんでくる。
弟かわいさについつい、花を咲かせて見せてしまう・・・・
そんなクラウスだから、ハオルちゃんも気に入って頭の花芽を揺らしている。
今日も庭までついてきて、植物の魔法を見たいとせがまれてしまった。
「じゃあ。今日はちょっとサービスしてリンゴの木にクラウスの大好きなリンゴをならしちゃおうかな。」
私は、いつものようにリンゴがなるように願った。
すると、リンゴの木に花が咲き、すぐに実がなり、赤く変わっていった。
「うわあ。リア姉さま。すご~い!!本当にすごいね。」
クラウスのこの笑顔が見られるなら、ちょっと無理して魔法使ってよかった。
(でも、ちょっと無理しすぎちゃったかな・・・・・)
私は、疲れを感じて、部屋に戻ることにした。
「クラウス。ごめんね。姉さまはお部屋に戻るね。クラウスもおうちに入ってね。」
私は、すぐに部屋に戻り、ベッドに横になった。
私は、この後眠ってしまったことをーーーーー
ひどく後悔した。
次の日。
朝食の席に向かうと、お父様とお兄様しかいなかった。
「お父様、レオ兄様。おはようございます。
お母様とクラウスはどうしたのですか?」
私が、気になったことを聞くとーーー
「お前のせいだよ。」
レオ兄さまが私をにらむ。
レオ兄さまは、12歳でありながらお父様の後を継ぐべく真面目に努力している。
しかし、真面目過ぎて、時々相手に厳しくなりすぎる時がある。
「私のせいとはどういうことですか?」
私は驚いて、すぐに聞き返した。
「お前、昨日緑の魔法を使ってリンゴを実らせただろう。
そのリンゴが採りたいとクラウスは無理して木に登ろうとして落ちたんだよ。」
「え~。それは・・・・・」
~~~~
「よいしょ。」
「あっ。」
ドサッ!
「クラウス坊ちゃま!!!」
「奥様、大変です。」
~~~~
(あの後家に戻らないでリンゴを採ろうとしちゃったんだ。
まだ5歳なんだから、目を離しちゃいけなかった・・・・)
「ごめんなさい。私がリンゴなんか見せちゃったから。」
悲しくて涙が出そうになってきた・・・
(でも、だめだ。痛いのはクラウスだ。クラウスに謝らなくちゃ。)
「まずは、朝食をとりなさい。そのあと一緒に様子を見に行こう。」
お父様は、私に席に着くよう促す。
「父上は甘いよ。魔法の使い方は気を付けないといけないとちゃんと教えないと。
遊びで使ってはいけないんだよ。」
お兄様は、更に私に注意してくる。
(でも、確かにそうなんだよね。今回のことは全面的に私が悪い。
レオお兄様は厳しいけれど、私にきちんと教えたいんだ。)
「レオお兄様。教えていただき、ありがとうございます。
私、これからは必要な時だけ魔法を使うようにします。
今回は、皆さんに迷惑をかけて本当にごめんなさい。」
私は、頭を下げた。
「分かればいいんだ。気を付けるんだぞ。私は、お前のことも心配なんだから。」
お兄様は、そう言って食事を再開した。
お父様も私の頭を優しくなで、食事を始めた。
そうして、あまり食欲はわかなかったけど、どうにか食事をした。
お父様と私は、弟の部屋に向かった。
優しくノックして部屋に入ると、
クラウスはベッドに横になっていた。
そして、隣にはお母様がついていた。
私は、すぐにベッドに駆け寄り、クラウスの手を握った。
「クラウス。ごめんね。姉さまがリンゴなんか出したりしたから・・・」
もう涙をこらえることができなかった。
「泣かないで。リア姉さま。僕が木に登ったからいけないんだよ。
姉さまは、僕の大好きなリンゴを出してくれたんだもん。
リンゴを採って、みんなに見せたかったんだ。
リア姉さますごいって。」
クラウスはそんなことを言う。
(なんてかわいい子。でも今回は私が悪い。
泣いてないでちゃんと謝ろう。)
「よく考えないで魔法を使ってごめんなさい。
使った後のことも考えて、本当に必要な時だけ使うようにします。
クラウスも本当にごめんね。」
今回は、クラウスが木から落ちた時、あまり高くないところから落ちたことと、
お母様が近くにいたからちょっとしたけがで済んだ。
お母様は、光の魔法の第一人者で、すぐにけがを軽減する魔法を使ってくれたからだ。
光魔法は、万能ではない。
ちょっとしたけがは直せるが、大けがは痛みを軽減したり、ちょっとした疲れをとったりするくらいだ。
それでも、お母様の魔力は高いためにクラウスのけががだいぶ軽く済んだようだった。
「リア。もう泣かないで。お母様がついているから。」
お母様も私の頭をなでてくれる。
今回のことでお父様から提案があった。
私の魔力の使い方や知識について基礎を学ぶことが必要だということ。
そのために、魔導協会に相談をしてくれるということだった。
私も、今回のことでその方がいいと感じた。
「お父様、お母様。お願いします。魔法について学ばせてください。」
私からもお願いをした。
そうして、後日。
お父様がためらいながら伝えてくれた先生。
「非常に優秀だが・・・・少々癖がある。」
少し?変わった先生が魔法の指導に来てくれることに決まった。
(私の魔法は、人を笑顔にするだけじゃない・・・・)
(使い方を間違えれば、誰かを傷つける。)
(だからこそ、魔法のことしっかり学ばなくちゃ。)
私は、決意したーーーー




